助成実績

科学技術関係 研究助成

第31回(2015年度)マツダ研究助成一覧 −科学技術振興関係−

 助成金額は一律120万円。但し、「マツダ研究助成奨励賞」に選出されたものは、50万円の追加助成。
:循環・省資源に係わる研究
研 究 題 目 研 究 代 表 者
(役職は応募時)
助成金額
(万円)

手書きした磁力線を自動採点するシステムの開発とその教育評価
天造 秀樹
香川高等専門学校
講師
120
学習者が手書きした磁力線が正解かどうかを画像認識技術を用いて採点するシステムを開発する。学習者は赤と青の二色の丸シールをA4用紙の任意の位置に貼り付けることで、正負の複数の磁荷を設定することができる。考えながら磁力線を描くことを繰り返すことで正確に電磁気現象を理解することができるようになる。これにより新しいインタラクティブな電磁場シミュレーション技術の発展性を学術分野に提案することができると考えている。本研究では、本採点手法の妥当性の検証と教育効果をアンケート等により分析する。

水素社会の実現に向けた高活性水分解光触媒の創製
藏重 亘
東京理科大学
理学部助教
120
水素は燃やしても水になるだけであるため、エネルギー・環境問題が深刻になっている今日、クリーンなエネルギーとして注目されている。半導体光触媒により水と太陽光から水素を作り出す水分解反応はクリーンな水素製造手段として注目を集めている。光触媒材料の助触媒ナノ粒子(活性部位)の粒径微小化は、光触媒活性を向上させることが報告されている。本研究では、申請者らの金属ナノクラスター精密合成技術を駆使し、助触媒ナノ粒子の化学組成を厳密制御することで、高活性な水分解光触媒材料を創製する。

マルチスケール階層構造を用いた高効率SiGe熱電変換ナノ材料の開発
野村 政宏
東京大学
生産技術研究所准教授
170
持続可能なエネルギー社会の実現に貢献するスマート社会化に必要不可欠なエネルギーハーベスタ用の高効率熱電変換ナノ材料の創製を目指す。材料には低環境負荷で低コストなSiGeを用い、ナノスケール熱伝導に特徴的なフォノン輸送の物理的理解に基づいて高性能化が可能なマルチスケール階層構造を提案する。ポイントは、粒子描像で記述される従来法に上乗せして波動的性質までを考慮して人工結晶構造を導入する点である。広周波数領域に分布するフォノンの輸送を全域で抑制することで確実な性能向上が期待できる。
2次元超伝導物質を用いた高効率スピン変換とその制御 新見 康洋
大阪大学
大学院理学研究科准教授
120
スピン角運動量の流れ「スピン流」を用いたデバイスは、電荷の流れを伴わないため、ジュール熱を発生せず、低消費電力に貢献できる。しかし現状ではまだスピン流の生成・検出効率は小さく、従来型のデバイスに劣っている。本研究課題では超伝導転移する2次元原子層物質を用いて、この生成・検出効率を劇的に向上させる。2次元物質を用いる最大の利点は、電界で変換効率や超伝導体転移温度が制御できる点にある。研究課題が達成されることで、例えば超高感度磁気センサーに応用できる。

低温環境下において自励的に作動するマイクロ熱輸送デバイスを用いた実用化基盤技術の構築
麓 耕二
弘前大学
大学院理工学研究科准教授
120
近年,信号機のLED化に伴い信号機からの発熱量が減少したため,容易に着雪が生じ,頻繁に視程不良の状況となることが報告されている.このような背景を踏まえて,本研究は積雪寒冷地における信号機への着氷雪防除を目的としている.具体的には,比較的高温となる信号機の電子基盤からの排熱を輸送・伝熱することで着雪防除に効果的な熱供給方法を探索する.本課題は,これまで申請者が取組んできたマイクロ熱輸送に関する基盤技術の研究成果を用いて,地域の実問題を解決する極めて重要かつ有用な研究である.
強磁性元素含有ポリマーの開発と粒子制御技術への応用 桑折 道済
千葉大学
大学院工学研究科准教授
170
既存の優れた材料と,磁石に応答する強磁性体を複合し,新たな機能磁性材料を作製する基盤的技術開発が求められている。本研究では,強磁性元素であるホルミウムを導入した新しい「強磁性元素含有ポリマー」の合成手法と,既存材料表面への「強磁性元素含有ポリマーブラシ」構築による無着色での磁性付与法を確立する。さらに,無着色での磁性付与法の利点をいかし,磁力による粒子制御技術を用いた「色調変化が可能な単色構造色材料」の創製を目指す。

カーボンナノチューブ内包強磁性金属ナノワイヤの合金化による磁気特性制御
佐藤 英樹
三重大学
大学院工学研究科准教授
120
強磁性金属ナノワイヤを内包したカーボンナノチューブ(CNT)は,その高アスペクト比形状に起因する磁気異方性により,極めて高い保磁力を発現する。CNTに内包される強磁性金属を合金化し,その結晶構造を制御することができれば,その保磁力はさらに向上し,希土類元素を用いずに強力な磁石を作製できる可能性がある。本研究では,複数原料を導入可能な化学気相成長装置を用いることで,従来困難であったCNTへの強磁性合金ナノワイヤの内包を実現,保磁力の大幅な向上を目指す。

新規層状ケイ酸塩Hiroshima University Silicate (HUS)を用いた二酸化炭素吸蔵材料の開発
津野地 直
広島大学
大学院工学研究院助教
120
無機多孔体の代表であるゼオライトはそのナノレベルの規則的な結晶構造からもたらされる特性によって、工業材料として古くから幅広く用いられている結晶性アルミノケイ酸塩である。本研究では、現状のゼオライト合成を改善するための合理的な機能設計手法を提案する。申請者が合成に成功した新規層状ケイ酸塩HUSの構造を利用し、層状化合物層間での細孔構造および吸着能を設計することで、目的に応じたゼオライトの機能設計を行う。この材料設計によって得られた新素材を天然ガス中や工場排ガスなどの不純物であり、地球温暖化の原因にもなる二酸化炭素の除去へと応用する。
偏波及び多重散乱解析を用いた超分解能内部画像化レーダに関する研究 木寺 正平
電気通信大学
大学院情報理工学研究科准教授
120
本研究課題では,超広帯域信号を用いた超波長分解能内部レーダ技術を開発する.UWBレーダ技術は,高い距離分解能(数mm級)を有し,誘電体内部透過性に優れ,従来の超音波・X線・MRI等の各種計測技術における問題点を回避する革新的イメージング技術として注目を集める.その応用範囲は乳癌検知等の非侵襲生体内部モニタリング,壁・道路内部の各種非破壊計測等,多岐に亘る.本研究では申請者が独自に提案するイメージング原理を内部画像化へ拡張し,偏波・散乱周波数特性等の電波固有の特徴量を有機的に統合することで,従来性能を凌駕する革新的な内部レーダセンサのための要素技術を開発する.

太陽光反射面のパッシブ再生機能を実現するマイクロピラー光触媒層の開発
亀谷 雄樹
東京理科大学
工学部助教
120
太陽光を建築物の壁面で反射することは熱マネジメントによる省エネルギー化を図る上で重要であるが、大気中を浮遊する粒子状物質(PM)、特に炭素系PMの付着による日射反射塗料の性能劣化が問題となっている。そこで本研究は、パッシブ再生機能を実現する“マイクロピラー光触媒層”を創製し、太陽光の光触媒層への到達経路を確保し、かつ固体粒子の反応で重要となる触媒表面との接触面積を増すことで、炭素系PMの酸化反応を促進する技術を提案し、その実証を行う。
光ファイバーテラヘルツ光学変調器の開発 財津 慎一
九州大学
大学院工学研究院准教授
170
本研究提案は、これまでの光変調器における最大変調周波数を3桁以上拡張する技術を開発し、光科学に革新的なインパクトを与えることを目的とする。この目的を達成するために本研究では、微細構造中空光ファイバー中で励起された分子のコヒーレント運動に注目し、これを光波と相互作用させることによって、分子の運動周波数での光波の位相・振幅変調を実現する。この新しい原理を利用した「テラヘルツ分子光学変調器」を、これまでにない高周波数領域で光波変調を実現する新しいデバイスとして提案する。
光相関イメージング法による長時間観察可能な蛍光顕微鏡の開発 水谷 康弘
大阪大学
大学院工学研究科准教授
120
細胞を生きたまま長時間観察が可能な蛍光顕微鏡は,病理解明や病原検出に必要とされている.そこで,微弱な光を検出することができる光相関イメージング法に着目した.光相関イメージング法は,高感度な光検出器を用いることができることと相関計算から観察像を得ることから非常に高感度な画像検出法として注目されている.しかし,実際に顕微鏡に応用された例はほとんどない.そこで,光相関型イメージング法を蛍光顕微鏡に組み合わせることで長時間観察可能な蛍光顕微技術を確立し,その基本特性を明らかにする.

帯電液滴ビームを用いた有機無機複合材料の微細領域分析に関する研究
二宮 啓
山梨大学
大学院総合研究部准教授
120
量子ビームを利用する二次イオン質量分析などの表面分析技術はナノメートルレベルの微細領域を計測できることから、微細化の進む先端デバイスの発展に貢献してきた。しかしながら近年、有機物と無機物の積層構造や両者から構成されるハイブリッド材料など分析対象が複雑化するに伴い、これまでのビーム技術では分析が不可能な事案が増えている。本研究では水による帯電液滴という独自の新しいイオンビームを用いることにより、複雑な試料での微細領域分析への応用につなげる。

1つのコンバータで太陽電池と蓄電池の同時制御が可能な「3ポートコンバータ」の開発
鵜野 将年
茨城大学
工学部准教授
120
太陽光発電システムにおいて太陽電池パネルと蓄電池の2つの電源を1つの電力変換器(コンバータ)で同時に制御可能であり、且つ、システムの大幅な簡素化・低コスト化を実現する「3ポートコンバータ」の開発を行う。ある導出手順により導き出される多種多様の3ポートコンバータ回路方式の体系化・定量比較を行いつつ、3ポートコンバータに適した新たな制御手法の開発も行う。最終的には実機評価により3ポートコンバータならびに制御手法の検証を実施する。
全固体エレクトロクロミック薄膜トランジスタの開発 片瀬 貴義
北海道大学
電子科学研究所助教
120
色調と抵抗変化を同時に変調可能な全固体エレクトロクロミック薄膜トランジスタの開発を目的とする。水を含んだナノ多孔質ガラスをゲート絶縁体とする水電気分解トランジスタを用いて、アモルファスWO3薄膜にプロトン(H+)を脱挿入し、室温で電気的に、金属-絶縁体変化とエレクトロクロミズムを同時に自在変調する。全て室温プロセスでガラス基板上に実現し、調光機能とメモリー機能を兼ね備えた、新しい光・電子スマートデバイスを実証する。

三相界線マイクロメニスカス挙動に基づくループヒートパイプ蒸発器の開発
西川原 理仁
豊橋技術科学大学
大学院工学研究科助教
170
 本研究は、パソコン、自動車など暮らしに身近な省エネ技術として応用が期待されるループヒートパイプ(LHP)の熱流動現象の解明、詳細設計理論の確立により、無電力高効率冷却技術および革新的熱輸送技術という熱工学におけるブレイクスルーを実現させるものである。特に具体的な目的は、LHPの最重要設計要素である蒸発器設計理論を構築することである。従来の2次元的な形状ではなく、3次元マイクログルーブを有する蒸発器における気液二相流の新たな課題を解決し、熱輸送能力を最大化することが本申請の目的である。

界面の空間制御による新規酸化チタン微粒子材料の創製
岡田 洋平
東京農工大学
大学院工学研究院助教
120
タンパク質などの生体分子の可逆的なリン酸化は極めて重要な生化学プロセスであり,医学や生命科学の分野において世界中で研究が進められている.しかしながらこれらの生体分子は非常に微量しか発現しておらず,構造解析を行なうための物質量を得ることが課題となっている.本研究では酸化チタンが強いリン酸吸着能を示すことに着目し,これを基軸とした新規微粒子材料を開発する.特に有機‐無機ハイブリッドの形成によって界面の空間を制御することによって,リン酸吸着に選択性を付与することを目指す.
超音速ガスパフ法を用いた燃料供給による深宇宙探査機用電気推進機の性能向上 桑原 大介
東京農工大学
大学院工学研究院助教
120
深宇宙探査機用の次世代型長寿命電気推進機として開発中のヘリコンプラズマスラスタの燃費・推力増加を目指し、ラバールノズルを用いた超音速ガスパフ法による燃料供給法の開発を行う。従来法では燃料は放電室内に均一供給されプラズマ生成が行われるが、超音速ガスパフ法ではプラズマ中心に集束燃料ガスを供給することでプラズマの放電室壁面損失低減およびプラズマ中心での燃料枯渇改善による燃費・推力向上が期待できる。本研究が目指すRFプラズマにおける燃料粒子空間分布の積極的制御は新規開拓分野といえる。

光誘起マランゴニ回転流を利用した自己集積的なマイクロ粒子の配列に関する研究
名村 今日子
京都大学
大学院工学研究科助教
120
本研究では,水中に分散したマイクロ粒子をマイクロ流路の中で自己集積的に配列したり再分散したりする技術を確立する.申請者らは,これまでにナノ構造薄膜の局所的な光熱特性を使って,マイクロ流路の中で急激なマランゴニ回転流を発生することに成功した.この回転流を使えば,流路の中に分散している粒子を,流路の底の方で運動させることができる.そこで,流路の底に凹凸を設け,より高度な粒子の動きの制御を試みる.研究成果は,流体中の生体分子などの分析や検査の小型化・省資源化に貢献する.

精密合成に基づく機能性高分子界面の構築:血液適合性制御に向けた設計指針の提案
織田 ゆか里
九州大学
大学院工学研究院特任助教
120
高分子界面における機能発現の理解とその自在制御を目指し、血液適合性高分子の精密合成を検討する。本研究では、一次構造の明確に規定されたポリビニルエーテル(PVE)が形成する特異な水界面に着目し、その分子設計と(PVE/水)界面で発現する血液適合性との相関を、界面近傍における分子鎖の凝集状態ならびにダイナミクスの観点から考察する。得られる結果を総括することで、界面における高分子の静的・動的構造制御を達成し、血液適合性材料の分子設計指針を提案することを目的とする。
回転傾斜露光を用いたマイクロニードルアレイの開発 高橋 英俊
東京大学
大学院情報理工学系研究科特任助教
120
無痛での経皮薬物送達が可能な注射針の実現のため、回転傾斜露光を用いたマイクロニードルアレイの新たな作製方法を提案する。透明基板上の円形パターンアレイをマスクとし、紫外線重合性を持つ生体適合材料に対して裏面から回転傾斜露光を行うことで、材料内に紫外線が常に照射される領域と一定回転区間紫外線が照射されない領域が存在し、材料内に露光量の違いが発生する。この露光量の違いによって硬化場所を選択的に制御し、円錐形状のマイクロニードルアレイを実現する。

金属酸化物物性の精密コントロールを可能とする新規手法の開発
田村 正純
東北大学
大学院工学研究科助教
120
酸化セリウムは触媒・工業化学において非常に重要な金属酸化物であり、その物性をコントロールする新たな手法の開発は必要不可欠である。これまでは主に第二成分を添加・導入することで物性コントロールが行われてきたが、第二成分が悪影響を及ぼす場合がある。本研究では、これまでの手法とは異なり、金属酸化物に圧縮・伸張ストレスをかけることで物性が大きく変化することに着目し、新たに酸化セリウムナノチューブを合成することで、物性をコントロールする新規手法の確立を目指す。

高度配列カーボンナノチューブと樹脂を複合化させた高電気・熱伝導プラスティック開発
井上 翼
静岡大学
大学院総合科学技術研究科准教授
120
長さ1mmを超える長尺のカーボンナノチューブ(CNT)を一方向に配列させたCNTシートを樹脂と複合化し、電気と熱が流れるプラスティック材料を開発する。独自の紡績性CNTから紡ぎ出したCNT長繊維を積層して得られるCNTシートは、すべてのCNTが同じ方向に配列しているため、きわめて高い電気伝導特性と熱伝導特性を呈する。そのCNTシートを樹脂シートとミックスし、ハンドリング・加工性の高いCNT樹脂複合シートを創出する。触ると“ひんやり”する高電気・熱伝導プラスティックを開発する。
低温成長InGaAsの固相エピタキシー技術の開拓 富永 依里子
広島大学
大学院先端物質科学研究科助教
120
本研究では、GaAs系III-V族半導体の固相エピタキシー成長技術を世界に先駆けて確立する。当該技術は、180℃以下の低温で成長したアモルファスGaAs系半導体を400℃以上の高温で熱処理することにより結晶化するというものであり、GaAs系半導体の従来よりも低コストかつ簡便な結晶成長技術を実現することを目的とする。テラヘルツ波発生検出素子や電子デバイスと光学デバイスの両方の利点を併せ持った集積回路用エピタキシャル層、薄膜トランジスタの実現を最終目的とし、その足掛かりとなる結晶成長技術を開拓する。

非貴金属(ユビキタス)元素とRedox活性アミン配位子を含む非貴金属錯体を用いた室温光駆動型アルコール燃料電池デバイス設計
松本 剛
中央大学
理工学部助教
120
本研究では、「非貴金属(ユビキタス)元素とRedox活性アミン配位子を含む非貴金属錯体を用いた室温光駆動型アルコール燃料電池デバイス設計」を遂行し、特に光反応を利用してアルコールからカルボン酸への光化学的選択酸化により効率的かつ選択的に多電子多プロトンを取り出す新しいシステム創製を目標とする。
合 計 25件 3,200


 「マツダ研究助成奨励賞」一覧 ●

マツダ研究助成奨励賞は、マツダ財団設立30周年を記念して2014年度より新設されました。
科学技術振興関係の助成対象の中から、若手研究者を主たる対象とし、選考委員会が特に優れた研究であるとみなした4件の研究に対して授与されるもので、副賞として研究助成金50万円が追加助成されます。

研究代表者 所属(役職は応募時) 研 究 題 目
西川原 理仁 豊橋技術科学大学大学院工学研究科助教 三相界線マイクロメニスカス挙動に基づくループヒートパイプ蒸発器の開発
【選考理由】 本研究は、毛細管力を駆動源とするループヒートパイプを用い、蒸発器の三次元マイクログルーブ内の気液挙動を可視化し、これを自ら開発した三次元多孔体内気液二相熱流動解析に適用することで、高精度な蒸発器設計理論を構築する。これによって、応用範囲の広い無電力高効率熱輸送技術を低コストで実現することが期待でき、その高い技術内容に対して、奨励賞を贈呈する。
財津 慎一 九州大学大学院工学研究院准教授 光ファイバーテラヘルツ光学変調器の開発
【選考理由】 本研究は、微細構造中空光ファイバー中で励起された分子のコヒーレント運動に注目し、これを光波と相互作用させることによって、分子の運動周波数での光波の位相・振幅変調を実現する「光ファイバーテラヘルツ光学変調器」を提案するものである。これによって、光変調器における最大変調周波数を3桁以上拡張することが期待でき、その「光の特性を操る」技術の高い革新性に対して、奨励賞を贈呈する。
桑折 道済 千葉大学大学院工学研究科准教授 強磁性元素含有ポリマーの開発と粒子制御技術への応用
【選考理由】 本研究は、既存の優れた材料と磁石に応答する強磁性体を複合し、新たな機能磁性材料を創成する技術開発であり、磁力による粒子制御技術を用いた「色調変化が可能な単色構造色材料」の創製を目指したものである。これにより、外部磁力変化による波長選択的光導波路の開発や、磁力により色調可変な色材開発など多岐に渡る分野での応用が期待でき、その高い技術内容に対して、奨励賞を贈呈する。
野村 政宏 東京大学生産技術研究所准教授 マルチスケール階層構造を用いた高効率SiGe熱電変換ナノ材料の開発

【選考理由】 本研究は、従来法にフォノニクスの手法を上乗せし独自に考案したマルチスケール階層構造と半導体ナノ加工技術により、低環境負荷で高性能かつ安価なSiGe材料を高効率熱電変換材料に昇華させるものである。これにより、熱電変換効率の向上だけでなく、高環境負荷・希少材料からの脱却も期待でき、その独創性と先進性の高い研究内容に対して、奨励賞を贈呈する。

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