助成実績

科学技術関係 研究助成

第34回(2018年度)マツダ研究助成一覧 −科学技術振興関係−

 助成金額は一律100万円。但し、「マツダ研究助成奨励賞」に選出されたものは、50万円の追加助成。
:循環・省資源に係わる研究
研 究 題 目 研 究 代 表 者
(役職は応募時)
助成金額
(万円)
マイクロセンサ試作プラットフォームの構築に向けたマスクレス垂直深堀大気圧プラズマエッチング法の開発中澤 謙太
静岡大学
工学部機械工学科 助教
100
本研究ではMicroelectromechanicalSystems(MEMS)技術を用いるマイクロセンサを試作可能なプラットフォームの実現を目指し,大気圧プラズマを用いたマスクレス垂直深堀エッチング法の開発を行う.本研究での目的は従来技術でのMEMS試作において避けられなかった高価な設備やコスト,複雑・多数のプロセス,多くのノウハウの要求といった諸問題に対し,低コスト・迅速・容易に試作が可能なプラットフォームの実現に向けた中核技術のエッチング法を確立することである.

光捕集アンテナを基盤とする光エネルギー変換と人工光合成への応用展開
重光 孟
大阪大学
大学院工学研究科応用化学専攻 助教
100
石油や天然ガスなどの有限のエネルギーに依存している人類にとって、太陽光などの新たなエネルギー源の開拓と利用は必須の課題である。そのため、太陽光を電気や化学エネルギーへと変換する『人工光合成』が活発に研究されている。しかしながら、その実用化に向けて、光の捕集能やエネルギー変換効率の向上が大きな課題となっている。本研究では、高効率に光を捕集し、そのエネルギーを一点に集約できる『人工光捕集アンテナ』を創出し、光エネルギーの革新的な利用技術を開拓する。

低環境負荷溶媒を用いた大面積有機結晶の形成と高性能有機トランジスタへの応用
小野島 紀夫
山梨大学
大学院総合研究部工学域電気電子工学専攻 准教授
100
本研究では,低分子/ポリマーブレンドおよび環境にやさしく人体に害のない溶媒を用いた印刷技術により大面積で高品質な有機結晶を形成し,さらに自己組織的に形成された相分離界面を利用することで高性能な有機トランジスタを作製する.この溶媒を用いることで低分子/ポリマーブレンドが高速に相分離されるため,印刷プロセスに重要となる低環境負荷で高速(ハイスループット)な有機デバイスの製造ができ,プリンテッド有機エレクトロニクスの発展に大きく寄与することが期待される.

理論限界に迫る有機太陽電池の実現
伊澤 誠一郎
自然科学研究機構 分子科学研究
物質分子科学研究領域分子機能研究部門 助教
100
有機太陽電池は安価、軽量性、フレキシブルなどの利点から、将来のエネルギー変換デバイスとして注目を集めている。しかし、その性能は、出力電圧が低いことが原因で最高効率が11%程度と、理論限界に近い性能を示す高効率無機太陽電池のGaAsの28%比較すると大幅に劣る。研究代表者は超高移動度分子を用いた新たな有機太陽電池で理論限界に迫る高い出力電圧が得られることを見出した。この太陽電池の特徴的な光電変換過程を理解し分子設計指針を得ることで、理論限界効率に迫る有機太陽電池の実現を目指す。
AC電源からのハムノイズを用いて色々な物をタッチインタフェース化する技術の実用化研究岡本 正吾
名古屋大学
工学研究科機械システム工学専攻 准教授
100
住環境や職場環境に存在する机・棚・壁などのさまざまな物体をタッチ入力インタフェースに変換させることができる技術がある.必要なものは壁の中などに埋設されているAC電源である.電源から発せられるハムノイズによってヒト体内に生じる電流は,手指を介して物体に流入する.これを適切に捉えることで,石材のような準導電体から布(特殊塗装後)のような柔軟物までタッチインタフェースと化す.本研究は,その実用化のためのジェスチャー(なぞる動作)認識機能および集積回路開発に関する課題である.
高効率なリチウムイオン伝導を実現する無溶媒型液晶性大環状化合物の機能評価河野 慎一郎
名古屋大学
大学院理学研究科物質理学専攻 化学系 講師
100
軽量化が期待されているリチウム二次電池の開発において、高温で発火する危険性を伴う電解液や有機溶媒を必要としない、安全で環境負荷の低い電池材料の開発が求められている。しかし、電解液等がなくても、イオンが流れる経路が分子レベルで勝手に組み上がる「自己組織化」を巧みに利用すれば、無溶媒条件下での高効率なイオン伝導性物質を構築することができる。本申請研究では、あらゆる表面形状を持つ素材の上でも被覆可能(プリンタブル)で、かつ高効率イオン伝導性を持つ液晶性複合材料の開発を目指す。
交番磁界中で自己発熱するスピネル型セラミクス複合粒子の開発平澤 英之
新居浜工業高等専門学校
環境材料工学科 准教授
100
癌の誘導焼灼治療法を実用化するため、交流磁場中で著しく自己発熱する磁性ナノ粒子の開発が望まれている。本研究では、スピネル型フェライトの中で特異的に発熱することを発見しているMgFe2O4粒子の最適な合成法を確立するとともに、金属コーティングによる複合化を行なうことで渦電流による発熱効果を追加した高発熱セラミクス複合粒子を開発する。また、現在厳密に解明されていない交番磁界中での発熱機構を明らかにするため、ロシア合同原子核研究所での中性子線回折を行ない、磁気構造解析から発熱因子を特定する。

トラフィック変動に追従する動的スモールセルネットワークにおける無線通信特性の評価及び改善
丸田 一輝
千葉大学
大学院 工学研究院電気電子工学コース 特任助教
100
これまでに,トラフィック変動に応じて基地局が動的に移動する自律型ネットワークを提案し,設備コストの観点から固定設置型の基地局に対する優位性を示してきた.本研究提案では,ユーザエクスペリエンスに直接関わる通信の観点からシステムを具体化することを目的とし,基地局?ネットワーク間及び基地局?ユーザ間を検討対象とする.低遅延化を実現する第5世代移動通信規格(5G)のシステムパラメータの導入や車両密度を考慮し,無線区間における接続時間を定量化するとともにその改善手法を確立する.

福祉施設と連携したIoT水耕栽培連携システムの研究開発
亀濱 博紀
沖縄工業高等専門学校
情報通信システム工学科 助教
100
福祉施設での就農者支援に着目したIoT水耕栽培システムの研究開発に取り組む。まず、栽培物を安定供給するため多数測定ポイントからデータをIoT技術で取得しAIで解析する。次に、上記ベースに、障がい者や高齢者が安心して働き、就農者の状況に合わせて分かりやすく作業工程を示すアプリ開発と各施設に設置しやすい形態の水耕栽培キットを開発する。最終的に、顧客要求や各支援施設の設備・興味・スキルに応じ水耕栽培をコントロールし、全体の効率化と就農者のやりがいの向上と維持を行う水耕栽培システムを構築する。

触媒粒子とカーボン粒子の複合化による高性能酸素発生反応用触媒の開発
大野 智也
北見工業大学
工学部地球環境工学科 教授
100
充電可能な空気電池開発を目指し、放電反応(酸素還元反応)と充電反応(酸素発生反応:OER)に適用可能な二元機能触媒粒子を液相法により作製する。また電極となるカーボン粒子の空気極作製用インク内での静電反発力を、粒子表面の化学修飾により制御し、触媒粒子とインク内でヘテロ凝集させることで、一次粒子レベルでの複合化を達成する。この粒子複合化により触媒粒子の有効表面積を改善し、代表的な二元機能触媒であるCo3-xMnxO4を用いて、高性能OER触媒として知られるRuO2の2倍のOER活性を目指す。

光・電場に鋭敏に応答するコレステリック液晶マイクロカプセルの創製
キム ユナ
北海道大学
電子科学研究所スマート分子材料研究分野 助教
100
本申請研究では、全方位にわたって選択反射の色と強度を光照射と±1〜2V程度の非常に低い電圧印加により瞬時かつ自在にコントロールできるマイクロカプセルを創製する。コア部として、光照射により選択反射色を大きく変化させるコレステリック液晶を用いる。シェル部には、両親媒性モノマーをコア部である液滴上で重合させて得られるエレクトロクロミックポリマーを用いる。効率的にカプセル化する方法を確立し、得られたマイクロカプセルがディスプレーや調光ガラスなどの実用的な応用展開が可能であるかを検討する。
ニューラルネットの軽量化のためのフィードバック量子化南 裕樹
国立大学法人大阪大学
大学院工学研究科機械工学専攻 講師
100
ディープニューラルネットを携帯端末のようなハードウェア資源の少ないデバイスに実装するには,モデルの軽量化が必要である.これを実現するために,本研究では,モデルの入出力関係をできるだけ保存するように,ニューラルネットの結合重みを連続値から離散値に変換する問題を考える.そして,ある場所で生じた量子化誤差をまだ量子化していない場所に拡散(フィードバック)することで,重要な情報をできる限り保存するという「動的量子化器」のアイデアをベースとした新しいタイプの量子化器を提案する.

大気汚染物質の低環境負荷な酸化分解を目指した無機アニオン複合型光触媒の設計
福 康二郎
関西大学
環境都市工学部エネルギー・環境工学科 助教
100
大気汚染問題の原因である揮発性有機化合物(VOCs)の低環境負荷かつ高効率な分解無害化を実現するため、光触媒作用により発生する活性酸素種の酸化剤特性を最大限に向上できる光触媒システムの構築を目指す。様々な無機アニオンを固定化することが可能な層状複水酸化物(LDH)と光触媒を融合し、光触媒上で発生する活性酸素種をLDHに固定化した無機アニオンと反応させることで、VOCsの酸化分解へ効果的に働く過酸化物種を系中で合成・利用できる『無機アニオン複合型光触媒』の設計を目指す。

高機能接着を目指した材料界面における構造不均一性の解明
藤井 義久
三重大学
大学院工学研究科分子素材工学専攻 准教授
100
近年、省エネルギー・省資源の要請により自動車や航空機などの移動体の軽量化に資する異種材の接着・接合技術の開発が展開されている。一方、接着に重要な材料界面ではバルクと異なる分子構造を取ることが知られているが、その詳細は十分に明らかにされておらず、接着の高機能化には至っていない。そこで本研究では、接着界面における構造不均一性と物性変化に着目し、量子ビームと力学強度試験を駆使して界面選択的に構造・物性解析を行い、材料界面の構造不均一性を明らかにし、高機能接着界面の創成を目指す。
証明問題解決支援システムにおける問題の自動生成とその利用倉山 めぐみ
函館工業高等専門学校
生産システム工学科 准教授
100
カード選択方式を用いた証明問題解決支援システムにおいて,現在,手作業にて行っている問題の登録(問題文,証明,カードセット等)の自動生成,特に,カードセットの生成を目指す.カードセットを自動で生成することで,証明の診断の際に,カードに書かれている単文の内容についても指摘することが出来るようになる.また,本解決支援システムを用いて,証明問題の学習における学習の可能性について調査する予定である.
医療用点滴投与量の高精度制御を可能にする点滴静注量計測用マイクロ流量センサの開発長谷川 義大
広島市立大学
大学院情報科学研究科医用情報科学専攻 助教
100
本研究では,医療点滴投与時の輸液の流れを高精度に計測できる点滴静注量計測用マイクロ流量センサを世界に先駆けて研究開発する.具体的には,微細化が可能なMEMS技術を用いて細径チューブに実装可能なマイクロ流量センサを実現する.なお,使い捨て,安全性を重視する医療現場使用ということを前提とし,安価で,かつ可動部構造を一切必要としない熱式原理に基づいたチューブ状点滴静注量計測用マイクロ流量センサの作製技術を確立するとともに,作製したセンサの微小流量領域での計測特性を明らかにする.

多相場数値解析手法を用いた高温自然対流場における粒子輸送特性の解明
鳥生 大祐
京都大学
学術情報メディアセンターコンピューティング研究部門 助教
100
例えば粉体の乾燥や食品の加熱処理,エアロゾルの流動制御において重要な高温自然対流場における粒子の輸送特性を明らかにすることを目的とし,そのための多相場数値解析手法の構築とスーパーコンピュータを用いた大規模数値実験を行う.本研究では,特に粒子形状や大きな温度差によって生じる流体の密度変化の影響に着目し,各粒子に働く流体力や接触力から粒子の輸送メカニズムを明らかにする.また,様々な温度差,粒子形状の条件下における臨界レイリー数の調査や熱伝達率の測定も併せて行う.

再生可能なポリマからなるナノ圧電ファイバの開発
石井 佑弥
京都工芸繊維大学
繊維学系 助教
100
モノのインターネット(IoT)の普及により爆発的に増加するセンサが枯渇性資源により製造され使用後に再生不能となると,持続可能な発展の妨げになってしまう.本研究課題では,植物などの循環型の資源から製造可能であり,従来の製造法よりも省エネルギーで製造可能なナノ圧電ファイバの研究を遂行する.各種再生可能なポリマから作製したナノ圧電ファイバの圧電特性と物性評価を行い,圧電性の発現メカニズムと高性能化への指針を明らかにする.

音波を用いた新たな発電機構の開拓とその原理解明
高橋 英史
東京大学
大学院工学系研究科物理工学専攻 助教
150
極性金属材料や強相関電子系材料において、音波(結晶格子の振動)によって電子輸送を制御する基礎原理の解明と、新たな基盤技術の確立を目指します。電子と格子の間の相互作用により熱を電気に変換する熱電変換発電と同様、コヒーレントな格子振動である音波を用いて電気を発生させることが可能です。本研究では、この格子の振動による力学的エネルギーを電気エネルギーに変える新規な発電技術の開拓と発電材料の創製を行います。
オープン型磁気ナノ粒子イメージングシステムの開発笹山 瑛由
九州大学
大学院システム情報科学研究院電気システム工学部門 准教授
100
ナノメートルサイズの強磁性体を高分子で被覆し、その表面に検査試薬等を結合したものは磁気マーカーと呼ばれている。この磁気マーカーを体内の疾患部に蓄積させ、その位置を体外から検出し可視化する技術(磁気ナノ粒子イメージング,MPI)は、新しい体内診断技術として期待されている。現在のMPI研究では強い傾斜磁場を利用するが、それを人体サイズで実現するのは困難である。本研究では、傾斜磁場を利用しない新原理のMPIシステムを提案する。これによりシステムが簡素化され,オープン型MPIシステムの構築ができる。

界面活性剤の選択的被覆を基軸とした元素精製を指向するナノ結晶抽出法の開発
伊村 くらら
お茶の水女子大学
理学部化学科 講師
150
貴金属ナノ結晶は触媒としての利用が期待され、近年では合金化による飛躍的な性能向上が図られている。しかし、金属元素組成のばらつきが生じやすく機能の最大化へ結び付いていない問題がある。本研究ではこれを克服するため、ナノ結晶を金属元素の違いから分別する方法の立脚を目指す。結晶表面を被覆する界面活性剤の分子膜を構築し、金属元素の異なるナノ結晶を水と油で振り分けて抽出する独自のシステムを作る。新しい分別抽出法から、環境負荷低減をもたらす新しい触媒の開発がはじまることを見込んでいる。

新規テンプレートを用いる構造が制御された中空微粒子合成プロセスの開発と熱移動特性の評価
荻 崇
広島大学
大学院工学研究科化学工学専攻 准教授
100
内部に空間を持つ中空微粒子は、高断熱性、低密度、低屈折率、高比表面積といった中実粒子とは異なる性質を有する。本研究では、中空構造を持つ微粒子材料において、「新規テンプレートを用いる構造が制御された中空微粒子合成プロセスの開発と熱移動特性への応用」に取り組む。具体的には、(1)これまでにテンプレートとして用いられたことがないリサイクル可能なポリマー粒子を用いた中空微粒子の新規合成プロセスの確立および、(2)中空構造を持つナノプレートの合成と断熱特性評価について検討する。

大規模自然対流の革新的制御システムの開発
古川 琢磨
八戸工業高等専門学校
産業システム工学科機械システムデザインコース 助教
150
大規模自然対流は無動力で生じる現象であり,またその駆動力も大きい.そのため省エネルギー社会の達成が急務となっている現代社会において本対流現象の積極的な利用は重要不可欠である.より安全かつ持続可能な社会を形成するために,本研究では大規模自然対流の革新的な制御システムを開発することを目的とする.本目的を達成するために,大規模系の支配因子となるふく射伝熱が対流場に及ぼす影響を数値解析および実験の観点から議論する.そして大規模系で生じる自然対流の乱流場遷移過程やその物質・伝熱の制御可能性ついて検討する.

グラフェンへテロ構造を用いた光・スピン変換デバイス
井土 宏
東北大学
材料科学高等研究所材料物理グループ 助教
100
軽元素である炭素のみから構成される2次元層状物質グラフェンは、単層状態において極めて高い電気伝導を示すだけでなく、電子スピン(磁気的な情報)をマイクロメートルスケールに渡って輸送可能なことから、次世代記憶・演算素子の基幹材料として注目を集めている。本研究では、ダイカルコゲナイド系層状半導体により可視光応答性を付与した新規ヘテロ構造デバイスを実証することに挑む。接合形成技術を確立し、グラフェンベース光・スピン変換デバイスの創出に資する新デバイス原理を発信することを目指す。

溶融パラフィンの滴下実験による液滴の凝固・密着プロセスでの変形破壊機構の解明
阪口 基己
東京工業大学
工学院機械系 准教授
100
溶射プロセスをモデル化した溶融パラフィンの滴下実験により,基材に衝突した液滴の凝固・密着過程での残留応力の発達挙動を可視化し,凝固した皮膜の割れ・剥離挙動に与える影響を解明する.@液滴材質,A液滴温度,B液滴衝突速度,C基材材質,D基材予熱温度,E基材粗さの影響をモデル実験により個別に抽出するとともに,液滴の衝突・流動・凝固・密着を再現した粒子法シミュレーションと熱構造連成有限要素解析により凝固・密着プロセスでの変形破壊機構を定量化する.

加齢や疾患による多様な身体機能低下に対応する,成長型アシストデバイスの開発
山本 征孝
広島大学
大学院工学研究科システムサイバネティクス専攻 研究員
150
超高齢社会を迎えた日本では介護を必要とする高齢者の割合が増加している.生活の質の向上や健康寿命の延伸において,高齢者が長期間自立して歩行できることは極めて重要な要素である.近年では,様々なロボットアシストデバイスが考案されており,一定の治療効果を有している.しかし,その多くが駆動のための装置が大きく,実社会での使用が困難である.そこで,本研究では軽量,安価,省エネルギー型の歩行アシストデバイスを作成し,さらに利用者の身体機能変化に対応できる成長型のアシストデバイスを開発する.
分子内水素結合の切断を鍵とする応力感知メカノクロミックエラストマーの創製小野 利和
九州大学
大学院工学研究院応用化学部門 助教
100
各種材料の引っ張り、切断等に伴うストレス分布を高感度に検出することのできる、発光性エラストマー材料の創製を行う。具体的には、機能性色素(ポルフィセン)を高分子材料の架橋点に組み込んだゴム材料を合成する。これに引っ張り、圧縮等の巨視的な力学刺激を与える事により、ポルフィセン内部の分子内水素結合(NH-N)の切断を誘起することにより、穏やかな外部刺激によって発光特性がOFF→ONに切替え可能な圧力感知材料の創製を達成する。
柔軟展開宇宙構造物の形状予測手法の探求と折紙展開構造による実証有田 祥子
静岡大学
工学部機械工学科 助教
100
膜やケーブル等,極めて柔軟な構造システムは,宇宙科学・宇宙利用に革新をもたらすと強く期待されながら,形状予測と設計の難しさから実現し難いシステムとなっている.本研究は,柔軟構造物の変形の要でありながら,未だ明らかになっていない座屈メカニズムと座屈後形状の予測手法を,理論構築・数値解析・地上実験により明らかにする.更に,その理論の実証として,最先端の研究対象である展開折紙構造物に適用し,宇宙機として設計することで,宇宙工学,折紙工学,双方の学術分野の開拓を目指す.
火星飛行機への適用を目指した高空力特性・高収納特性・高突風耐性な柔軟膜翼の研究開発藤田 昂志
東北大学
流体科学研究所 助教
100
将来の火星探査手法として,飛行機の利用が検討されている.この飛行機の翼には,低レイノルズ数流れでの高い空力特性のみならず,火星の希薄大気で飛行可能な翼面積,火星に輸送可能なコンパクト性,火星の強い突風への耐性が求められる.本研究ではこの解決策として,トビウオやコウモリのような柔軟膜翼の利用を検討する.風洞実験による力計測,変形計測,流れ場可視化の3種の結果を組み合わせることで,柔軟膜翼に対する,@3次元変形,A翼型依存性,B通気性,C主流乱れ度,の各影響を明らかにする.

マルチバンドギャップ半導体材料を用いた人工光合成技術の開拓
田中 徹
佐賀大学
理工学部電気電子工学科 教授
100
太陽光と水を利用して水素を生成する人工光合成は、将来の持続可能な社会の実現に向け、二酸化炭素など温室効果ガスを削減しながら、無尽蔵かつ貯蔵可能な次世代エネルギー創製技術として大きな期待が寄せられている。本研究では、従来の半導体混晶と異なりユニークなバンドエンジニアリングが可能となるマルチバンドギャップ半導体材料に着目し、人工光合成応用に適したエネルギーバンドを実現することで、これまでにない新たな人工光合成技術を開拓することを目的とする。

可視光応答型ダブルペロブスカイト酸化物半導体薄膜の創製と光触媒物性の解明
谷口 晴香
岩手大学
理工学部物理・材料理工学科 助教
100
本研究では、環境浄化や水分解などの持続可能な世界の構築に向けて実用化が期待される可視光応答型ダブルペロブスカイト型酸化物半導体物質を創製し、その基礎物性を調査し、価数揺動と関連する異常な光触媒特性の機構解明を目的とする。具体的にBa2PrBiO6母物質のBiサイトを元素置換し,母物質の組成を制御した良質粉末試料や薄膜試料を合成し、構造評価、磁気特性、光学特性及び光触媒特性の評価を行い、光触媒特性の基礎物性と高機能化の条件を解明する。
合 計 31件 3,300


 「マツダ研究助成奨励賞」一覧  ●

マツダ研究助成奨励賞は、マツダ財団設立30周年を記念して2014年度より新設されました。
科学技術振興関係の助成対象の中から、若手研究者を主たる対象とし、選考委員会が特に優れた研究であるとみなした4件の研究に対して授与されるもので、副賞として研究助成金50万円が追加助成されます。

研究代表者 所属(役職は応募時) 研 究 題 目
古川 琢磨

八戸工業高等専門学校

産業システム工学科 助教

大規模自然対流の革新的制御システムの開発
【選考理由】 省エネルギー社会において、無動力で駆動力の大きい大規模自然対流の積極的な利用は重要になっている。本研究は、大型建築物内の効率的な換気のための,ガス/表面ふく射 両効果による自然対流場の制御手法の開発であり、循環・省資源に大いに寄与するものである。数値解析、実験検証の両面から研究が具体化されており、またふく射伝熱による自然対流伝熱制御を目指した独創的かつ挑戦的研究に対して奨励賞を贈呈する。
山本 征孝

広島大学

大学院工学研究科 研究員

加齢や疾患による多様な身体機能低下に対応する成長型アシストデバイスの開発
【選考理由】 超高齢社会を迎えた日本において、高齢者が長期間自立して歩行できることは生活の質の向上に極めて重要な要素である。本研究は、歩行アシストデバイスにおいて、実社会で利用可能な軽量、安価、且つ高い省エネルギー性の実現とともに、利用者の身体機能の変化に合わせ、アシスト部位、力、タイミングを変更可能なデバイスを提案するものである。高齢者や障害者のより豊かで快適な社会生活の提供に期待が持て、その独創的、且つ新規性の高い研究内容に対して、奨励賞を贈呈する。
伊村 くらら

お茶の水女子大学

理学部 講師

界面活性剤の選択的被覆を基軸とした元素精製を指向するナノ結晶抽出法の開発
【選考理由】 貴金属ナノ結晶は触媒としての利用が期待され、合金化による飛躍的な性能向上が図られているが、金属元素組成のばらつきが生じやすく機能の最大化に結び付いていない。本研究では、結晶表面を被覆する界面活性剤の分子膜を構築し、金属元素の異なるナノ結晶を抽出する独自のシステムを作る。この新しい分別抽出法が確立すれば、狙いの貴金属ナノ結晶の合成、環境負荷低減をもたらす高性能触媒の開発など、様々な技術革新が期待でき、その優れた研究内容に対して奨励賞を贈呈する。
高橋 英史

東京大学

大学院工学系研究科 助教

音波を用いた新たな発電機構の開拓とその原理解明
【選考理由】 本研究提案の低温転写技術は、既存技術の延長ではなく、世界で実施事例のない革新的な研究であり、これまでの研究成果を踏まえ技術課題、研究計画が明確で実現性が非常に高いと予想される。 本研究の応用先として、生体情報を高い精度で収集できるデバイスの実現、高度な医療技術への展開が期待でき、日本発、広島発の革新的な技術の実現にむけその優れた研究内容に対して奨励賞を贈呈する。

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