スタートラインプロジェクト

マツダ財団は、2013年4月からスタートラインプロジェクトを開始しました。
ピピオ子どもセンターと連携して、被虐待児等の自立支援に関する事業を実施しています。
 *『 ピピオ子どもセンター設立5周年記念シンポジウム記録誌』 は「刊行物」のページ に掲載しています。 (2016.9.1)

スタートラインプロジェクトとは

広島で初の子どもシェルター「ピピオの家(2011年開所)」、自立援助ホーム「はばたけ荘(2014年開所)」を開設し運営している NPO法人 ピピオ子どもセンター。そして、1984年の設立以来、青少年健全育成分野の研究助成や市民活動支援等に取り組んできた マツダ財団。両者が連携し、スタートラインプロジェクトが生まれました。

子ども担当弁護士やスタッフとして日々奔走するピピオ子どもセンターのメンバーと、マツダ財団のメンバーが集まって、 実行委員会を立ち上げ、議論を重ね、実践に取り組んでいます。

「ピピオの家」に緊急避難してきた子どもたちが、ほっと一息つき、やがて何かを始めようと思う瞬間が訪れる、 「はばたけ荘」で自立のために準備し、やがて羽を広げて飛び立つ瞬間が訪れる… それがスタートラインです。そこから子どもたちの新たなスタートが始まります。
しかし、長い道のりを行く子どもたちには、諦めずに走り抜く力と、伴走者が、まず必要になります。これは、そんなスタートラインに立った子どもたちを支えるためのプロジェクトです。

→ 特定非営利活動法人ピピオ子どもセンターは こちら  (外部リンク)




プロジェクトの活動内容

スタートラインプロジェクトの活動内容は、大きく以下の3つから構成されています。

1.子どもたちの成長
2.周囲の人々の成長
3.組織の成長

1.子どもたちの成長
(被虐待児等の成長を支援するプログラム)

「ピピオの家」「はばたけ荘」の子どもたちが各自のニーズや状況に合わせて選択できるよう、各種の体験メニューを取り揃え、段階的に社会的存在へと成長していけるよう、以下のようなプログラムを用意します。
 @被害回復
  (例)癒しのプログラムとの連携、カウンセリングの充実
 A生活習慣の改善
  (例)日記実践、コミュニケーション能力の向上
 B自己肯定感の涵養
  (例)座学(家庭教師) 体験を通じた「学習」の支援(スポーツ大会、音楽活動、野外活動、 マネー講座、企業体験等)
 C資格取得
  (例)高卒認定、運転免許、医療事務、ホームヘルパー等

2.周囲の人々の成長
(スタッフの能力開発を支援するプログラム)

成長が必要なのは子どもたちだけではありません。そこで、子どもたちを取り巻く人々の「成長」を支援するプログラムを実施していきます。
第一に、子どもたちの微かな変化を読み取り、的確に対応できる、高度な専門能力を持ったスタッフの能力開発を支援するプログラム。第二に、高度専門スタッフの予備軍やサポーターを増やしていくための、公開講座等のプログラムです。
 @講座・セミナー・研究会等の開催(一般にも開放)
 Aケース会議の充実(スタッフ間のコミュニケーションの活性化)
 B他機関の視察、他機関のスタッフとの交流

3.組織の成長
(活動基盤の充実や組織能力の向上)

被虐待児等の自立支援をより力強く推進していくためにも、スタートラインプロジェクトとして、ピピオ子どもセンターとして、そしてマツダ財団自身も、活動基盤の充実や組織能力の向上に努めなくてはなりません。
そこで、以下のような活動を推進していきます。
 広報活動の充実
  ちらし、パンフレット、報告書等の作成 広報誌、
  ホームページの充実等

「スタートラインプロジェクト」の活動内容


「スタートラインプロジェクト」
子どもたちのための段階的メニュー


みなさまへのお願い

「ピピオの家」「はばたけ荘」の子どもたちは、これから、社会的存在へと成長することを目指し、スタートラインプロジェクト等を通じて、 就業や就学に、懸命に取り組んでいきます。
けれども、もともと成功体験も十分に積み重ねられていない彼らは、 「やはり自分はダメなのだ」とすぐに諦めてしまうことも。
こうした状況を理解し、大きく包み込んで伴走して下さる、 「意味ある他者」※の存在が欠かせません。
ぜひとも、人材育成の要素も兼ね備えた、人間関係の構築、就学・就業先のご紹介を、どうかよろしくお願い申し上げます

情報ご提供・ご紹介、各種お問い合わせ、ご相談、激励等々をお待ちしています。
   スタートラインプロジェクト実行委員会 (ピピオ子どもセンター内) 電話 082(221)9563

※「意味ある他者」… 標準的な行動様式、知識技能、道徳的諸状態を獲得することを有意味と感じさせる大人のこと