助成実績
青少年健全教育関係 市民活動支援
2006年度市民活動支援【詳細】
活動名 | 団体名 | 特定非営利活動法人 日本タッチ・コミュニケーション協会 |
青少年自立支援のための地域環境整備事業 〜ニートって何?〜 |
地域 | 広島県呉市 |
代表者 | 理事長 宇治木 敏子 | |
支援金額 | 35万円 | |
活動概要 | ||
子どもの一生をスケールに子育てを考えるとき、将来に向けてのやる気(職業的意欲)が自然に育まれることは重要である。現在、日本で問題になっているイギリス発祥の言葉『ニート』そして厚労省が言う『ニート問題』とは何なのか、親の立場(年齢不問)と子の立場(15歳から35歳)で考えてみた。交流分析士により親と子がお互いの立場を客観的に見つめるための自己分析のコーチングを受けた。更に、親の立場と子の立場を超えて交流する「しゃべり場」では、親子の相互理解を深めながらニートの意味、その原因や問題点などを話し合った。第2弾として、若者に乳幼児を託児する機会を提供し、働く喜びを自信に繋げるべく『チャレンジ青少年託児ボランティア講座』を開催した。高校、大学、専門学校生や自分探しをしている若者など多数参加し、赤ちゃんと触れ合う楽しみと同時に大変さも実感した。日ごろ当たり前になっていた親への感謝の気持ちがわいたなどの感想から『体験、発見(気づき)、感動』の企画として地域や学校からも高い評価を得た。 | ||
実施時期: 2006年7月〜10月 南区民文化センター ・広島市まちづくり市民交流プラザ ・広島県健康福祉センター |
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参加人員: 参加総人員 130人 第1弾 7月22日(土)延人数 24人・8月12日(土)延人数 30人 第2弾 8月19日(土)講習 延人数 17人 9月16日(土)講習 延人数 22人 9月30日(土)講習・プレ実践 延人数 10人 10月22日(日)実践 延人数27人 |
《託児サービス実践》 | 《プレ実践講座》 |
《チャレンジ青少年託児ボランティア講座》 |
活動が関連する団体等、地域社会等に与えた影響 |
・本事業の取り組みを地域の大学や高校などに協力要請することで、乳幼児との触れ合いが青少年に思いやりの心を育て、自立心を養うことになると理解を得ることができ、インターンシップ制度など学校とNPOとのコラボレーションの可能性が広がった。 ・若者と乳児の触れ合いが、青少年の健全育成に貢献することが地域の子育て支援団体に広まった。 ・ニート・フリーター対策を行っているキャリア支援の団体から、本事業はニートの根本的問題解決に向けて画期的な取り組みであり、今後子育て支援団体との連携が楽しみであると評価を受けた。 ・しゃべり場に参加して子の立場の気持ちを客観的に聴くことが出来て、自分の子が何を考えているのか少し理解できたようだ。親子、家族がもっと気持ちを言葉にして伝え合う機会を持たなくてはならないと痛感し、このような取り組みに参加できたことに感謝していると地域の参加者からご感想を頂いた。 ・託児後、お母さんに赤ちゃんを手渡すとき感謝されたことが本当に嬉しかった、働く意義が感じ取れた、このような企画に学生が参加できたことに感謝する等、参加者や地域の学校から喜びの声を頂いた。 |
苦労した点 |
1.イギリスで発祥した「ニート」という言葉は、一般的にどこにも所属していない若者、就業支援が必要な若者と訳される。情報化の進む日本ではニートという言葉は聞いたことがあるが、意味が良く理解されておらず、その説明に時間と労力を要した。 2.『ニート』のイメージが一般的に引きこもり傾向も含めたニュアンスで捉えている方が多く、本事業のテーマ『ニートって何?』という言葉だけでもネガティブに反応され「自分はニートではありません」と話を聴いてもらえなかった学生もいた。 3.チラシのインパクトとしては、問題点が残った。 |
今後の課題・発展の方向性 |
1.専門学校生や高校生などは属している団体を通じての声かけが出来たが、どこにも所属していない若者に向けての発信について苦慮した。 2.ニートの問題は当事者より、身近な家族、またその周りの人の方が深刻に捉えていることが多いことがわかった。そこで、集客するための方法についてはこれからの検討課題である。 3.今回の事業では、ほんの一握りの青少年達ではあったが、人の役に立つことの喜びや達成感を感じて頂けた。それは、若者に自己肯定感を実感してもらい、コミュニケーションに自信を持たせ、やる気を引き出した。一般的に就業支援を主に行うニート対策では、赤ちゃんの託児サービスは意外な発想であるが、このようなタッチ・コミュニケーションの新規性に富んだ取り組みが、心理学者やキャリアカウンセラーからも大きな期待を寄せられており、今後も若者への支援策として地域の学校などと連携をとって続けていきたい。 4.ニートの根本的解決法として、乳幼児期から行えるニート対策として、本事業で学んだことを活かして、乳幼児の子育てプログラムを作成していきたい。 |
活動を終えての感想・意見等 |
人は生まれたときから何歳になっても人の役に立つことの喜び、やりがい、充実感を得ること(感じること)で人生を前向きに捉えることができると思います。これこそ生きるエネルギーでありますが、昨今の日本社会にはこの人間力が減退していると言われています。私たちが参加者と共に本事業において行った取り組みが広く地域に波及していくことで、明るく活気のある地域づくり、社会づくりにつながると確信しております。財団法人マツダ財団様には、本事業を青少年の健全育成事業として助成して頂きましたこと、心より感謝申し上げます。これからも益々研鑽して参ります所存です。 |