刊行物
新規事業「若者×ツナグバ」発足記念記録誌の発行について
新規事業「若者×ツナグバ」発足記念記録誌「はじめに」より マツダ財団は2017年度より、新事業「若者×ツナグバ」をスタートいたしました。スタートに先立ち、当事業に対し多大なご支援をいただいた吉備国際大学の轡田竜蔵准教授の著書『地方暮らしの幸福と若者』出版記念シンポジウム、並びに「若者×ツナグバ」オープニングセレモニーを開催いたしました。当事業のキックオフとして、参加者全員の思いの詰まった両イベントを記録に留めるため、記録紙を発行することといたしました。 当財団は、大きな柱のひとつである青少年健全育成に関わる事業をこれまで数多く進めてまいりました。あらためてその活動の軌跡を振り返った時、青少年の最終ステージと言える「社会人になる直前の若者」あるいは「社会に出て間がない若者」を対象とした取り組みが欠落している事実を目の当たりにすることとなりました。 青少年の健全育成とは、この若者達が社会人として独立して豊かな人生が送れるようにならないと、目的を達成したことにならないのではないか、と考えるようになりました。若者を取り巻く環境は非常に厳しく、社会的負担は増えるばかりで、明るい将来はとても期待できないと考える若者が非常に多い状況です。我々は「若者に希望を」をスローガンに新事業の模索を開始した矢先、地元紙中国新聞のオピニオンというコラムに、地方の若者に関する研究を進められている吉備国際大学轡田竜蔵准教授のインタビュー記事が掲載され、それがマツダ財団との運命的な出会いを生むこととなりました。 轡田先生が岡山にて手掛けられていた若者調査を広島において新たに実施し、そのアンケート調査結果の分析は、『広島20-30代住民意識調査』報告書として、そして轡田先生の地道な個別インタビュー調査、分析が加味され、『地方暮らしの幸福と若者』刊行に結実することとなりました。 轡田先生の調査で浮き彫りになった若者の実情に鑑み、「若者×ツナグバ」では、「社会人になる直前の若者」あるいは「社会に出て間がない若者」を対象としています。彼らが多様な考え方を理解し、自分の納得できる生き方を見つけて、潜在能力を高め、希望へとつないでいけるよう「対話」「表現活動」「居場所づくり」などの活動を、轡田先生の指導を仰ぎながら、我々の主旨に賛同頂ける団体と連携する形で進めてまいります。微力ながら若者の自立支援の一助となりましたら幸いです。 平成30(2018)年3月 新規事業「若者×ツナグバ」発足記念記録誌
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