助成実績
科学技術関係 研究助成
第24回(2008年度)マツダ研究助成一覧 −科学技術振興関係−
研 究 題 目 および 研 究 概 要 | 研 究 代 表 者 (*役職は応募時) |
助成金額 (万円) |
ポリ尿素圧電膜を用いた振動発電装置の開発 | 小山 大介 東京工業大学 精密工学研究所助教 |
120 |
ポリ尿素圧電膜を用いた振動発電装置を開発する。開発する振動発電装置は、自然現象や日常生活において発生し使われることなく消えていく運動エネルギー、すなわち振動を、電気エネルギーに変換して再利用することを目的とする。例えば自動車の通過によって発生する橋など構造物の振動、歩く際の人体及び地面に発生する振動を、電気エネルギーとして再利用することが可能となる。振動発電装置の開発によって、潮力、風力発電の高効率化から、バッテリーレスのリモコン等の実現に至るまで、幅広く省エネルギー問題に貢献できると考えられる。 | ||
圧電素子を利用した常設型小型非破壊検知の開発とヘルスモニタリングシステムの開発 | 森崎 哲也 徳山工業高等専門学校 助教 |
100 |
本研究では圧電材料(PZT)をセンサ、アクチュエータとして利用することによって、低コストでかつ、小型の非破壊検査装置を開発する。さらに、大型構造物(または機械システム中)に本研究で開発する非破壊検査装置を多数埋め込み、経年劣化や外的要因による異常発生や損傷の程度、場所などを監視し続け、これを早期発見するための安価で実用的なヘルスモニタリングシステムの開発を行う。また、本研究で開発する非破壊検査装置は、これまでに個別に運用されてきた非破壊検査手法を複数兼用させることができるようにさせ、各種非破壊検査手法の欠点を補い合った新たな非破壊検査手法の提案も行う。 | ||
非古典的手法による次世代有機ディスプレイ用発光材料の創成 | 今井 喜胤 近畿大学 理工学部助教 |
160 |
本研究課題は、環境に低負荷な材料開発の一つの方向性として有機合成的手法を用いるのではなく、機能の異なる単分子を組み合わせ超分子化させることにより、円偏光発光特性を有する次世代の省エネ型有機超分子発光材料を創成するものである。 | ||
サスティナブル酸化物スピンエレクトロニクスデバイス | 田中 秀和 大阪大学 産業科学研究所教授 |
200 |
地球上に豊富に存在し環境にも調和する“サスティナブル”かつ“高温強磁性酸化物”スピントロニクス材料 “(Fe,Zn)3O4”を用い、バイアス電圧によるキャリア制御および室温巨大外場応答を利用した酸化物スピンエレクトニクスデバイスを創製する。特に同材料に於いて、強磁性トンネル接合構造による大きなon-off比スイッチング実現と、強磁性電界効果トランジスタ構造による電界制御超低消費電力スピンスイッチングを実現する。 | ||
アンテナの指向性を利用し複数の伝搬経路へ情報を分散させて伝送する新たな情報セキュリティ技術の開発 | 山中 仁昭 広島国際大学 工学部助教 |
100 |
無線通信においては電波の漏洩にともなって、盗聴、データの改ざん等が発生し、送信データに対する高い信頼性の確保が重要となっている。現在、送信データに対して暗号化を施すセキュリティ対策が広く普及しているものの、さまざまな脆弱性が指摘されている。本研究では、送信データをいくつかのデータ系列に分解した後、送受信機間の複数の伝搬経路へデータ系列を分散させて送信し、受信局で合成するといった手順により、伝搬途中におけるデータの盗聴・改ざんを防止する新たなセキュリティ技術の開発を目的とする。 | ||
磁場制御機能性材料研究のための強磁場中粉末X線小型カメラ開発 | 小山 佳一 東北大学 金属材料研究所准教授 |
100 |
本研究は、汎用の超伝導マグネットや電磁石に導入可能な温度可変粉末X線回折カメラを開発、磁気冷凍材料や磁気アクチュエーター材料等の磁場でその機能性を制御する材料について、強磁場中X線その場観測を実現し、結晶レベルでの変化を捉えることを第一目標とする。上記磁材料は、機能性発現時に大きな結晶歪みや結晶変態を伴うため、その開発には制御温度と磁場での結晶特性解明が重要である。そのため、材料研究者が簡便に使える磁場中X線装置開発は、今後の磁性材料研究開発の発展に大きく貢献する。 | ||
シート状の光で充電できる蓄電池(光蓄電池)開発‐光蓄電の評価技術の確立‐ | 野見山 輝明 鹿児島大学 工学部助教 |
200 |
光蓄電池とは光で充電できる蓄電池である。本課題では酸化チタン(TiO2)/導電性高分子ポリアニリン(PANi)ナノコンポジットを用いた光蓄電池の開発を行っている。この光蓄電池は光照射下のTiO2の酸化還元力でPANiが電解質中のイオンを脱ドープすることでO2/PANiナノコンポジット電極の開発に成功し、-0.05%の光充電効率(=放電電力/充電光パワー)を得ている。この光蓄電池の実用領域をユビキタス電子機器の「配電線や充電の不要な自立電源デバイス」と設定して実用化を目指している。 | ||
感圧・感温色素分子によるマイクロスケール気液二相流の計測手法の開発 | 松田 佑 名古屋大学 大学院工学研究科助教 |
150 |
マイクロ熱流体デバイスの高性能化のためには、デバイス内での熱流体挙動の理解が重要となる。これまでの研究はほとんどが単相流を対象としたものであったが、実際のデバイスにおいては、流路内における気泡の発生や混入により、流れが気液二相流となり、熱流動様式が単相流に比べ大変複雑になり予測が困難となる。本研究では、これまで気体流の計測に用いられてきた感圧塗料及び感温塗料の計測原理に着目し、マイクロスケール気液二相流の酸素濃度分布及び温度分布の可視化計測を可能とする新たな手法の開発を行う。 | ||
水素貯蔵・輸送材料としてのガスハイドレートに関する基礎研究-ハイドレート格子中における水素分子の拡散性- | 橋本 俊輔 大阪大学 大学院基礎工学研究科助教 |
120 |
ガスハイドレートは、水分子の水素結合によってできた籠に気体分子が入ることで生成する固体結晶である。本研究では、このガスハイドレートを水素貯蔵・輸送材料として利用する省エネルギー・高効率な技術を提案し、実現に向けた基礎研究を行う。提案する技術に不可欠である、ガスハイドレート内部における水素分子の拡散性について、実験およびシミュレーション計算の両面から検討し、ガスハイドレート内部における水素拡散のモデル化を目指す。 | ||
ホログラフィーで生成した光の場を用いた原子リソグラフィー技術の開発 | 大向 隆三 埼玉大学 教育学部准教授 |
100 |
本研究では、光の場と原子との相互作用を利用して原子の運動を制御し、基板上で任意の微細パターンを描画するための原子リソグラフィー技術を開発することを目的とする。このために、透過型計算機ホログラムで光マスク(原子運動制御用の光の場)を生成する技術の開発に着手する。また、基板表面上でこの光マスクのエバネッセント波を発生させる。そのうえで、パターン材料となる原子を基板表面へ入射させて、光の双極子力で効果的に原子を反射または堆積させることにより、所望の微細原子パターンが描画できることを検証する。 | ||
単一InAs量子ドット/ナノギャップ電極接合系における電子状態の解明と素子応用の探索 | 柴田 憲治 東京大学 生産技術研究所助教 |
120 |
10 nm級の大きさを持つInAs量子ドットは、優れた光・電子物性を示すことから量子情報通信への応用が期待されている。本研究では、電子をナノ構造制御する手法を拡張し、また新規な物理現象を探索するために、単一の10 nm級のInAs量子ドットに対して、その上から直接ナノギャップ電極を形成して、単一電子トランジスタ構造を作製し、電極構造やクーロン相互作用、電子スピン相互作用、テラヘルツ電磁波を用いて、系の電子状態を多彩に制御できることを示すとともに、新しい素子への応用を探索する。 | ||
微細気泡を利用した共存・強制対流熱伝達の高効率化に関する研究 | 北川 石英 京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科助教 |
100 |
共存・強制対流熱伝達は、様々な伝熱機器における加熱・冷却手段として幅広く利用されており、エネルギ有効利用の観点から、対流熱伝達の高効率化を実現する伝熱促進法の開発が強く望まれている。本研究では、複合化した速度・温度計測技術を用い、微細気泡を含む共存・強制対流場の流動特性および熱伝達特性を包括的に解明することを目的としている。さらに、得られた知見をデータベース化し、高効率化の最適条件を取得することで、微細気泡を利用した伝熱促進法の実用化を検討する。 | ||
新しい概念に基づく芳香環積層高分子の合成と応用 | 森崎 泰弘 京都大学 大学院工学研究科講師 |
100 |
本研究では、芳香族化合物を面と面で向かい合わせて積層させた、全く新しい概念に基づく芳香環積層高分子の合成と物性解明を目的として検討を行う。本研究で得られる高分子は、積層する芳香環の空間を活かし、結合のみならずπ?π相互作用から構成される全く新しいタイプの高分子である。得られた高分子の光学的・電気的性質を詳細に調査し、芳香環の積層を鍵とするエレクトロニクス材料、すなわち、電子輸送材料・正孔輸送材料・有機トランジスタ材料・発光材料として応用すべく種々検討を重ねる。 | ||
イオン液体を用いた気液二相系における環状カーボネート生成反応での反応基質の溶解特性の迅速測定法の確立と物理化学的考察 | 下山 裕介 九州大学 大学院工学研究院助教 |
130 |
二酸化炭素固定化技術の一つである「二酸化炭素からの環状カーボネート生成反応」において、イオン液体を用いた気液二相の反応系では、イオン液体に対する反応基質の溶解特性に関する知見が不可欠となる。本研究では、ガスクロマトグラフ法を利用し、イオン液体を固定相として用いた反応基質の保持体積により、溶解特性を簡便かつ迅速に測定する手法を確立する。得られた結果について、イオン液体のカチオン・アニオン種との関連性を明らかにする。さらに、分子間相互作用・分子構造の寄与量についても考察する。 | ||
積層構造を利用した自己潤滑硬質被膜の極厚膜化技術による高機能被覆材料の開発 | 曙 紘之 広島大学 大学院工学研究科助教 |
130 |
現在、摺動時のエネルギー効率を飛躍的に改善する自己潤滑性硬質被膜の実用が拡大しているが、今後のさらなる長期間の信頼性確保のためには、被膜耐久性、すなわち膜厚の確保が重要な課題である。しかし、硬質被膜の膜厚増加は技術的に極めて困難とされている。すなわち膜厚増加に伴い、被膜内部応力が著しく増大し、容易に被膜の割れ・剥離が生じるためである。そこで本研究では、硬質被膜の被膜構造を制御し、被膜内部応力を低減することにより、技術的に困難とされる硬質被膜の厚膜化技術の開発に取り組む。 | ||
ペイロード質量の変化および高速化に伴う弾性振動に対してロバストなマニピュレータの開発 | 江丸 貴紀 北海道大学 大学院工学研究科准教授 |
130 |
本研究の目的は、ペイロード質量の変化や動作の高速化に伴って現れる弾性振動の影響に対してロバストなマニピュレータを実現することである。把持対象の質量に関する情報が無くとも高速に制御することができれば、その有用性・汎用性は大きく向上するだろう。本研究では、我々が提案してきた微分推定器を内包するディジタル加速度制御系を拡張することにより、センサレスでロバストなシステムの実現を目指す。本研究は、一般的なメカニカルシステムの制御にも応用が可能であり、基礎研究としても高い価値がある。 | ||
エレクトロスプレー法を適用したマイクロコンバスタに関する研究 | 三上 真人 山口大学 大学院理工学研究科准教授 |
100 |
マイクロコンバスタは、コイン程度の大きさの超小型燃焼器のことで、次世代の超小型高密度エネルギ発生装置として、また、高効率超小型ヒータとして期待されている。液体燃料を用いるとそのエネルギ密度はリチウムイオン電池の数十倍にもなる。本取組では、まず液体燃料適用時の鍵となる微細噴霧生成技術として、微細加工技術と電界制御技術を用いたエレクトロスプレー技術を構築する。次に、それをマイクロコンバスタに適用すべく、微小空間でのエレクトロスプレー流の超過エンタルピ燃焼特性を評価する。 | ||
次世代LSI光インターコネクション用光検出器に関する研究 | 丸山 武男 金沢大学 理工研究域准教授 |
100 |
LSI内の配線を電気配線から光配線にすることで、高速伝送かつ低消費動作が期待できる。この素子実現のために、シリコン基板上に化合物半導体を直接貼付し、本申請では光検出器の実現を目指す。具体的にはシリコン光導波路を形成し、その上部にGaInAsP/InP半導体を熱圧着法により形成する。この基板をメサ形状にエッチングし光検出器を作製する。この素子において、1.55μm波長帯での動作および10GHz以上での高速応答を目指す。 | ||
電気化学活性金属錯体分子のメモリデバイス応用に関する研究 | 一井 崇 京都大学 大学院工学研究科助教 |
130 |
本研究では、有機金属錯体分子の可逆的酸化還元特性を電子の蓄積・放出機能として利用する新たな不揮発分子メモリを提案する。金属錯体分子は1分子が1個の電子を蓄積・放出可能であり、これはDRAMにおけるキャパシタあるいはフラッシュメモリにおける浮遊ゲートへの電子の蓄積密度と比べて飛躍的に高い。自己集積化技術を用いて金属錯体分子を配列させ、さらに個々の分子にアクセス可能な走査プローブ技術と組み合わせることで、擬似的な電子素子構造を実現し、その評価を行う。 | ||
希土類を含む新規カゴ状結晶の創製と熱電・磁気特性の評価 | 鬼丸 孝博 広島大学 大学院先端物質科学研究科助教 |
140 |
高効率の熱電素子の有力候補物質としてカゴ状結晶が注目されている。本研究では、希土類イオンを含む新しいカゴ状結晶を創製し、その熱電・磁気特性について調べる。まず、熱電特性について調べるために、大型単結晶試料の育成を行う。効率よく熱伝導率を評価するため、冷凍機に定常熱伝導率測定システムを組み込む。磁気的性質も含め、マクロ・ミクロ両面の手法を用いる。新しいカゴ状結晶を研究対象として確立し、熱電効果のさらなる増強や多彩な相転移現象の解明を目指す。 | ||
単結晶金属薄膜上のエピタキシャル有機分子結晶成長とその結晶・電子構造解析 | Friedlein Rainer (フリードライン ライナー) 北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科講師 |
120 |
本研究では、シリコンウェハー上にエピタキシャル成長させた単結晶金属二ホウ化物薄膜上への有機半導体薄膜のエピタキシャル成長を試みる。シリコン上の二ホウ化物、二ホウ化物上の有機分子結晶の二重のヘテロエピタキシーを実現することによって結晶性に優れた有機半導体薄膜をシリコン上に成長することを目指すと同時に、金属と有機物の二つの性質の異なる薄膜の表面・界面を構造と電子特性の両面から詳細に調べて理解することを目的とする。 | ||
貴金属元素を含む超常磁性ナノ粒子の交流磁界中発熱特性に関する研究 | 山本 良之 秋田大学 工学資源学部准教授 |
120 |
発熱体となる超常磁性ナノ粒子をガン細胞に選択的に取り込ませ、外部から高周波磁場を印加することで交番磁場エネルギーの熱散逸によりガン細胞だけを加熱して死滅させる磁気ハイパーサーミアが近年研究開発されている。しかしながら使用が想定されているマグネタイト系ナノ粒子材料は発熱能力の面で最適化されているとはいえない。本研究では、生体親和性の高い貴金属である金や白金を含み、発熱効率の高い磁性ナノ粒子材料の設計開発を行う。 | ||
スパイラル炭素繊維付き伝熱管とヒートパイプを併用した高性能水素貯蔵装置の開発 | 中曽 浩一 九州大学 大学院工学研究院助教 |
100 |
水素吸蔵合金は水素貯蔵媒体として注目されているが、内部の熱伝導性が低いため反応制御が困難である。そこで本研究では、水素吸蔵合金粒子充填層内の伝熱促進、特に実利用の観点より多管式熱交換器型反応器を想定した伝熱管1本まわりの充填層について検討する。伝熱管にはブラシ状に加工した熱伝導性の高いピッチ系炭素繊維をらせん状に巻きつけることで層内の隅々までその効果が及ぶように配慮する。また、本研究では伝熱管に代わりヒートパイプを設置した系についても検討し、吸蔵・放出速度の改善を図る。 | ||
CFRP複合材料の光ファイバセンサ埋め込み一体成形による信頼性評価システムの構築 | 矢代 茂樹 愛媛大学 大学院理工学研究科助教 |
130 |
本研究では、光ファイバセンサを統合した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)によって、センサ情報を利用した複合材料構造の健全性評価システムの構築を目的とする。まず、成形、円孔加工、疲労試験の各段階において、損傷など材料の状態を詳細に調べる。次に、CFRPおよび光ファイバセンサの数値シミュレーションを構築するとともに、逆問題解析手法を組み合わせ、センサ信号からCFRPの状態を同定する技術を確立する。この技術をシートモールディングコンパウンド成形材に応用し、その信頼性向上を目指す。 | ||
半導体レーザカオスを用いた相関乱数暗号方式の開発 | 内田 淳史 埼玉大学 大学院理工学研究科准教授 |
150 |
高度情報化社会の基盤となる光通信ネットワークは不可欠なインフラストラクチャとして定着しているが、情報セキュリティ問題は最重要課題であるにも関わらず現在未解決である。本研究では情報理論的セキュリティに基づく相関乱数暗号方式を提案し、超高速レーザカオスを用いて工学的に実装することを目的とする。本手法は従来の計算量セキュリティ方式とは一線を画している上、GHzオーダーの超高速暗号鍵生成が実現可能であるため、世界中の情報セキュリティ技術を全て一新させる莫大なポテンシャルを秘めている。 | ||
中温型プロトン伝導性フレキシブルハイブリッド材料の開発 | 小幡 亜希子 名古屋工業大学 大学院工学研究科助教 |
140 |
プロトン配位性分子であるイミダゾールを、ガラス由来のリン酸基や二価金属イオンと結合させて固定化することで、水に替わるプロトン伝導媒体として長鎖リン酸構造の骨格間に安定に存在させたハイブリッド材料とする。この設計はこれまで全く報告がない。水を使わずに中温域での高プロトン伝導性と熱安定性を確保できるだけでなく、電極との圧着接合に有利なフレキシビリティをも有する材料を低コストで合成できるという、世界初の試みである。リン酸やイミダゾールを単純に混合する等の方法ではハイブリッド化は不可能であって、独自の「リン酸塩ガラスのゲル化技術」を展開してはじめてイミダゾールを構造中に固定化する。 | ||
動的機能を持つ分子性ナノコイルの創製と評価 | 帯刀 陽子 信州大学 ナノテク高機能ファイバーイノベーション連携センター助教 |
110 |
本研究では、ナノシステム開発に不可欠な導電性ナノテープを構築し、螺旋を巻かせることで分子性ナノコイルを作製し「動的機能を持つ分子性ナノコイル」の開発を目指す。具体的には、@分子性ナノコイル作製のための分子設計A分子集合体の制御と機能との相関を明らし、新規ナノデバイスを作成する。申請者がこれまでに研究してきた導電性ナノワイヤの分子設計および基板界面制御法を発展させ、幅1分子、長さ数マイクロメータ、コイルピッチ10nm程度の電導性ナノコイルの創成に挑戦する。 | ||
明確な構造のナノサイズ空孔を有する含窒素グラフェンシートの創製 | 高瀬 雅祥 首都大学東京 大学院理工学研究科助教 |
100 |
グラフェンシートは、金や銅などの一般金属と同等以上の高いキャリア移動度を示す事などから、「ポストSi」の有望新素材として大きな注目を集めている。本研究課題では、そのグラフェンに「窒素原子で囲まれたナノスケールの空孔」を導入した新規なπ共役系化合物の構築を、分子設計およびその合成手法を工夫する事で実現させる。得られる構造体は、拡張したπ共役系を有するため、グラフェン特有の機能にナノスケールの空孔を利用した、化学種の取り込みやその触媒反応等の物性発現が期待される。 | ||
合 計 28件 | 3,500 |