助成実績
科学技術関係 研究助成
第20回(2004年度)マツダ研究助成一覧 −科学技術振興関係−
研 究 題 目 および 研 究 概 要 | 研 究 代 表 者 (*役職は応募時) |
助成金額 (万円) |
新規高変形能顆粒を用いた複雑形状バルクセラミックス成形法の開発 | 田中 諭 長岡技術科学大学工学部助手 |
100 |
発電、自動車エンジン用の複雑形状セラミックスを顆粒由来の新規プロセスで作製する方法を開発する。申請者は、新規アクリル系バインダーを用いて作製した顆粒が低応力で卓越した変形性を有することを見出したので、単純形状だけでなく、従来、乾式プレスでは不可能であった複雑形状の成形へ展開する。これは、従来の射出や鋳込み成形で問題となる成形体の乾燥、焼結中の割れなどが改善されるとともに、乾燥プロセスが不要となり、コスト減、低環境負荷化も期待できる。顆粒工程は原料が顆粒の状態で管理可能であるため、必要な製品数を必要量だけ製造することが可能である。 | ||
鉛フリーピエゾセラミックスの新プロセッシングと高機能化 | 柿本 健一 名古屋工業大学大学院工学研究科助教授 |
100 |
有害な鉛を使用せず、さらに焼結合成を中心とする従来技術のみに依ることなく、液相含浸を新たに組み込み、セラミックス微構造中に単結晶生成を促すことによって、ナノ成長核としてドメイン構造の配列制御と結晶粒子の大型化または異方化が可能となる新圧電材料プロセスを開発する。その結果、鉛フリー候補材料であるKNbO3セラミックスの圧電物性を最大発揮させ、これまでにない高性能な電力-変位機能変換セラミック素子の創出を試みる。 | ||
膨張化炭素繊維の界面制御を利用した電気二重層キャパシタの作製とそれへの金属酸化物担持による高容量新電池材料の創製 | 豊田 昌宏 大分大学工学部教授 |
100 |
本研究では、電気化学的手法を導入することにより、炭素繊維層間化合物を合成し、それを熱処理することによって、膨張化ナノフィラメント(膨張化炭素繊維)を合成する。その膨張化されたナノフィラメント上の表面特性(比表面積・細孔)および表面・結晶構造の制御を行い、高容量の電気二重層キャパシタを作製する。また、膨張化ナノフィラメントにSnO2、RuO、Pt等の金属酸化物あるいは金属を担持して、先の電気二重層とレドックスキャパシタの機能を合わせ持つスーパーキャパシタの創製を行う。 | ||
燃料電池への応用を目的とした多孔質ナノ材料 | 陳 明偉 東北大学金属材料研究所教授 |
100 |
本研究では、孔径が5〜30nm、触媒粒子径が1〜3nmの電極材料を、デアロイングや電着条件、母体合金の選択、デアロイング後の熱処理条件の制御等を工夫することにより実現する。電極材料はプレーティング反応をナノ孔内に制限することにより、均一な白金ナノ粒子を電ンポジットは低い白金含有率(0.05mg/cm2以下)にもかかわらず、高い触媒活性を持ち、表面のラフニングや触媒微粒子の凝集に起因する活性度の低減にも強く長い寿命をもつため、新しいタイプの燃料電池として大変有望である。 | ||
層状チタン酸塩の合成と機能材料としての性質 | 大橋 正夫 徳山工業高等専門学校教授 |
100 |
層状の結晶構造をもつチタン酸塩の中でも、鱗鉄鉱型の構造をもつ化合物群についての研究例は少ない。我々は先に、この結晶構造をもつチタン酸塩のひとつが、リチウムイオン電池の正極活物質として応用可能であることを世界ではじめて見出し、報告した。この特性は必ずし優れものではなかった。そこで、本研究では、同様の構造をもつ、一連の層状チタン酸塩の合成方法を検討する。その後、それら化合物のリチウムイオン電池の電極としての特性を明らかにする。さらに、光触媒としての特性について明らかにする。 | ||
主鎖交換反応を利用する高分子ナノ複合化手法の開発 | 大塚 英幸 九州大学先導物質化学研究所助教授 |
100 |
現在、高分子物質の用途は多岐にわたり、既存の高分子材料ではその要求に対応できなくなりつつある。本研究では、高分子の中に可逆的な解離と結合を行うことができる「動的共有結合」を導入し、合成後に高分子反応を精密制御することで、ナノレベルで複合化された新しい高分子材料を構築する手法の開発を目的とする。具体的には、最近申請者らが開発した「主鎖交換反応」という画期的な反応を利用して、ポリエステル、ポリウレタンなどの異種高分子を様々な条件下で自在に複合化する方法論を確立する技術開発を目指す。 | ||
二酸化チタンナノ粒子界面における光誘起電荷分離機構の解明 | 駒口 健治 広島大学大学院工学研究科助手 |
100 |
本研究では、二酸化チタン(TiO2)を前処理(脱水-水素還元)することにより、紫外線照射で生成する電子およびホールを準安定な電荷分離状態として補足し、この準安定状態からの再結合過程を低温in-situ ESR法で追跡測定する。TiO2のユニークな特徴である光有機電解分離-再結合過程に及ぼす結晶型効果や粒径効果を明らかにし、TiO2(P25)で発現するアナタース-ルチル協同効果をナノ粒子界面の選択的電子移動反応と関連づけて考察する。 | ||
液晶ゲル化剤を基盤とする最適微細構造を持つ有機ゲル電解質の開発と応用 | 岡本 浩明 山口大学工学部助手 |
100 |
現在,リチウムイオン電池のエネルギー密度をさらに高める方法として、高分子ゲル電解質による大電流化が注目されている。本研究では、液晶性ゲル化剤を用いた有機ゲル電解質を開発し、大電流化が可能なリチウムイオン電池への応用を目指す。そのために、有機ゲル電解質の微細構造の解析、液晶性ゲル化剤の分子構造の変化により有機ゲル電解質の微細構造を制御した有機ゲル電解質の合成、微細構造とイオン伝導度との相関関係を明らかにする。これらの結果から最適な微細構造を持つ有機ゲル電解質を開発し、リチウムイオン電池への応用を行う。 | ||
p型GaN中の正孔濃度制御のための結晶欠陥評価法の確立 | 加藤 正史 名古屋工業大学大学院工学研究科助手 |
100 |
GaNは優れた材料物性からパワーデバイスとしての実用化が期待されている。この材料を用いれば耐圧1000V以上を持つスイッチが作製できると言われており、大電力インバーターなどの効率向上が図れる。しかし、GaNにおいてはパワーデバイスとして重要なノーマリーオフ動作をさせるために必要なp型領域の形成が困難である。本研究ではGaN結晶においてp型化を困難にしている結晶欠陥を明らかにし、デバイス作製の指針となる評価法を確立することを目的とする。 | ||
一巻コイル法を用いた超強磁場発生と物性測定技術開発に関する研究 | 百瀬 英毅 大阪大学低温センター助手 |
100 |
電子材料などの物理的性質を調べるには磁場が不可欠な存在である。 磁場強度が低い領域であれば電磁石等を用いて発生させられるが、100テスラを超える超強磁場には爆発的磁場発生手法しかない。これらの手法では、爆発とともに試料や検出器などが破壊されて失われる。これに対し、室内でも実験が可能で、試料や検出器などが失われず、繰り返し測定が行える超強磁場発生方法に一巻コイル法がある。そこで本研究では、資源の有効活用で利点をもつ一巻コイル法超強磁場発生技術の高度化を図り、物性測定を試みる。 | ||
ナノクリスタルシリコンの新規作製法と発光デバイスの創製 | 和泉 亮 九州工業大学工学部助教授 |
100 |
本研究では、ホットワイヤー化学気相堆積法(HW-CVD);別名Cat-CVDという新規の低温、大面積成膜できる薄膜堆積技術と申請者の開発した接触分解反応により生成したアンモニアなどの分解種による基板表面窒化処理技術を組み合わせることによって、【1】ナノクリス(nc-Si)を室温程度で低温形成を行うこと、【2】nc-Siの形成メカニズムを解明すること、【3】nc-Siを用いた発光デバイスを作製することなどを目的としている。 | ||
テラヘルツ波光源応用に向けた有機非線形光学結晶の開発 | 安達 宏昭 大阪大学大学院工学研究科助手 |
100 |
本研究では、近年注目が高まってきているミリ波と赤外光波の狭間にある未踏光学技術「テラヘルツ波テクノロジー」の大幅な進展を目指すため、従来の無機材料をはるかに上回る非線形光学特性が確認された有機結晶DASTの高品質結晶作製技術を開発する。申請者は、斜面を用高品質結晶育成技術(特許3007972)とレーザーを用いた結晶核発生技術(特許3502905)の基本技術を開発しており、耐レーザー損傷閾値の高いDAST結晶を作製し、世界最高出力テラヘルツ波光源の実現を目指す。 | ||
新しい活性化反応性蒸着法による窒化炭素薄膜の創成 | 羽渕 仁恵 岐阜工業高等専門学校講師 |
100 |
窒化炭素薄膜は硬度がダイヤモンドを凌ぐと理論的に予想されている。本研究では窒化炭素薄膜の作製プロセスにおいて従来にはない水素を使用しない、かつ窒素ラディカルの密度が高いものを考案する。基本原理は物理蒸発により炭素を生成し、窒素ガスを誘導結合プラズマによ活性化し反応させ基板上に生成するものである。この方法により炭素源と窒素源の別々の供給制御ができ、水素を含まない窒素含有量が多い試料が低温で作製できると期待できる。 | ||
面積調整パルス列を用いた超高速コヒーレント制御光スイッチ | 鶴町 徳昭 香川大学工学部助教授 |
100 |
超高速光通信や光情報処理の実現のためには、高い光学的非線形性と超高速応答を示す非線形材料を用いた光スイッチが必要である。その実現のために量子ドット集合体のような不均一広がりのある系でも適用できる新しいコヒーレント制御法を考案した。これはパルス面積を調整したレーザーパルス列を用いるもので、これによりエネルギー緩和時間が例え長くても、励起状態から基底状態への強制緩和が可能となるため、超高速光スイッチへの応用が期待できる。本研究ではこの手法を用いた新しい光デバイスの実現を目指す。 | ||
VO2の金属−絶縁体転移を利用したチューナブル・フォトニック結晶の作成および光学特性の評価 | 山本 真平 京都大学化学研究所教務職員 |
100 |
VO2の金属-絶縁体転移を利用するチューナブル・フォトニック結晶の作成と光学特性の評価を行う。フォトニック結晶は屈折率の異なる複数の物質が周期的に配列した構造を有する物質であり、興味深い光学特性を示すことが知られているが、通常のフォトニック結晶では光学特外部から制御することは出来ない。チューナブル・フォトニック結晶とは、外部刺激による光学特性の制御が可能な新しいタイプのフォトニック結晶のことである。 | ||
PLD法によるオゾン支援p型ZnO薄膜の作製に関する研究 | 大島 多美子 佐世保工業高等専門学校助手 |
100 |
本研究はPLD(パルスレーザ堆積)法による短波長発光材料として有望なZnO薄膜の作製を行う。しかしZnOはp型化が困難であり、また格子中にZn過剰およびO欠損を形成するためn型化し易い性質を持つ。そこで強酸化力であるO3ガスを用いて、Zn過剰を抑制しO欠損を補うことでp型伝製を試みる。また最終的に実用可能なキャリア濃度を有するp型ZnO薄膜を作製しpn接合デバイス形成を行うため、本研究ではO3によるpn伝導性制御が可能なPLDシステムの開発を行う。 | ||
有機半導体材料を用いた可視光応答型光化学変換素子の創製研究 | 阿部 敏之 弘前大学理工学部助教授 |
100 |
太陽光と水から水素を生成する「水の光分解系」は将来のエネルギーシステムの有力候補として注目を集めてきたが、その確立には至っていない。本研究では、広範な可視光に応答する有機光起電力発生材料を用いた湿式光電極の開発により、光起電力の発生を伴って化学量論的な酸素・水素発生をもたらす光化学変換素子の創製に関する検討を行う。本課題は、安価な有機半導体材料を用いた新しい光触媒の研究・開発を包含したものであり、その遂行は光エネルギー変換技術における新しい局面を切り開くものと考えられる。 | ||
制御系と機構系の有機的連関に基づくモジュラーロボットの創発的形態制御 | 石黒 章夫 名古屋大学大学院工学研究科助教授 |
100 |
モジュラーロボットは、自身を構成するモジュール群の相対位置関係を状況に応じて能動的かつ合目的的に改変することができるため、これまでの固定形態に基づくロボットに比べて環境適応性や拡縮性、耐故障性といった優れた特性を発現することが期待されている。本研究では、これまでの研究とは立場を異にし、明示的なモジュール間の結合制御を行うことなしに、表面張力効果、引き込み、原形質流動といった非線形現象を積極的に活用しながら、モジュラーロボット全体の形態を実時間かつ創発的に制御することを試みる。 | ||
カプセル型医用機器等の生体内位置計測に適した小型位置センサの開発とその応用 | 永岡 隆 早稲田大学理工学部助手 |
100 |
無侵襲治療の重要性の向上と共に、カプセル型医用機器への期待が高まっている。本研究ではカプセル型医用機器に適した超小型三次元位置センサの開発とその応用を推進する。本研究の特色は磁場のフィードバックによる位置計測の安定性向上、生体内に直接変調信号を流すことによる低消費電力化である。基礎研究により有線式ながら従来品に比べ半分の体積で位置計測誤差1[mm]、消費電力100[uW]のセンサ開発に成功した。今後は更なる小型化・高機能化を推進し、より患者への負担の少ない機器の開発を目指す。 | ||
光ピンセットを用いたナノメートル領域の表面特性解析 | 堀中 順一 京都大学大学院工学研究科助手 |
100 |
光ピンセットは極めて小さなバネ定数をもつバネと見なすことができ、光ピンセットで捕捉した微小球(捕捉球)の動きをバネの伸び縮みとして捕捉球にかかる力を測定することができる。そこで材料表面との相互作用による捕捉球の動きを検出することにより材料の表面特性を調べる手法を確立する。現在ナノメートル領域の表面解析の手段として注目されている原子間力顕微鏡と比べ、本研究で構築する光ピンセットを用いた装置の方が感度および応用性が格段に高いことが期待される。 | ||
QoSレベル公平化に基づくリアルタイムシステム向けQoS適応制御ミドルウェアの研究 | 中本 幸一 兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科教授 |
100 |
ロボット、情報家電を始めとする組込みリアルタイムシステムは、CPU能力などのリソースがPCに比べて制限されている。このため、最近のマルチメディア処理技術の発展に伴い、複数のプログラムが同時に動作すると過負荷状態になるなどユーザに不便を強いている。動的にアンタスクの処理内容を変更するための制御機構が必要となってきた。本研究では、過負荷状態を避けながらサービス品質(QoS)レベルの偏りをなくす制御ミドルウェアを研究する。 | ||
2軸方向磁場測定ナノスケールホール素子アレイによる非接触型計測器開発に関する研究 | 金 錫範 岡山大学工学部助教授 |
100 |
本研究は、2軸方向(垂直・半径方向)の磁場測定が可能なナノスケールホール素子アレイを1次元および2次元配列することにより、超伝導薄膜および先端研究の一つであるYBCO次世代線材の磁束変化や臨界電流密度の空間分布について非接触で測定する自動計測システムの開目的として行うものである。研究目的を実現させるために、10mm2面積の半導体薄膜の上に1000個以上にホール素子アレイを作製し、各々のホール素子の分解能は100nmを目指して行う。本研究により、2軸方向の磁場測定が可能となり、さらに、広い空間において高い分解能を有しながらリアルタイムで磁束の変化が測定可能になると考えられる。 | ||
微生物を利用したバイオ燃料電池の開発 | 高田 洋吾 大阪市立大学大学院工学研究科講師 |
100 |
燃料電池は、環境問題やエネルギー資源問題を解決するエネルギー変換システムとして注目されているが、その燃料としては、様々なものが利用されている。本研究では非化石燃料で、かつ無害なエタノールを改質せずに、固体高分子型燃料電池で直接利用することを考える。エタノールは、酵母を利用して糖類を発酵させることで得ることができる。そこで、燃料電池の外部に発酵部を設け、そこに酵母・糖類・水を入れて発酵させ、生成した低濃度のエタノールを含む溶液を燃料電池に注入して発電させるバイオ燃料電池を開発することを目指して研究を行う。 | ||
CVD法によるカーボンナノチューブの局所・均質生成法の開発に関する研究 | 井上 修平 広島大学大学院工学研究科助手 |
100 |
未来の材料として期待されているカーボンナノチューブに関する研究である。現在カーボンナノチューブの大量合成に関しては世界で唯一アメリカのSmalleyグループが成功を収めているが、未だ均質なものを得るには至っておらず、また生成には非常に大きな場を要しミクロルで生成を制御できている例はない。そこで本研究ではCVD法を用い年々設計プロセスが縮小化されている半導体にも適用できるよう均質なカーボンナノチューブを局所的に生成する(成長させる)ことを主眼とした研究を行う。 | ||
多段式燃料改質器の開発と燃料許容性・負荷変動応答性の評価 | 巽 和也 大阪府立大学大学院工学研究科助手 |
100 |
本研究では、多様な燃料および負荷変動に適用可能な高効率燃料改質器の実現を目指して,多段階に燃料供給を行う新しい改質方法を提案し、その設計と開発に向けて改質器内での燃焼・伝熱特性を詳細に検討することを目的とする。本改質方法では、多段階に燃料供給を行い、水蒸気改質反応、部分酸化反応、シフト反応、選択酸化反応などの各反応を局所的に高い精度で制御するものである。これは同時に改質反応に伴う発熱/吸熱の制御を意味し、結果として各反応の高効率化と反応時間の短縮につながると期待される。 | ||
半導体レーザを用いたナノ粒子前駆体計測システムの開発 | 林田 和宏 木更津工業高等専門学校助手 |
100 |
ナノ粒子の生成機構の化学反応を理解することは、クリーンな燃焼技術を開発するために必要不可欠である。本研究の目的は、燃焼場におけるナノ粒子の前駆体とされる、多環芳香族炭化水素(PAH)の半導体レーザ計測システムの開発である。現在使用されているPAHのレーシステムは非常に高額で、かつ取り扱いが複雑であるため、本研究ではこれに代わりうる、高精度、低コスト、かつ取り扱いが簡易な半導体レーザによる計測システムの開発を目指す。 |
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メタルハニカムを用いた微粒子吸着フィルターの検討 | 山本 和弘 名古屋大学大学院工学研究科助教授 |
100 |
ディーゼル車は熱効率が高いが、人体に有害な微粒子の対策が急務となっている。セラミックフィルターによる粒子の吸着・除去が提案されているが、製造工程に起因して製品ごとに特性がばらつく。また連続使用ができず、吸着した微粒子を取り除くフィルターの再生過程が必要である。本研究では、フィルターにメタルハニカムを用いることで同じ形状とする。また電気加熱を利用し粒子を焼却処理する。ただし、排気ガス中の粒子が内部で吸着するよう構造を工夫する必要があり、粒子を伴う反応流れを数値的に解析する。 | ||
超低摩擦係数アモルファスSiC薄膜の創製 | 加藤 昌彦 広島大学大学院工学研究科助手 |
100 |
これまでにない低摩擦係数薄膜を開発するために、アモルファスSiC薄膜に注目した。既に申請者は、これに不純物を加えることにより、非常に低い摩擦係数材料として注目されているDLC薄膜の約 1/2を達成している。本研究では、摩擦係数のよりいっそうの低減を目指して、様々な添加物を加えた薄膜を作製し、摩擦・摩耗試験を行なう。また、低摩擦係数になるメカニズムを解明することや、ミクロな領域や高温での摩擦係数測定もあわせて行なう。 | ||
微小スケール送りを可能とする小型加工機を用いた数ミリサイズの小形部品の高精度・高能率加工法の構築と医療用部品への応用 | 加藤 秀治 金沢工業大学工学部助教授 |
100 |
近年、利便性の良さから携帯製品の需要が増加し、数ミリサイズの小形部品の加工が求められている。しかし、製品を構成する部品は微細な形状精度が厳しいばかりでなく、短時間で最終製品を得ることも要求されており、能率化も必須条件である。本研究では、医療用チタニウム合金などの難削材を用いた小形部品の高精度・高能率成形加工を目的とする。専用小径工具の形状設計開発と微細加工メカニズムの解明を行い、研究室オリジナルの超高速加工機を用いて小形医療部品(チタニウム合金、特殊エンジニアリングプラスチック)の高能率加工とその基礎的加工技術の構築を試みる。 | ||
極低温流体の高効率移送技術に向けた流動・熱伝達メカニズムの解明 | 河南 治 兵庫県立大学大学院工学研究科助手 |
100 |
水素インフラを主とした省エネ社会実現に対する技術課題として、極低温流体の貯蔵タンクへの移送・エンドユーザーへの供給などを想定した、固体表面急冷却時の流動・熱伝達メカニズムの解明が挙げられる。本提案では、極低温流体強制流動沸騰における熱伝達と、固液接触面進行速度の同時測定を、無電解めっき法で金薄膜を管内壁面にコーティングしたガラス管によって実現し、固液接触面近傍の流動・熱伝達メカニズムの解明を行なう。特に、実応用面でも重要な低流速域での研究を重点的に行う。 | ||
合 計 30件 | 3,000 |