助成実績

科学技術関係 研究助成

第18回(2002年度)マツダ研究助成一覧 −科学技術振興関係−

研 究 題 目 および 研 究 概 要 研 究 代 表 者
(*役職は応募時)
助成金額
(万円)
ホウ酸メラミンから合成したB-C-N化合物へのリチウムのインターカレーションとリチウムイオン2次電池の負極材料への応用に関する研究 小田 耕平
米子工業高等専門学校教授
100
リチウムイオン2次電池の負極材料である炭素材料に替わる新たな材料開発を目的とする。ホスト材として申請者等が独自に開発した合成法で作製したグラファイト状B-C-N化合物を用い、このホストへのリチウムのインターカレーションを行い、得られた物質のサイクリックボルタンメトリなどの電気化学的特性を検討し、リチウムイオン2次電池の新たな負極材料としての適用を試み、高性能なリチウムイオン2次電池の実用化を図る。
超強酸性有機材料及び触媒の精密分子設計 石原 一彰
名古屋大学大学院工学研究科助教授
100
最近、本申請者らは新規ブレンステッド超強酸C6F5CHTf2の合成に成功しこれをポリスチレン樹脂に担持することによりNafionよりも触媒活性の高い固体酸触媒を開発した(石原、長谷川、山本 尚Angew.Chem.Int.Ed.2001、40、4077−4079)。この成果は超強酸を高分子に規則正しく担持した初めての例である。本研究はこの成果を基礎にした超強酸性有機材料及び固体超強酸の精密分子設計とその物性を活かした高活性触媒、不斉触媒、イオン交換膜等の機能性材料の開発にある。
マグネシウム合金板の温間プレス成形性に関する研究 中 哲夫
弓削商船高等専門学校講師
140
マグネシウム合金は塑性加工が困難である。しかし、多くの長所を有するので圧延材の使用拡大が不可欠となる。この成形性の悪さを克服する方法として温間成形がある。板材の成形性の指標に成形限界線図(FLD)がある。しかし、温間成形に関するFLDは示されていない。そこで、この材料のFLDに及ぼす成形速度と温度の影響についての実験データを新たに提示することを目的とする。また、単軸及び二軸引張り試験における機械的性質と合わせて定量的な成形性の予測を行う。
半導体自然超格子構造を利用した界面2次元電子ガス制御 山下 兼一
京都工芸繊維大学工芸学部助手
100
GalnP/GaAsヘテロ界面の物性は、この材料系をヘテロバイポーラトランジスタなどの高速電子デバイスへ応用するために非常に重要である。本研究では、自然超格子構造の形成によりGalnP/GaAsヘテロ界面に自発的に発生する2次元電子ガスの発生機構を明らかにすることを目的とする。様々な光学測定を行うことにより、自然超格子の形成度合いがヘテロ界面付近の電子状態と電子ガス濃度に与える影響について詳細に調べ、この自発的に発生する2次元電子ガスのデバイス応用の可能性を探る。
閾値判定型超高速光ゲート素子 植之原 裕行
東京工業大学精密工学研究所助教授
100
数10Gbps の超高速動作を行い、同時に入力信号の0レベルと1レベルの識別・波長の時間的変動の補償を行う光ゲート素子の実現を目指す。電界吸収型光変調器の材料として吸収端の急峻な多重量子井戸構造を用いる。入力信号をゲートの制御光として用い、光励起キャリアの空間的分布による電界スクリーニング効果を利用して吸収の減少を引き起こす。初期逆バイアス電圧を励起子吸収波長の短波長側に設定し、電界スクリーニング時の吸収端が再生光波長より短波長側に移動するように設定して閾値性を実現する。
セルロース系自己補強性複合材料の創製と機能発現 西野 孝
神戸大学工学部助教授
150
植物源に依存してセルロースの溶剤への溶解性が異なることを利用し、充てん材、マトリックスが共にセルロースからなる全セルロース同種異形複合材料の創製を行う。この複合材料は、全てが生分解する環境調和型材料であるのみならず、同種異形材料であることから界面での接着性に問題が生じない等の特徴を有している。セルロース本来の高い力学特性を生かした自己補強制材料として、現在、既存プラスチック材料からの代替の急務な自動車部品への展開を図る。
人体の影響を考慮に入れた携帯端末用アンテナ設計 平田 晃正
大阪大学大学院工学研究科助手
100
電磁波の人体に与える潜在的な影響が懸念されているが、特に、人体頭部近傍で用いられる携帯電話アンテナに関心が寄せられている。本研究では、頭部への電磁波放射量を抑制した携帯端末用アンテナの設計方法を理論的かつ実験的に確立することを目的とする。また、この設計方法を用いて実際にアンテナを作製し、その有効性を検証する。得られるアンテナは、人体への潜在的影響を抑えるだけでなく、高効率であることが期待され、本提案は今後のアンテナ設計におけるブレークスルーとなりうる。
JPEG2000非可逆圧縮データを用いた大容量情報秘匿法 野田 秀樹
九州工業大学工学部助教授
100
情報セキュリティに関する社会的関心が非常に高まっている今日、暗号技術とは異なる情報セキュリティ技術として情報秘匿技術が関心を集めている。情報秘匿技術は、画像、ビデオ、音楽データ等のメディアデータ中に、第三者に知られたくない重要な情報を隠す技術であり、ステガノグラフィ技術と電子透かし技術に二分される。本研究は前者に関するものであり、今後の普及が確実なJPEG2000規格による圧縮データ(静止画像、ビデオ)を用いるステガノグラフィを実現する。
強磁性強誘電性酸化物単結晶薄膜における電界制御磁性の検討 松井 利之
大阪府立大学大学院工学研究科助手
150
この研究は強誘電特性と強磁性を同時に合わせ持つ酸化単結晶薄膜の合成を目指したもので、その物質開発、合成プロセス、材料特性を検討、最適化することを目標としている。特に強誘電体の分極状態に依存して磁化状態を変化させる、すなわち電流ではなく電圧の印加により磁性を制御することに主眼をおいた検討を進める。このような物質が新規に開発されれば、従来の強誘電体メモリの性能を遥かに超える、新規な不揮発性メモリーの創製が可能となる。
Ag/Si(111)界面に局在した電子状態の光第二高調波発生による検出 平山 博之
東京工業大学大学院総合理工学研究科助教授
110
論的にシリコン結晶では 1)光第二高調波発生(optical Secnd Harmonic Generation; SHG)は界面でのみ発生し、2)その強度は、入射光子エネルギーが界面局在電子状態間遷移間エネルギーに一致した時に共鳴的に増大することが期待される。本研究はこうしたSHGの性質を利用して、励起光子エネルギーを変化させた時のSHGスペクトル構造として界面電子状態間遷移が検出できることを、7x7超周期で界面原子が配列したAg/Si(111)7x7界面、およびこれに水素を導入することで周期を1x1に変化させたAg/Si(111)1x1:H界面のSHGスペクトルを比較することにより実証しようとするものである。
高速かつ柔軟なネットワーク・プロセッサのハードウェア/ソフトウェア協調設計システムの開発 柳澤 政生
早稲田大学理工学部教授
100
近年著しい進歩を続けているネットワークのノード処理を行うネットワークプロセッサに焦点を当て、与えられた仕様を満足するネットワークプロセッサのうち最適なハードウエアならびにそのハードウエア上で稼動するソフトウエアを自動的に生成するハードウエア/ソフトウエア協調設計システムを開発する。また、生成されたハードウエアをLSIとしてレイアウト設計し、評価を行う。生成されるプロセッサは高速かつ柔軟(プログラム可能)なものであり、これを実現するために、FPGA、CAM等の素子を導入する。
未利用資源バイオマスを利用した生物工学的水素生産 天尾 豊
大分大学工学部助教授
130
21世紀は地球環境を保全し、次世代のエネルギーを開拓することが必要となる。地球環境保全のためには二酸化炭素の発生を伴わない環境低負荷型エネルギー循環系の構築や未利用資源を利用したエネルギー変換系の研究が必須である。そこで本研究では、未利用資源からクリーンエネルギー源である水素の獲得方法として、木材廃棄物の主成分として含まれ利用価値の少ないセルロース等のバイオマスを原料とし、太陽エネルギー、緑色植物由来の葉緑素、各種酵素や安価な金属触媒を利用し、生物工学的な水素生産反応系を構築する。
酸化物プロトン導電体多層膜を用いた一室型燃料電池の試作 佐多 教子
東北大学大学院工学研究科助教授
100
高い温度でも機械的・化学的に安定なプロトン導電体として知られる固体酸化物型プロトン導電体を利用したデバイスの一つとして、一室型燃料電池の試作を行い、固体酸化物型プロトン導電体の小型燃料電池材料としての可能性を探る。より優れたプロトン導電体を引き出すために、組成の異なるプロトン導電体をナノメータスケールで積層し、多層膜化する。このような新奇な構造の膜を用いて、より効率的・実用可能なデバイスのための材料の検討を行う。
変異原性物質の網羅的アッセイのためのDNAマイクロアレイセンサの研究 中野 幸二
九州大学大学院工学研究院助教授
100
本研究では、変異原性物質の網羅的アッセイのためのDNAマイクロアレイセンサの開発を行う。申請者らは電極表面への二重鎖DNA固定化法を新たに開発することで、DNAを感応物質に用いたバイオセンサを世界に先駆けて実現した。ここでは、多数のDNAを二次元配列したセンサ素子ーDNAマイクロアレイに、走査プローブ法の適用によってもたらされる空間分解能を持った電気化学測定法を組合せ、測定効率を極限に高めたセンサシステムの実現に取り組む。このような系では「どのようにして認識情報を読み出すか」もポイントであるが、そのアプローチとして、申請者オリジナルのバイオ材料であるDNA-redoxコンジュゲートの利用を予定している。
機能性電子材料の機能制御と物性探索 奥田 哲治
鹿児島大学大学院理工学研究科助教授
100
有機電界発光(EL)の目覚しい発展は、有機電子素子開発に弾みをつけるだけでなく、無機半導体に代わる新しい電子材料の電子素子化に弾みをつけた。本提案は、有機半導体やそれ自身が多様な機能を内包する強相関電子材料を用いて、新しい機能を発現する電子素子の開発を目指す。本分野は学術的にも新規物性の宝庫と言って良く、また次々世代電子材料の有力な候補である強相関電子材料の実用化に一石を投じるものである。
多種酵素を内包したリポソームを生体触媒とするバイオリアクターの開発 吉本 誠
山口大学工学部助手
100
省エネルギーかつクリーンな物質生産を推進する観点から、酵素を利用するバイオプロセスが注目されている。本研究では、これまで実用上問題となっている反応操作時の酵素の安定性を飛躍的に向上させるために、反応操作に伴う種々の失活因子を抑制可能な合理的なシステムを人口脂質膜小胞であるリポソームに多種の酵素を同時に内包して構築する。さらに本生体触媒を生分解性の担体に固定化して実用バイオリアクターにおいて工学的に応用するための技術開発を行う。
粗面流の特性変化を利用した空力改善 亀田 孝嗣
山口大学工学部助手
140
省エネルギー化の問題は、流体工学の立場からみると如何に流動抵抗を低減するかということである。自動車工学において流動抵抗低減は、エンジン内部吸気ダクトの圧損、ボディー空力特性に重要であり、またボディー空力特性に関連してボディー周りのはく離渦は走行安定性の問題にも関係する。本研究では、矩形粗さ要素(吸気ダクト内や血管内および伝熱フィンの壁面形状等)から成る粗面に働く流動抵抗の発生原因について、粗さ要素間溝内部に形成される渦と溝上方外部流との干渉の解明を主眼にして研究を進めていく。
産業副産物の混合による建設発生土の有効利用 林 泰弘
熊本大学工学部助手
100
国土が狭小な我が国では’土’も貴重な天然資源である。本研究では建設発生土のうちそのままでは再利用が困難な泥土を低コスト低エネルギーで有効利用する方法として、他産業での副産物である石炭灰や鉄鋼スラグなどとの混合を考えている。この方法は土の物質吸着性、石炭灰や鉄鋼スラグの潜在水硬性を生かすことによって両者の欠点を補い、トータルでの環境負荷低減やコスト縮減が達成できるものである。この混合体を地盤材料として用いるための性能評価と環境負荷、経済性の吟味を行う。
現代制御理論を活用したアドバンスト飛行制御系の設計および実証に関する研究 佐藤 淳
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助手
100
現代の旅客航空機では、操縦性、安全性、燃費の向上に大きなメリットが得られるため、運動特性を改善する自動制御装置が利用されているが、そのような機体の運動特性を事前に評価する有効な手法は提案されていない。そのため設計は非常に試行錯誤的なものになりがちである。本研究では近年のロバスト制御理論の成果を飛行制御へ応用し、新たな利用しやすい設計手法を導くことを目的とする。またその成果を用いてロバスト飛行制御系を設計し、実機での性能評価を行い有効性を確認する。
既存廃棄物処理との比較による有機系廃棄物炭化処理のLCA的評価に関する研究 内海 秀樹
京都大学地球環境学大学院助手
100
食品残さ、厨芥等の有機系廃棄物は、焼却やコンポスト化等の処理がなされている。しかし、水分が多く補助燃料が必要であり、コンポストは過剰供給状態にある等の課題がある。本研究では、これら有機系廃棄物の処理方法としての炭化処理に注目する。得られた炭化物は、燃料や低品位活性炭、土壌改良材、還元剤等用途は幅広く貯留も比較的容易と考えられる。炭化処理はダイオキシン類対策としても有効とされ、本研究では、従来の処理方法と定量的に比較するためにLCAの概念を用いて評価を行う。
バルクPZT振動子を利用したマイクロサーボモータとそのマイクロロボットへの応用 神田 岳文
岡山大学大学院自然科学研究科助手
100
内視鏡と併用できる医療用手術器具や、マイクロ加工モジュールへの組み込みを目的として、マイクロ超音波サーボモータを実現する。PZTのバルク材を切削によって加工した振動子を用いてモード回転型の超音波モータを構成し、これにマイクロエンコーダを組み合わせることによって、低速高トルクで動作可能な、直径2mm以下のマイクロサーボモータを製作する。さらに、サーボモータとして使用できることをマイクロモジュールへの組み込みによって確認する。
リチウムイオン伝導性固体電解質の開発とその応用 冨田 靖正
静岡大学工学部助手
120
固体電解質は、固体状態でありながら特定のイオンのみが化合物中を移動できるため、化学センサや電池などへの応用が進められている。本研究では、その中でも特に応用面での期待が大きいリチウムイオン伝導性の固体電解質を開発することを目的としている。以前の研究結果から得たデータを元に、高リチウムイオン伝導に必要なファクターを明確にすることで、室温においてこれまでに発見されている化合物よりも100倍以上の(α-Aglに匹敵する)イオン伝導性を示す化合物の合成が期待できる。
難削材のナノメートル・オーダー仕上面創成のための超精密切削加工技術に関する研究 坂本 重彦
熊本大学工学部講師
100
各種機器・製品の高品位化に伴なって、ステンレス鋼やチタン合金等といった高機能性・難削材料のナノメートル・オーダー超精密加工が必要になっている。しかし、その加工技術は非常に困難で、精密切削・研削加工後の研磨加工による仕上げが行われ、長時間を要している。難削材の高品位部品を容易に、短時間で製作するため、本研究では工具磨耗・耐熱性に優れる難削材用超精密切削工具の研究開発を進めるとともに、環境を考慮した切削油剤供給法による高効率ナノメートル・オーダー超精密切削加工技術の開発を行う。
海洋資源循環モデルと海洋微生物の生態系モデルを用いた赤潮予測システムの研究 松浦 義則
広島市立大学情報科学部助手
100
広島湾では、近年ヘテロカプサと呼ばれる赤潮プランクトンが夏季に発生し、発育中のカキを大量に斃死させ養殖漁業へ甚大な被害を与えているが、ヘテロカプサの詳しい生態は十分な知見が得られていない。本研究では、ヘテロカプサの生態系に影響を与える季節の変動、空気と海の相互作用、天気、海水温、塩分、そして水流に着目し、その数学モデルを構築した。このモデルを用いたコンピュータシミュレーションはこれら複雑な現象を幅広い方法で調査するのに有効と考えられ、今後赤潮の発生予測などの応用も期待できる。
モジュール型移動ロボットのフォルトトレラント・センシングシステムに関する研究 橋本 雅文
広島大学大学院工学研究科助教授
120
使用用途に迅速に対応可能なユニット化した車輪の編成によるモジュール型移動ロボットの実現のため、モジュール性や耐故障性を備えたセンシングシステムを設計する。故障診断機能を持つ車輪ユニットが自己のセンサ情報をもとに推定する局所情報をユニット相互で通信して分散的に統合することでセンサ系や通信系等の故障に対してもロボット制御に不可欠な運動状態量を信頼性高く算出するフォルトトレラントなplug-and-play型センサシステムを構築する。
リアルタイム画像認識のための画像分割システムアーキテクチャの設計とLSIによる実現 小出 哲士
広島大学ナノデバイス・システム研究センター助教授
120
人の顔を認識する場合、画像中から人の顔を切り出して処理をする必要がある。この画像中の対象物を抽出する処理を画像分割と呼び、画像認識の基本的かつ不可欠な処理である。本研究では入力画像の全ての画素に対して並列に処理を行うことでVGA(640×480画素)画像の画像分割処理を1ms以下で実現することが可能な新しい画像分割処理アルゴリズムを開発し、ハードウエアとして実現するために必要なアーキテクチャやCMOS集積回路を開発し、その性能をテストチップの試作をとおして、実験的に検証する。
中温作動燃料電池用無機電解質材料の開発 今西 誠之
三重大学工学部助教授
120
100℃で作動するポリマー電解質燃料電池(PEFC)は電気自動車用電源として期待されているが、電解質として用いられるNafionは高価であること、水分管理が煩雑であるといった問題を解決する必要がある。しかし100℃近い温度ではNafionに代わる優秀なポリマー電解質がないのが現実である。そこで本研究では無機化合物を電解質材料として開発する。材料としてLn(OH)3(Ln:ランタノイド元素)とその誘導体であるLn00Hの2種を検討する。前者はOH- 導電体でプロトン伝導体より湿度依存性が少ない電解質として期待できる。
スーパーストラクチャーを用いた光波シンセシスに関する研究 中川 清
香川大学工学部助教授
100
大容量高速光通信システムで使用する光ファイバー型フィルターデバイスの性能を向上させるために、光ファイバー中に形成する屈折率の周期的変化構造の製作過程を高精度化する。つまり、生成する屈折率変化構造の周期や生成位置の制御、また、複数個の屈折率変化構造の相互作用の利用などにより所望のフィルタリング特性を実現する。設計パラメーターの組み合せにより、製作したデバイスから出力される光波のスペクトル形状を自由に制御する技術を確立する。大容量高密度超高速光通信技術に貢献するデバイスとなる。
多焦点光学系を用いた高効率フェムト秒レーザー加工技術の開発 松尾 繁樹
徳島大学大学院工学研究科講師
100
フェムト秒パルスを用いたレーザー加工は、微細加工や透明固体内部の加工において優れた特性を持っているが、通常は単一焦点での加工となるため効率が高くない。本研究では、一本のレーザー光を分割して多数の焦点を結び、多点で同時に加工を行うシステムを開発する。これにより加工に要する時間が大幅に短縮され、エネルギー的にもコスト的にも効率的である。この手法は、加工に高エネルギーを必要としない感光性材料やポリマー材料に対して有効であり、一定の配置で多数の微細孔を形成する場合、例えばインクジェットノズルなどの微細加工において効率の高い優れた加工技術となりうる。
分子機械「光動力キラル分子モーター」の開発と応用 桑原 俊介
東北大学多元物質科学研究所助手
100
ナノテクノロジーの究極の目的の一つは分子機械の製作である。本研究室では分子機械「光動力キラル分子モーター」を世界で初めて開発した。本研究ではキラル分子モーターの回転機構の解明とその応用を目指す。まずモーターの回転機構を明らかにするとともに、分子モーター誘導体を合成し、効率的にモーターの回転を制御できる系を探索する。また、モーターとしての重要な機能は仕事ができるという点に着目し、分子モーターの左右の軸を修飾することにより、機械的な回転運動によって仕事をさせることを目的とする。
小 計 30件 3,300

特定課題−アジア支援プロジェクト

研 究 題 目 および 研 究 概 要 研 究 代 表 者
(*役職は応募時)
助成金額
(万円)
技術系学生のアジア海外研修プログラム 「国境を超えるエンジニア--技術の移転から知識の伝承へ--」の実施と新しい技術教育に関する研究 茂里 一紘
広島大学大学院工学研究科教授
300
我が国の産業や技術を取り巻く環境は大きく変化している。その変化に対応して 我が国の21世紀の技術者教育もその目標、内容および方法に抜本的な改革が必要である。本研究では、技術系学生の東アジアの生産現場や現地機関への派遣を教育プログラムの中心に据え、学外専門家や現地経験者などとの連携のもと、産学連携による新しい方式による実験的教育を行い、その有効性について検証し、21世紀における技術者教育の一つとして社会に提示する。
小 計 1件 300
合 計 31件 3,600

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