助成実績
科学技術関係 研究助成
第15回(1999年度)マツダ研究助成一覧 −科学技術振興関係−
研 究 題 目 および 研 究 概 要 | 研 究 代 表 者 (*役職は応募時) |
助成金額 (万円) |
交通流モデルに発生する渋滞現象の抑制法 | 小西 啓治 大阪府立大学工学部助手 |
100 |
現代社会において、交通渋滞は物資輸送時間の膨大な浪費、アイドリングおよび加減速による不必要な排ガス放出などの多くの問題を引き起こしている。一方、近年の物理学分野では、交通渋滞の発生メカニズムを数理科学的に解明する研究が活発に行われている。しかしながら、この渋滞発生メカニズムを考慮に入れた渋滞抑制法は今のところ考えられていない。本研究では、このメカニズムの特性を利用し、物理学分野におけるカオス制御理論と現代制御分野におけるH∞制御理論を融合させた非常に実用的な渋滞抑制法を提案する。 | ||
耐ハロゲン性排ガス浄化処理触媒の開発 | 新田 昌弘 広島工大大学院環境学研究科教授 |
100 |
本研究は、ハロゲン含有産業排ガス浄化用高性能・高耐久性触媒の開発を目的とする。従来の触媒燃焼式産業排ガス処理は排ガス中のハロゲン化合物が触媒を被毒劣化させるため、触媒の交換が頻繁で経済性が悪い。耐ハロゲン性触媒の開発により排ガス処理の低コスト化や高効率化が可能となり、また最近、排出規制が強められているダイオキシンの低減除去装置やフロン分解処理装置にも適用可能であり、大気環境保全技術の進歩・改善に貢献できるところに意義がある。 | ||
籾殻からの環境浄化用セラミック担体の製造 | 渡 孝則 佐賀大学理工学部助教授 |
100 |
廃棄物の再利用および環境浄化を目的とし、籾殻廃棄物からセラミックス多孔体を作製し、これを廃液処理用バイオリアクターへ適用する。本申請では、(1)籾殻中の有機物の燃焼発泡による気孔の形成、及び(2)籾殻中のSi02とAl粉末またはAl2O3粉末との反応による多孔体の高強度化をねらう。また、多孔体への硝化菌の付着量と気孔径との関係を調べ、最適気孔径を求める。さらに、多孔体の内表面を化学処理し、菌体の付着量の増加を試みる。 | ||
巨大磁気抵抗薄膜におけるスピン拡散長の測定 | 谷山 智康 東工大大学院総合理工学研究科助手 |
110 |
本研究は、巨大磁気抵抗効果を示す磁性多層薄膜の磁気抵抗特性をデザインするために必要な、スピン拡散長の測定方法を提案するものである。強磁性マンガン酸化物/希薄磁性合金薄膜を成膜・微細加工し、強磁性マンガン酸化物から希薄磁性合金に注入された偏極スピンが乱されるまでの距離の測定を行う。これによりこれまで間接的な測定手法により求めていたスピン拡散長をダイレクトに観測することができ、より高感度な磁気抵抗素子のデザインを可能にするものである。 | ||
結晶性リン酸ジルコニウムによる放射性セシウムの永久固定化技術の開発 | 中山 亨 新居浜工業高等専門学校助教授 |
100 |
本研究は、放射性廃棄物としてのセシウムの処理方法に関し、現在実用化されているガラス固化法で問題とされている、耐薬品と耐熱に欠けるために長期間の保管中にセシウムが浸出する危険性、及び、固定化量の少なさを解決するために、化学的及び熱的に安定で優れたイオン交換酸、アルカリ及び高温下での、その優特性を持つリン酸ジルコニウム系化合物の一つである三次元網目状構造を有する結晶質 HZr2(PO4)3にCSを安定に固定化する技術の開発と、れた耐浸出特性を実証するものである。 | ||
ガラスライクフォノン散乱を示す結晶半導体の合成および熱電変換材料としての応用 | 陳 立東 東北大学金属材料研究所助教授 |
110 |
高性能n型熱電変換材料を開発する目的で、M(Fe、Co)4(Te、Sb)12(M=Ba、Sr、Y、Zr等)をベースとした新しい充填スクッテルダイト化合物の探索を行う。スーパーコンピューティングを用いた分子動力学計算により、結晶質半導体の電子伝導を維持しながらガラスライクフォノン散乱を示すn型充填スクッテルダイトの最適な組成と構造の設計を行う。さらに、固相反応法と溶融法によるこれらの化合物の合成を試み、得られた化合物の電気的、熱的性質を明らかにすることによって、新しい高性能熱電変換材料を見出す。 | ||
FMS指向天井クレーンのリアルタイム搬送制御システムの開発 | 兼重 明弘 大島商船高等専門学校助教授 |
100 |
リアルタイムでの移動障害物の認識、回避と地上を移動する搬送車との協調作業が行える「FMS指向天井クレーンのリアルタイム搬送制御システムの開発」を行う。具体的には、まず、オフラインでCCDカメラとレーザーラインマーカーを用いることにより障害物の位置を認識し、スタート地点から目標地生成させるシステムの構築を行う。次に、オンラインでその経路に沿って、更に近接センサ、無線を利用し、固定障害物や搬送車などの移動障害物を正確に認識することで、搬送中の障害物回避や協調作業を行う搬送車への荷物の受け渡しを行い、しかも搬送中の荷物の振れや停止時の疲れ止めを考慮した制御系を構築する。開発したシステムによりシミュレーションと実験解析を通して、実操業を十分考慮したFMSに対応する天井クレーンシステムの開発を行う。 | ||
電子アクセプター機能を粒子表面に持つ半導体ナノ粒子を利用した高効率太陽電池の開発 | 鳥本 司 大阪大学大学院工学研究科助手 |
150 |
太陽光エネルギーを効果的に利用するための太陽電池作製のために、シリコンに変わり、半導体のエネルギー構造が自在に制御できる半導体ナノ粒子が期待されている。本研究では、電子アクセプター部位を持つチオール化合物により化学修飾することにより半導体ナノ粒子を安定化し、高効率な電荷分離を達成できる半導体ナノ粒子を作製する。さらに太陽電池を作製し、光起電力およびエネルギー変換効率と用いた半導体ナノ粒子の化学構造との関係を詳細に調べることにより高効率な太陽電池作製への指針を | ||
薄膜を利用したマイケルスケール温度場計測 | 宮崎 康次 九州工業大学工学部講師 |
160 |
最新のプロセッサに代表される微小領域の熱問題は深刻となっている。しかし光を用いた従来の手法ではマイクロスケールにおける熱計測は理論上不可能である。本研究では光を用いない薄膜を利用した手法を開発し微小領域の温度計測を行う。さらに薄膜型温度センサーは自身が持つ熱容量が非常に小さいため熱的応答性にも優れ、空間的時間的に分解能が高い温度センサーとなるため、乱流熱伝達現象で見られるような微細かつ変化の早い現象の計測など他の広い分野にも応用できる有効なセンサーとして期待できる。 | ||
Metal-on-Metal(Co-Cr-Mo合金)人工股関節の磁場による長寿命化 | 中西 義孝 大分大学工学部講師 |
160 |
近年、優れた低摩耗性が見直され臨床使用が増加しつつあるMetal-on- Metal(Co-Cr-Mo合金)人工股関節の更なる長寿命化技術の確立を行う。摩耗の進行を防止するには、摩擦により破壊された摺動面上の金属酸化膜を速やかに修復することが望ましい。低酸素濃度・関節液(体液・二次関節液)潤滑という特殊な生体内条件の中で、速やかな酸化膜形成を行うための手法として、骨頭(ボール)部に永久磁石を埋め込み、その磁場により金属と酸素の化学反応を活性化させることを試みる。 | ||
ソフトウェア無線環境における多重アクセス方式決定法に関する研究 | 原 晋介 大阪大学大学院工学研究科助教授 |
100 |
ユーザの要求条件(QoS)によって、多重アクセス方式をソフトウエアの形で無線基地局からダウンロードしてから通信を行うソフトウェア無線では、「伝搬路状態を考慮に入れながら、異なるQoSを持つ各ユーザに対して最適な多重アクセス方式を決定する方法」が問題となる。本研究では、マルチメディア無線通信システムを計算機上に実現し、いくつかの多重アクセス方式決定法を提案し、提案法を用いた場合のシステムのトラフィック特性を評価しながら、最適な多重アクセス方式決定法について議論する。 | ||
有機金属気相成長法(MOCVD)によるP型ZnO単結晶薄膜の成長 | 藤田 恭久 島根大学総合理工学部助教授 |
100 |
U‐VI族化合物半導体のZnOは励起子の結合エネルギーが大きく、この再結合を利用して非常に高効率な紫外線半導体レーザーの実現が期待される。しかし、ZnOではp型の伝導型制御が困難なことが実用化への障壁となっている。本研究では、申請者が低抵抗p型ZnSeの成長に成功した実績のある基板の光触媒効果を利用した光励起有機金属気相成長法(光MCVD)によりZnOの単結晶薄膜を成長し、窒素を不純物としてp型ZnOの成長を試み、紫外線半導体レーザー実現へのブレークスルーとする。 | ||
光により直接制御可能なベクトル乗算器とこれを用いた光インターコネクションの基礎研究 | 岡本 淳 北海道大学大学院工学研究科助教授 |
140 |
光インターコネクションにおけるコネクションパターンを「光によって直接制御」する新たな方式を提案する。本研究ではフォトリフラクティブ4光波混合を用いた非線形光学デバイスを中核に用い、インターコネクションを実現するための光ベクトル乗算器として、電子回路を用いない複数の新しい光学的デザインを提架する。光ATMにおける全光学的セルフルーティング機能の実現や大容量光伝送・スイッチングの基礎となる光画像の直接伝送およびインターコネクションについての基礎的な検討を行う。 | ||
有害性固体廃棄物の自己浄化型無害化処理 | 松田 仁樹 名大難処理人工物研究センター教授 |
100 |
固体廃棄物に含まれるハロゲン、硫黄などの有害元素は最終的に環境汚染ガスとして大気圏に分配され、重金属類は固体残渣に研究では、環境汚染防止と資源節約の観点から、廃棄物に含まれる化学元素同士を再結合化することによって無害化物質に変換、固定化するための技術を開発する。すなわち、本申請では「毒をもって毒を制する」的発想に基づく新規の廃棄物処理プロセスを開発し、究極的にはゼロエミッションを理念とする廃棄物処理技術の確立を目指す。 | ||
自律的手法による大型ミラー形状の機上超精密計測に関する基礎的研究 | 高 偉 東北大学大学院工学研究科助教授 |
100 |
本研究では、大型ミラー形状を超精密に測定するための自律的手法を提案する。この方法は複数の変位センサと角度センサの情報を組み合わせることによって、センサの限界精度でミラー形状を走査ステージの運動誤差から分離して測定することができる。それによって、工作機械上で、機械の精度より高い精度でミラー形状を測定することができる。なお、本研究では、この自律的測定法を実現する光学式センサを開発し、実際に研削加工機上での測定実験を行うことによって、提案の手法の有効性を確認する。 | ||
複雑系大域結合システムを用いた秘匿性に優れた通信システムの集積化に関する研究 | 白濱 弘幸 宇部工業高等専門学校助教授 |
150 |
カオス発生器(サプシステム)を星状に接続したシステムのカオス的協同現象を利用して秘匿性に優れた通信方式の提案・集積化を試みる。カオス的協同現象とは、サブシステムの出力がカオスであるにも関わらずシステム内において部分的な同期状態が存在し、その組み合わせがランダムに変化する現象である。本研究では、この同期状態を回路パラメータで制御し、所望の同期状態を得ようと試みる。提案の方式は、サプシステムの挙動がカオスであるので秘匿性が高く、かつインターネット等に直ちに応用できると考えられる。 | ||
現代制御理論を用いた相転移制御に関する基礎研究 | 石川 昌明 山口大学工学部教授 |
130 |
相転移現象は合金の相転移や超伝導相転移など工学の種々の分野においてしばしば観測され、その解析や制御は新素材開発やエネルギー技術革新に不可欠である。そこで、本研究では相転移現象の解析および制御システム構築に関する研究を行い、地球的規模の問題である環境問題、エネルギー問題解決のための基礎理論確立を目指す。 | ||
「循環型技術体系」による省資源・リサイクルの促進方法に関する研究 | 北村 寿宏 島根大学地域共同研究センター助教授 |
100 |
“資源、エネルギー、環境負荷の制約のもとで様々な製品を製造する”今後の工学における最大の課題に、総合的、全体的な視点から取組むために必要な考え方、指標、技術を明確にするための研究である。問題解決に必要な技術群を『循環型技術体系』と定義し、【1】『循環型技術体系』を明確にする【2】評価項目、評価方法を明らかにする【3】実業界との意見交換を通し、技術体系、評価手法を実用的なものとする【4】学界に『循環型技術体系』についての研究課題を整理して提示する、というステップで研究を行う。 | ||
液晶型自己組織性とフォトリフラクティブ効果:自己増殖現象を目指して | 佐々木 健夫 大分大学工学部助教授 |
150 |
液晶性高分子の等方相におけるフォトリフラクティヴ効果の研究を行う。フォトリフラクティヴ効果は、光信号の制御に非常に強力な特性を持っている。フォトリフラクティヴ効果とは、物質が光を吸収してその屈折率が変化する現象である。これは単純な現象ではなく、複数の物理現象が組み合わさって生じる現象である。従って、それぞれの物理現象を効果的に起こすために材料を構成する分子の状態を最適化する必要がある。最近、代表提案者らは、液晶性高分子の等方相がアモルファス高分子の6倍から10倍大きなフォトリフラクティヴ特性を示すことを見出した(J.Phys.Chem.B、103、1925(1999))。この結果は、液晶性高分子の等方相を用いれば高活性でなおかつ透明な材料が得られることを示している。さらに、液晶の等方相の性質についてはあまり研究がなされておらず、この研究を起点とした液晶科学の新たな展開が期待できる。 | ||
熱帯雨林の再生サイクルと地域開発計画の共存手法に関する研究 | 濱田 邦裕 広島大学工学部助手 |
100 |
広島大学では日本学術振興会のアジア学術交流事業の一環として、カリマンタンの河川輸送システムの開発を行なっているが、この開発は大規模な森林破壊に拍車をかける危険性を有する。本研究では、現地専門家と協力して、輸送インフラの開発と森林保護との両立を可能とする手法について検討する。具体的には、近代的および伝統的な森林利用の実態を明白にし、森林の再生の条件を明かにする。更に、伝統的手法と近代的思考との融合により、共生型住み分けモデルを提案する。 | ||
都市系有機廃棄物のローカルゼロエミッションシステムの構築に関する基礎研究 | 今岡 務 広島大学地域共同研究センター助教授 |
100 |
本研究では、主として学校や大規模店舗から出る生ごみ、食品製造工場の製造残滓および廃棄食品などの有機性廃築物を対象に家畜等への資源化を図り、地域的にそれらの廃棄物をゼロエミッション化するシステムを提示することを目的とする。資源化の方法としては凍結乾燥処理による飼料化に着目し、そのエネルギーとしてはLNG(液化天然ガス)基地において現在は廃棄されている−160℃の冷熱とコンポスト化施設等の余剰熱を活用するサーマルリサイクルで対応することを試みる。 | ||
熱応答性多孔質ゲルを用いた食品関連工業排水からの有機質回収プロセスの開発 | 迫原 修治 広島大学工学部教授 |
100 |
申請者らの開発した新規な熱応答性多孔質ゲルを用いて食品関連工業からの排水中に含まれるタンパク質、糖類などの有用成分を分離・回収するための新規な脱水プロセスを検討する。これらの排水は通常数万ppmの高濃度の有機物を含む難脱水性排水であり、通常の機械的脱水操作は困難である。また、脱水機にはスパイラルフィーダー型脱水機を用いて、このプロセスの実用化を検討する。提案する脱水プロセスは、プロセス廃熱を利用できることから省エネルギー的な脱水プロセスといえる。 | ||
有機分子ワイヤーの開発と機能探索 | 大坪 徹夫 広島大学工学部教授 |
100 |
機能性有機材料探索の一つのアプローチとして、最近、分子ワイヤ一型の有機パイ電子化合物が脚光を帯びている。本研究では、次世代の分子素子材料の開発を目指し、特に、熱安定性が高く、多彩な官能化が可能なチオフェンが共役した分子ワイヤ一の設計と創製研究を行う。さらに、その骨格に化学修飾を施すことによりセンサー機能や電子・エネルギー移動機能をもつ新規機能性化合物へと展開し、先端機能材料開発のブレークスルーを目指す。 | ||
秩序化した機能性分子膜のナノ電子物性評価と分子エレクトロニクスへの応用に関する研究 | 石田 謙司 京都大学大学院工学研究科助手 |
120 |
生物・植物内で活動してしいる分子デバイスが人工的に創成可能となれば、その集積度・機能性は革新的に向上する。本研究では分子デバイスへの応用展開を目標として、(1)有機分子の超薄膜化(2)機能性集団としての秩序化(3)配列度合いの精密評価(4)単一分子が有する光・電子機能検出(特に分子メモリーや分子内の導電機構)、などを最新かつ独創的な装置で実験していくと共に、シミュレーションによる理論的検証を相補的に実施し、分子工レクトロニクス創成に向けての先駆的研究を進める。 | ||
酸化鉄を利用した磁性半導体のスピンコントロール | 藤井 達生 岡山大学工学部助教授 |
120 |
磁性半導体の伝導電子は、従来の半導体にはないスピンという新しい自由度を持ち、磁気・電気・光の三者が融合した新しいデバイスへの応用が期待されている。本研究では、反強磁性絶縁体である酸化鉄(α-Fe2O3)のスピンフリップ転移に注目し、酸化鉄層とフェリ磁性半導体層の二層からなる交換結合膜を作製する。そして酸化鉄のスピンフリッブ転移を利用して、交換結合した磁性半導体層の伝導電子スピンを自由にコントロールすることを試み、磁性半導体のスピンコントロールの新規な方法を探る。 | ||
優先窒化処理によるMo系耐熱材料の強靭化に関する研究 −析出窒化物微粒子による結晶粒界移動のピン止め効果− | 長江 正寛 岡山大学大学院自然科学研究科助手 |
100 |
高融点金属であるMoは、核融合炉壁材などの超高温耐熱構造材料として有望視されているが、高温(900℃以上)での再結晶化(結晶粒の粗大化)による著しい脆化が大きな問題となっている。本研究では、超微細TiN粒子の分散によってMo材料表面部の再結晶化を抑制し、炭素添加による粒界強化をも施した、材料表面から内部へ向かって組織と強度特性を制御した二層構造を有する従来にない全く新しい高強度・高靭性Mo系複合材料の作製を目指す。 | ||
実時間頭部ジェスチャ認識による非言語ヒューマンコミュニケーションに関する研究 | 呉 海元 京都工芸繊維大学工芸学部助手 |
100 |
頭部ジェスチャを実時間で認識する研究である。まず、均等知覚色空間・ファジイ理論を用いて色彩画像から安定した頭部・肌・髪領域を抽出する。次に、CG技術より開発する三次元姿勢推定のアルゴリズムを用いて、その頭部の三次元姿勢を安定かつ高速に推定する。そして、入力画像系列と標準パターンとを連続DPによって照合し、時間的な分割を必要しない頭部ジェスチャの識別を行う。更に、主成分分析やクラスタ分析を導入することによって、頭部動作の頻度・幅を分析し、頭部ジェスチャの度合を認識する。 | ||
ジカルボン酸ビス(ペルフルオロイソプロペニル)のラジカル重付加反応による新規含フッ素高分子材料の創製 | 成田 正 埼玉工業大学工学部教授 |
100 |
ペルフルオロビニル化合物は重合しにくいモノマーであるが、当研究室では、この様な現実を打破するために、アニオン重合反応性を過去十数年にわたり検討し、十数種の新規高分子を世に送り出した。最近になって、従来は高分子合成原料とはとうてい考えられなかった化合物と、ペルフルオロイソプ口ぺニルエステルとで付加反応が進行することを見いだした。その新規反応の適用範囲の拡大を企図し、新しい含フッ素高分子物質の創製を目的とした研究の展開を行う。 | ||
新しい配位高分子錯体の設計・合成とその酸化還元を利用したスーパーキャパシタの開発 | 相楽 隆正 長崎大学工学部助教授 |
100 |
充放電材料としてのへミン−イミダゾール配位高分子錯体を新規に設計・合成し、その構造・物性と酸化還元挙動とを詳細に明らかにするとともに、酸化還元擬似容量を用いた薄膜型のキャパシタに応用することを目的とする。そのため、高分子錯体を合成して物性を詳しく評価した上、キャパシタを試作してその性能を評価する。その結果に基づき、自動車用スーパーキャパシタの開発に発展させることを狙いとする。特に、大きな充電容量、繰り返し使用耐性、低い内部抵抗損失、短時間に大電流を流す性能を重視する。 | ||
学習環境としてのインターネット | 稲葉 晶子 大阪大学産業科学研究所助手 |
100 |
本研究は、学習環境としてのインターネットの有用性に着目し、効果的な学習環境設計のためのガイドライン提供を目的とする。インターネットは、WWW、他者とのコミュニケンョンなど、個人的探究学習・協調学習の双方において有効に機能する学習環境である。しかし、学習を念頭においたWWWコンテンツや協調学習グループの構成手法については明確にされていない。関連学習理論は数多く、その全てを網羅し比較・検討することは困難である。本研究では、理論と実践との媒介物を提案し、学習目的に応じた環境設計を支援する。 | ||
仮想現実感を援用した自由形状物体に三次元有限要素モデル構築に関する基礎的研究 | 村瀬 晃平 近畿大学工学部助手 |
100 |
本研究の目的はバーチャルリアリティを援用し、三次元有限要素モデル構築に視覚、触覚など直感的な表現を持たせることにより、従来のモデル作成にかかる負担の軽減する手法を開発することである。自由曲線で構成され、複合的に構成される三次元構造物の有限要素解析においては、モデル構築の過程にもっとも労力を有する。工学的知識を有する熟練者のみならず、たとえば医師による患者への生体力学的なインフォームド・コンセントや症例にあわせた三次元有限要素モデル構築が容易になることが期待される。 | ||
小 計 31件 | 3,500 | |
特定課題−アジア地域高等教育支援 |
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研 究 題 目 および 研 究 概 要 | 研 究 代 表 者 (*役職は応募時) |
助成金額 (万円) |
広島大学とアジア諸国との研究・教育ネットワークの構築 | 茂里 一紘 広島大学 大学教育センター長 |
500 |
本研究では、従来から行なわれている広島大学とインドネシア・スラバヤ工科大学またはタイ・タマサート大学間の双方向交流を、さらに進めて我が国とタイ、インドネシアを含めたアジア3ケ国間のネットワーク交流に発展させることを目指している。すなわち、教官や学生を派遣し現地での高度な教育方法と教材開発についての経験の交流や共同研究に向けた環境づくりのための交流を推進し、さらには我が国の工学教育のアクレディテーションのため、日本で大学教育を受けたアジア諸国の技術者及び現地で働く日本人技術者の国際評価について現地調査を行う。これらによって、アジア諸国の研究、教育及び技術者研修の一層の発展に寄与することを目的とする。 | ||
小 計 1件 | 500 | |
合 計 32件 | 4,000 |