助成実績
青少年健全教育関係 研究助成
第18回(2002年度)マツダ研究助成一覧 −青少年健全育成関係−
研 究 題 目 および 研 究 概 要 | 研 究 代 表 者 (*役職は応募時) |
助成金額 (万円) |
「子ども達の認知発達とサブカルチャーの関係理解」を支援する保護者と教師のための自主研修プログラムの開発及び評価研究 | 小柳 和喜雄 奈良教育大学教育学部助教授 |
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子ども達のサブカルチャー(テレビゲームまんが、ベーブレードなどの対戦もの、など)が、子ども達の認知・精神的な発達にどのような影響を与えているか、様々な先行研究からすでにいくらか明らかにされている。しかし、子ども達が、サブカルチャーを楽しんでいるときに、保護者や教師がどのように関わっていったらいいのかは、現在、十分に調べられていない。つまり保護者や教師がかかわることで、サブカルチャーが子どもの認知発達に及ぼすマイナスの影響を抑制でき、プラス面を伸ばすことなどが十分に明らかにされていない。そこで、本研究は、先行研究の成果を十分に参考にしつつも、保護者と教師が、まず 1)子どもの達の現在構築しているサブカルチャーそれ自体を理解し、次に 2)そのサブカルチャーが子どもの達の認知発達にどのような影響をもっているかを理解し、最後に 3)どのように関わっていくことで、子ども達へのマイナス面の影響を抑制し、プラス面の影響を発展させていくことができるか、を学ぶための、自主研修プログラム(教材を含む)を開発することを目指す。そしてそのプログラムの効果を評価することを目指す。 本研究では、不登校児童生徒への援助について、今まで障害児教育の分野で用いられることの多かった「個別教育計画Individualized Education Program」の考えを取り入れ、それを用いた援助のあり方を模索する。そのために、学校、保護者、関係機関の連携による援助チームを作り、定期的な援助チーム会議を行うことで、【1】情報の収集と共有、【2】個別教育計画の作成と援助方針の決定、【3】援助の実施、【4】援助の成果の検証、【5】援助方針の修正、というプロセスを繰り返し、個別教育計画に基づいた援助の有効性を明らかにする。 | ||
ボランティア活動に対するネガティブ要因払拭の研究−学生ボランティア未経験者と社会のボランティアに対する意識調査を通じて− | 粟屋 仁美 比治山大学短期大学部講師 |
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社会が求める人材として、「自主性」や「創意工夫」「自己管理能力」などがキーワードとしてあげられる。ボランティア活動は市民による自発的、自主的、自立的活動であり、その社会的必要性やそれを行ったうえでの効果が叫ばれるようになって久しい。授業にボランティアを導入する学校も増え、時代の流れとして参加しやすい環境が整いつつある。しかしながら、ボランティア活動の希望者は半数であるという調査結果もある。そこで青少年健全育成を図るためにボランティア未経験者の意識や価値観を把握し、ボランティア経験者のそれと比較調査・分析し、どうすればボランティア活動に興味を持ち参加するか研究する。一方ビジネス教育においても「自己管理能力」に重点をおいており、ボランティア活動をする際に必要な資質と重なる部分が多い。アメリカの大学、企業では以前より、入試、採用時の選考基準としてボランティア活動の経験を重視している。日本社会のボランティア活動に対する意識の変化傾向を把握し、社会教育の場としてのボランティア活動の位置づけを研究する。新教育課程では教育課程内のクラブ活動が撤廃され、また教育課程外の部活動を地域の活動と連携/移行させる動きがみられる。これは、それらの活動が学校で行なわれなくなるにとどまらず、教師-生徒関係の一場面がなくなることになり、生活指導や進路指導のあり方にも大きな変化をもたらすと考えられる。本研究では、今後の中学校の教師-生徒関係のあり方を模索するために、生徒対象のアンケートと教師のインタビューから、クラブ活動/部活動における顧問-生徒関係の現状を社会学的に把握することを目的とする。 | ||
中学生を対象とした「保育体験プログラム」の作成と評価に関する実践的研究 | 七木田 敦 広島大学大学院教育学研究科助教授 |
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本研究は、近年少子化への対応策として高校で取り組まれている「保育体験」に関して、より早期の中学生から体系的に実施するプログラムを作成することを目的とする。またその際、従来の学校主導ではなく、保育現場の側から、将来の親となる生徒に期待する育児意識や知識を提供するという保育主導プログラムを作成する。加えて、これまで体験の場は幼稚園、保育所が主であったが、近年地域の育児支援の重要な場となっている「子育て支援センター」も、体験の場として検討する。子育て支援センターは、家庭で育児する親とその子どもが利用する施設であり、単に乳幼児のみと触れ合うだけでなく、生徒とは比較的世代の近い親と関わりあうことで、より育児に対する親近感や、育児ストレスなどの問題と直面することができ、保育体験としても大変意義深いものと考えられる。本研究では、事前指導にて、ビデオ教材を対象園に用いて作成する、また事前/事後指導において乳幼児への関心や育児意識などのアンケートの結果を比較検討するなど、保育体験の体系的プログラムを図るものであり、これまで、単に子どもと触れ合うのみで終わっていた保育体験の意義と必要性を根本的に検討しなおすものであるといえよう。本研究の成果は、日本保育学会他、広く関連学会において発表する。最近子どもたちの様々な問題が発生しているなかで、家庭教育、学校教育、社会教育のバランスの必要性を考え、職場職域の枠を越えて小中高校教師、社会教育関係者、ボランティア実践者など子どもに関心がある関係者が集い、研究会を行っているところである。昨年貴財団からの助成を受け、子どもの感動について調査研究を行い、地域活動や自然体験などと子どもの感動についての関連性が明らかになったが、今年度は、さらに詳細なデータを収集し、子どもの性格や家庭環境などとの関連性についても調査研究を行うものである。 | ||
サタデースクールにおける子どものプロジェクト学習と学びのコミュニティづくり−NPO法人ニュースクール・センターの実践生成過程を事例にして− | 山住 勝広 関西大学文学部助教授 |
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学校週5日制を受け、小学生から高校生までが土曜日を有意義に過ごすことができる学習活動について、プロジェクト学習の開発・実践と学びのコミュニティづくりに取り込むことによって実践的に探究することを目的とする。NPO(非営利組織)法人によるサタデースクールの実践を対象に、子どもたちのプロジェクト学習を開発・実践する。本研究を通して、学校でも塾でもない、子どもたちの自発・創造の力を育む「第三の学びの場」をつくり、地域に新しい学びのコミュニティをつくる実践の生成過程を明らかにしたい。 | ||
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