助成実績

青少年健全教育関係 市民活動支援

2007年度市民活動支援【詳細】

活動名  団体名 特定非営利活動法人ひろしま自然学校
里山における食育事業「こむぎプロジェクト」 地域 広島県広島市
代表者 代表理事 志賀 誠治
支援金額 38万円
活動概要
本事業は、当法人の職員・ボランティアスタッフが、広島県内の青少年(家族連れ)に、郊外の里山(北広島町今吉田地区)の休耕田を活用し、小麦を素材に「植え付け→収穫→消費」といった一連の行事を体験することで、青少年に対して地産地消や食育の概念を伝え、自然とのふれあいを提供することを目的に実施した。
実施時期:
2007年4月〜2008年2月
北広島町今吉田地区の里山と休耕田
参加人員:
7月7日(土)第1回「こむぎプロジェクト〜収穫・天日乾燥〜」:20名
7月24日(火)収穫小麦の脱穀作業
9月17日(月・祝)第2回「こむぎプロジェクト〜収穫小麦でパンづくり〜」:16名
11月11日(日)第3回「こむぎプロジェクト〜種まき〜」:15名
2008年1月26日(土)第4回「こむぎプロジェクト〜麦踏み&麦カルタ〜」:10名
2月17日(日)第5回「こむぎプロジェクト〜麦踏み〜」:11名
※計画当初は全6回開催予定であったが、小麦の収穫時期の遅れにより、第2回に 予定していた「こむぎプロジェクト〜収穫小麦の脱穀〜」は当法人スタッフとボランティア により実施した。
総参加人数 72名
小麦の収穫 収穫小麦の臼挽き
《小麦の収穫》 《収穫小麦の臼挽き》
収穫小麦でパンづくり 小麦の種蒔き
《収穫小麦でパンづくり》 《小麦の種蒔き》
活動が関連する団体等、地域社会等に与えた影響 
本事業では当法人職員のみならず、対象分野に関する専門的知識のある一般市民グループや社会人のサポートスタッフが関わることにより、効果的なプログラムの提供や、青少年と様々な属性の大人との交流を実現することができました。今後もこのようなサポートスタッフのさらなる発掘、育成、連携を続けて、地産地消や食育、自然とのふれあい活動を発展させていきたいです。
地域社会においては、担い手の高齢化によって管理の行き届かなくなった里山や休耕田を、生産機能のみでない活用方法として、自然と人、人と人がつながる体験活動や学び(食育)の場として活かすことができました。
苦労した点
小麦の成長不良からプログラムのスケジュールと収穫量に影響を受けました。地元地域の理解を得て借りていた休耕田ですが、小麦の耕作にあまり適していなかった(水はけが悪かった)ことから、他の地域の小麦より成長が遅く、予定していた収穫時期に収穫できなかったため、プログラムのスケジュール変更を余儀なくされました。また、それらが影響して予想していたよりも収穫量が少なくなってしまいました。1年目からうまくいくはずはないと専門家の助言をいただきながら、わずかな収穫でしたが、参加者と収穫の喜びをわかちあいました。そしてその後、収穫した小麦からパンを作ることができました。
今後の課題・発展の方向性
本事業の前半では小麦の収穫を行い、後半は小麦づくりをスタートしました。前半に使用していた休耕田が小麦の耕作に適していなかったため、後半の小麦の種まきでは、地元地域の理解のもと、小麦の耕作に適していると思われる休耕田に変更して実施しました。その結果、事業終了間際のプログラム(麦踏み)実施時には、昨年度よりも小麦の成長が順調であることが確認できました。 
プログラム内容においては、小麦づくりと育てた小麦からパンを作ることに焦点をあて、地産地消や食育の概念を伝えてきました。その結果、参加者には食の大切さや、農と食のつながりを理解してもらうことができました。しかし、現在の食問題は複雑化し、地球環境問題にまで影響を及ぼしています。そこで、これまで実施してきた小麦づくりや育てた小麦からパンを作るプログラムに加えて、食における生産、加工、流通、消費のつながりや、食が及ぼしている地球環境問題への影響を体験的に学習する活動を展開していきたいと思います。そして、それらの活動を通じて、地産地消や食育の概念を伝え、食を通じたエコロジカルなライフスタイルを提案していきたいです。
活動を終えての感想・意見等
本事業を通じて、参加者の方や関係者に食の大切さや、農と食のつながりの理解と関心を深めてもらうことができました。しかし、その中で、自然と人との付き合いの難しさを改めて感じさせられました。自然の営みに寄り添って事業を進めていく中で、思い通りにプログラムを実施できないことがありましたが、それらを含めて参加者と共に、食を通じた自然と人のつながりを考える場を持つことができました。現在、食問題は複雑化して地球環境問題にまで影響を及ぼしており、その対応は急務となっています。本事業で得た成果や課題を活かすべく、今後も事業を発展・継続させていき、地産地消や食育の大切さを伝えていきたいと思います。 

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