助成実績
青少年健全教育関係 市民活動支援
2007年度市民活動支援【詳細】
活動名 | 団体名 | 特定非営利活動法人こどもとともに山口県の文化を育てる会「心をかたちに」 〜子どもたちの粘土の未来〜実行委員会 |
築窯ワークショップ | 地域 | 山口県山口市 |
代表者 | 理事長・実行委員長 山田 宏 | |
支援金額 | 30万円 | |
活動概要 | ||
2008年1月26日〜1月27日に、弥生時代に行われていた土器を焼き固める、「覆い焼き」と呼ばれる野焼きの技法を体験するワークショップを実施した。 このワークショップでは、山口県内の特別支援学校の教諭及び山口大学教育学部の学生たちが授業の一環として参加し、窯の役割や築窯の意味を考えることも目的とした。このような弥生土器の焼き方は 山口大学埋蔵文化財資料館の方々に指導していただいた。粘土の形成については山口県内の特別支援学校の生徒たちが行った。このワークショップの結果報告として、2008年9月8日〜9月19日まで山口県庁舎のロビー・スペースにて、焼成された陶土作品とワークショップの様子を写真や動画などを交えて展示し広く県民に見ていただく機会を作る予定である。この土器を焼き固める、「覆い焼き」と呼ばれる野焼き体験ワークショップをとおして、窯の役割や築窯の意味を再度考える機会にし、われわれが築窯を進めるための、ひとつのステップとしていきたい。 |
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実施時期: 2008年1月26日〜1月27日 山口県防府市 養護老人ホーム「やはず苑」敷地内 |
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参加人員: 実行委員長1名、副実行委員長1名、アートディレクター1名、コーディネーター1名、 講師3名・山口大学教育学部 36名、山口県内特別支援学校 教諭 5名、スタッフ6名 ※二日間合計延べ人数 84人 |
《火起こし》 | 《作品並べ》 |
《赤土覆い》 | 《築窯ワークショップ全景》 |
活動が関連する団体等、地域社会等に与えた影響 |
・築窯ワークショップ事業の継続は、県内特別支援学校の児童生徒及び教諭に対して、強い心の支えとなっている。 ・また、これらの作品を展示する機会を作ることにより、ハンディキャップを持つ子どもたちの感性や造形による表現力を、広く県民の皆さんに披露することができる。 ・山口大学埋蔵文化財資料館では、ホームページに、新たな項目として「地域連携」が作られ、この事業が、トップ記事で紹介されている。 ・山口大学教育学部の学生に、弥生時代の技法と考えられている、「覆い焼き」を体験する機会を与えることができ、また特別支援学校の児童生徒の作品にふれる機会となったことは、将来の教育界を担う人材に、良い刺激を与えることになったと考えられる。 ・今回、野焼きを実施する場所を提供して戴いた養護老人ホーム「やはず苑」、周辺の自治会等に対して、当会の活動を紹介することができ、今回の事業に伴う、煙害等に対してご理解とご了承を戴くことができた。実施した地域において、心をかたちに〜子どもたちの粘土の未来〜事業を、周知する機会とすることができた。 |
苦労した点 |
・心をかたちに〜子どもたちの粘土の未来〜事業が、築窯ワークショップとして継続されたが、窯をつくる候補地であったところから、築窯に協力いただけないこととなり、代わりの予定地を探すことになった。さらに、当初予定していた他からの資金供給が困難となったため、事業内容を変更することとなった。 ・また、事務局長の体調不良により、事務作業の進行が遅れるなど、事業実施に向けて困難な状況となったが、山口大学埋蔵文化財資料館に共催していただき、さらに新たな有志の参加により、新たな目標を展開することができる事業に発展させることができた。 ・しかし、時期的な問題や、事務作業の遅れなどにより、参加校を地域の小中学校にも広げることが、できなかった。そのような中で、特別支援学校の5校から参加の意向が届き、児童生徒の皆さんの造形作品を創作していただいたことは、大いなる喜びであった。 ・地域の皆さまに、ご理解とご了承を戴くために足を運んだことは、当会の事業の紹介にも繋がるため、決して苦労とは思わなかったが、地域の方々に快くご協力をいただけたことは、この上ない喜びであった。これも、マツダ財団からご支援を戴いているということが、免罪符として、その効果がいかに大きなものであるかを、強く感じた次第である。 |
今後の課題・発展の方向性 |
・心をかたちに〜子どもたちの粘土の未来〜事業を、今回、築窯ワークショップ 〜野焼き体験・古代人に挑戦〜事業として、実施することができた。今回の、野焼きで作ることができた造形作品を、広く県民に見ていただく機会として、県庁ロビーで作品展を開催する企画を立てている。 ・心をかたちに〜子どもたちの粘土の未来〜事業は、県内のすべての特別支援学校の児童生徒の作品を一同に集め、作品展示を通して、一般市民や学校間の交流の場を提供するものであり、今後も何らかの形で、継続発展させるべき事業として、関係者に理解されてきている。今回の事業はその一環としての意味を持つとともに、野焼き(覆い焼き)技法という、あらたな手法を紹介する場となったことは、今後の発展につながる事業としての意味も持つこととなった。 ・また、今回実施した「覆い焼き」という技法は、弥生土器の焼成に使われた方法と考えられているが、その土器の焼成技法そのものも展示し、広く県民に知っていただく価値のあるものと考えられるため、県庁ロビーにおける作品展では、その実現にも努力する予定である。 ・築窯については、資金、設置場所や維持管理の問題について、解決策が見いだされていない。しかし、今回のような粘土による造形作品の焼成方法でも、作品を仕上げられることがわかり、築窯にこだわるよりも、心をかたちに〜子どもたちの粘土の未来〜事業を、継続していくことで、特別支援学校の児童生徒や美術担当教諭に、スポットライトを当て続けることが大切であることを実感することができた。このことは、今後の当会の事業計画にも大きな影響を与えることになったと考えられる。 |
活動を終えての感想・意見等 |
今回の事業は、屋外で2日間に渡って行ったが、天候にも恵まれた。資金面でのご支援により、次々と人のつながりが広がり、また、日々多忙な中を参加していただいた方々は、窯から立ち上る煙を見続けることにより、充実した時間を過ごすことができたと言われた。 マツダ財団のご支援が基盤となり、新たな展開が生まれる兆しを感じることができた。 |