活動が関連する団体等、地域社会等に与えた影響 |
今回の事業を実施したことにより、合併によって衰退するPTA活動に目標を持たせ、町内5小中学校の連携が以前にも増して密になった。また、毎年盆に開催している夏祭りの灯篭に南アフリカの子どもたちにメッセージを入れてほしいとの申し入れがあるなど、商工会・市役所吉舎支所を中心とした新たな提案・協力もありコンサート1日だけでなく町内の活性化の一助となるとともに青少年の健全育成・平和の創造という当初の目的を広く理解していただけたと考える。
合併によって沈んでいた地域に活気を呼び込むことができた。「吉舎町でこれほど大規模なコンサートは初めて」「楽しかったので、また企画して欲しい」という声をよく聞かせていただいた。また、このコンサートのステージを参考に運動会の新しい種目を企画する学校もあり、町民こぞって楽しんでいただけたと思う。また、隣接する町に住む南アフリカの女性がコンサートに参加して、同じ故郷の子どもたちと新しい交友が生まれるなどエピソードもあり、平和の輪の広がりを感じた。さらに近隣の町から「自分達でコンサートを開きたいのでやり方を教えて欲しい」と高校生とその保護者からの連絡もあり町内に止まらず地域に刺激を与える事業となったことを喜んでいる。内部的には、町民会議への参加を申し出てくださる方があったり、ホスト・ファミリーを受けてくださった家庭がこの事業をきっかけに仲良くなり交流が始まり、新しいネットワークが生まれていることにこれからの希望を感じる。最後に広島県北地域のイベント情報を流しているインターネットのサイトからの取材も受け、ウェルカム・パーティーとコンサート両日の様子が流されたことも、多くの人に”吉舎町”を広く知ってもらえるよい機会になった。≪ジョイ*ネット http://Joynet.Jp/≫ |
苦労した点 |
今回は、市町村合併の影響をもろに受け、行政からの補助金がいくら受けられるのか、公共施設の利用に負担金が必要となるのか等まったく手探りのなかからのスタートだった。また、かじ取り役の事務局長が町職員だったため市町村合併で吉舎町を離れて勤務することになり組織内部の連絡体制に不安を残したまま事業に着手した。外部へのPRも事務局長の人的ネットワークに頼る部分が多く、もっと組織的な動きが出来るよう組織を変えていく必要を感じた。また、ホスト・ファミリーの募集に当たって”アフリカの人は怖い”という偏見を意外に子どもたちが持っていることが分かり、期限までに予定世帯数の応募がなく、理解してもらうために慌てて資料を作成した一幕もあった。さまざまな役割を各PTAに割り振ったが、その連絡がうまくいってない組織がみられたことも苦労したことの一つである。最後に、各学校や公民館の機材を集めて何とか事業を終えたが、マイク設備をはじめ機材不足で会場のセッティングも開演3時間前に完了し、急いでリハーサルを行なったという具合で事業を実施するうえで大きな障害だったと思う。会場設営を担当した吉舎中PTA・ボランティア(町内でバンド活動をしているグループ)の皆さんに感謝したい。 |
今後の課題・発展の方向性 |
今回は幸いにも多くの方や団体・機関の支援をいただき事業は成功したが、毎年同様に成功するとは限らない。まず予算面の不安がある。新三次市からの補助金は毎年6万円に落ち着いたが、今回のような催しを毎年行なうとすれば明らかに予算不足である。また資金不足を補うために入場料をいただくとすれば、それなりのクオリティーは保たなければならないが、企画し実践できる人材、青少年の育成に情熱を傾ける人材の発掘(組織のシンクタンク)も必要となる。常時、サポーターの募集を広報し活動を広く知ってもらうことからはじめなくてはならない。また、町民会議の会員は働き盛りの保護者が多く、昼間の活動が制限されるため大きな事業を展開する場合のネックになる。今回の催しに参加された方は皆満足し、次回に期待を寄せる意見も多数聞いているので今後も町民がこぞって参加できる催しを通じて、町ぐるみで青少年の健全育成に取り組める環境を育てていきたい。なお、このような事業は町民会議の活動の一部分であり、広報啓発部の機関紙発行・環境整備部の調査・研究活動といった地味な取り組みの成果を掬い上げながら各部の活動が円滑に循環していくような配慮が必要であると考える。 |
活動を終えての感想・意見等 |
吉舎町で初めての大きな国際交流事業を好評の裡に終えることが出来て、組織の大きな自信となりました。三次市の本部より立派な事業を一構成団体がやりおおせたことに興奮がさめません。また、広島市など沿岸部から来場いただいた方もあり、吉舎町の町おこしにもなったことを嬉しく思います。早くにマツダ財団の支援が決定し、外部から評価をいただいたことも会員のやる気に繋がったように思います。本当にありがとうございました。 |