財団ニュース

2011年(平成23年)


2011年12月6日号

(続報) 第30回記念マツダ財団講演会 姜尚中氏「『悩む力』とこれからの日本」を開催しました!(11/22)


マツダ財団(理事長 山内 孝)は、毎年恒例となっているマツダ財団講演会を行いました。
姜尚中氏(東京大学大学院教授)をお迎えし、「『悩む力』とこれからの日本」と題して、11月22日に広島国際会議場にて開催しました。
会場は1,350名のお客様でいっぱいになりました。

姜先生は、本年3月11日に発生した東日本大震災、ご自身が何度も訪問された被災地の様子に始まり、日本の未来についての様々な思いを語っていかれました。
大自然の前に見せつけられた無力感、無常観に、我々はどう対応していくのか…。

姜先生は、いくつかの提案をされました。

まず個人としての生き方。
この混迷の時代を「昆虫のように生きてはどうか。昆虫は過去の記憶がない、未来も想わない。ただ、今、ここを、懸命に生きているのだ」と問いかけられました。

さらに、社会全体としてこれからの日本をどうしていくのか。
日本の良さ、他には代替不可能な日本の良さはどこにあるのかを、しっかりと見極めよう。多様かつ豊かな地域の力を見直そう。これからの日本は、強みである「地方の文化の多様性と豊かさ」を維持しつつ世界に打って出よ、そのためには地方が核となって世界と対峙していく必要があるのだと説かれました。

最後に若い人たちへ「古典を読もう。混迷の中、正統があってこそ、不透明なこの時代に、しっかりとした座標軸を据えて対応できるのだ」と激励されました。

長身の姜先生は、壇上から聴衆へ熱心に語りかけてくださり、クールな姜先生のお声も、講演が進むに従って次第に熱を帯びてきました。
聴講の皆さんからは「これからの人生の指針となった」「勇気が涌いてきた」等のお声を多数頂きました。

マツダ財団のYouTubeサイトでも、当日の会場やバックステージの様子をほんの少しですがお伝えしていますので、あわせてご覧ください。

マツダ財団は、今後も地域の皆様とともに青少年の育成と科学技術の振興に取り組んで参ります。

姜尚中先生の講演。幕末維新、宗教、世界経済…等々、本当に多彩な切り口で語られるお話の一つ一つが、「これからの日本を考えよう」というテーマへと、編み上げられていきます


会場は熱心な聴講者でいっぱいになりました


クールな姜先生のお声も次第に熱を帯びてきて…


壇上から聴衆へ語りかけてくださいました

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