財団ニュース

2010年(平成22年)

2010年12月15日号

科学わくわくプロジェクト「サイエンスレクチャー 尾道」
「砂から探る海の生態〜標本づくりを通して学ぶ生物の多様性〜」を開催しました。(12/12)

 「サイエンスレクチャー」は、マツダ財団と広島大学が連携して青少年の健全育成と 科学技術の振興を目指して 実施している「科学わくわくプロジェクト」 の事業の一つです。
 大学の先生が最新の科学や技術を、工夫された映像や説明機材 などを使って分りやすく紹介し、 中学生に対して 科学する心を育てる動機づけを目指しています。

 今年度の第2回目は12月12日、初めての試みとして、尾道で開催しました。尾道駅前の テアトルシェルネにおいて中学生を中心に25名の参加を得て、 「砂から探る海の生態〜 標本づくりを通して学ぶ生物の多様性〜」というテーマで開催しました。

 広島大学大学院教育学研究科 富川 光 講師が、実際に山陰の海岸で採取した砂を使って、 一見すると生物の気配も無い砂に、よく見ると沢山の生物の遺骸がある、と、資料を使いながら 「有孔虫」「微小貝」「ウニの棘」等の説明がありました。他に、リンネが確立した、 生物につけられている世界共通の学名についての説明等、興味深い説明もありました。

 子どもたちは、先生の説明を聞きながらも、目の前に置かれた、一人一台の精密な双眼実体顕微鏡が 気になって仕方ない様子で、「では、実際に探してみましょう。」という富川先生の声で、 熱心に顕微鏡を覗いていました。

  顕微鏡の中の、初めて見る鮮やかな世界の探索に、目を輝かせて沢山の生物を見つけ出し、 器用な手つきでプレパラート標本づくりを楽しんでいました。事前の説明に無かったものを 見つけて先生に聞きにいく等、自然に積極的な行動になっていたようです。

  講義の終わりに、先生から、「珍しいウニの殻を欲しい人には差し上げます。」との言葉に、 沢山の子どもたちが先生の周りに集まり、歓声を上げていました。

  自然を材料に、知らないうちに高度な内容への興味を持ったイベントでした。 これをきっかけに、科学するこころを育てて欲しいと願っています。


 「わくプロ」につきましては、当財団のホームページや 「わくプロ」ホームページなどで、募集のお知らせや、活動の模様をご紹介していきます。



今回初めての尾道会場、『テアトルシェルネ尾道』
−尾道駅のすぐ前でアクセス至便



25人の小中学生に先生含めて7名のスタッフと
充実した機器・材料、という贅沢な環境



富川先生(白衣の方)の講義のあと、
顕微鏡に集中する生徒達



講義の資料を見ながら砂の中から生物の遺骸を採取。
それをプレパラート標本に。
完成した標本は、記念のお土産!

一覧へ戻る