財団ニュース

2009年(平成21年)

2009年11月18日号

マツダ財団設立25周年記念 第28回講演会 茂木健一郎氏「脳を育てる習慣」を開催しました。(11/16)


 マツダ財団では、青少年健全の育成や科学技術の振興にかかわる講演会を、地元広島の地で、年1回開催しています。

 去る11月16日(月)、脳科学者でソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーの 茂木 健一郎さんを広島国際会議場にお迎えして、マツダ財団 第28回講演会「脳を育てる習慣」を開催しました。

 当初は、フェニックスホールのみでの開催を予定しておりましたが、聴講のお申し込みが 会場定員を大きく上回る5,000名超となり、急遽、中継映像で聴講いただく第2会場(ダリア)も 準備いたしました。それでも、半数の方々には聴講をあきらめていただかなくてはならない状況でございました。あらためて、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 さて、当日は冬の到来を思わせる寒さでしたが、おかげさまでフェニックスホール・ダリアの両会場は、 計2,000名ものお客様でいっぱいになりました。

 茂木さんは、
「脳を健康に育てるためには、不確実なことを恐れることなく受け入れ、むしろそこにある試行錯誤による学びを楽しもう!」
「子どもたちが不確実なことに立ち向かい、成長するためには、やはり何らかの確実性、支えが必要です。 だから、いつも見守ってあげる、成功したときには褒めてあげる… そんな”安全基地(英 心理学者 ジョン・ボールビー)”を大人たちが与えてあげることが大切なんです」
「ドーパミンが出るような喜びの体験は、強く脳に記憶されます。だから、褒めて育てることが大切だし、 良いことをしたらその場ですぐに褒めてあげましょう」
「アンチエージングのためには、細かいこと、特に指先を使う台所仕事のようなことを続けて、 脳の回路を鍛えることが有効ですから、男性方もぜひ積極的に家事を手伝いましょう(笑)」
といった、最新の脳科学の理論から、誰もがすぐに実践できる「脳を育てる習慣」まで、 豊富な事例を交えてわかりやすく話して下さいました。

 最後の10分間は、茂木さんならではの「質疑応答」で、会場との一体感が一層アップ!会場からは、勢いよく手が挙がりました。

 「茂木さんご自身が実践されているアンチエイジングの習慣、そして、ご自身にとっての安全基地とは何でしょうか?」 との質問に茂木さんは、
 「アンチエイジングでは、ぼくも、普段は使わない左手で絵を描いたり、ノートに夏目漱石の『吾輩は猫である』を書き写したりしています。 ぼく自身にとっての安全基地は、人とのつながりかなぁ。気の合う友人、かけがえのない人を見つけるって、とっても大事なことだよね!」 など、いくつもの質問に、丁寧に、誠意あふれる回答をいただきました。
 聴講された皆さまの感想には、
 「脳の育て方など、今まで知らなかったことを、わかりやすくお話いただき、とても楽しかった!」
 「日々の生活の中で脳を活性化させることは、たくさんあるんだなと感じた」
 「生きることにわくわく感をより感じられるようになった」
などのお声も多数!
 特に、茂木さんの飾り気のないお人柄や、講演終了後に、第2会場のダリアまで走ってみなさんに挨拶をしてくださった優しさには、 グッときた方も多かったようでした。

 今回の講演が、日々の皆さまの生活の中で活かされたり、周りの方に拡がってゆけば、ステキですね!

 マツダ財団の講演会は、1984年の財団設立以来、さまざまな分野の講師をお迎えしてきました。 (講演会一覧) 今後も、生きることや子育て、教育、科学などについて、地域・社会の皆様とともに考えて参りたいと思います。


脳の育て方から、子育て、生き方、
アンチエイジングへと…豊富な話題で
あっという間の1時間半でした。



フェニックスホールを埋め尽くす
聴講の皆さま。第2会場の
ダリアもいっぱいでした。



「キミ、お名前何とおっしゃるのかな」
一つひとつ、心をこめて回答してくださいました

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