助成実績

科学技術関係 研究助成

第16回(2000年度)マツダ研究助成一覧 −科学技術振興関係−

研 究 題 目 および 研 究 概 要 研 究 代 表 者
(*役職は応募時)
助成金額
(万円)
高速度中性子画像と散乱高速中性子画像よりの気液二相流三次元画像の再構築 内村 圭一
熊本大学工学部教授
100
申請者らは可視光では観測不可能な金属管内の混相流の熱流動特性を計測するために、中性子ラジオグラフィ技術の高度化のための開発研究を行っている。本申請では超高速時間分解能中性子ラジオグラフィを用いた可視可画像を画像処理することによって、金属管内混相流の3次元画像を再構築する。これにより熱流動特性の新たな一面が見えてくるものと思われる。なお、インターネットを用いた計算機による実験環境の整備を行い、作業の効率化も図る。
液面振動抑制を考慮した自律移動型搬送車による液体タンク搬送のインテリジェントコントロール 濱口 雅史
徳山工業高等専門学校助教授
100
障害物や作業者を自動回避しながら工場敷地内を移動し、原料などが入った液体タンクを自律移動型搬送車で搬送することを考える。既知障害物を回避する搬送経路を探索する際、経路評価に搬送距離のみならず液面振動の振幅をも考慮する。これにより、搬送液体の溢流や空気の巻き込みによる品質低下を防止することができる。搬送中に未知障害物に遭遇した場合には、単に障害物を回避するのではなく、液面振動抑制を考慮した回避運動をさせる。搬送車同士の衝突回避には、行動情報を相互通信して効率的な回避行動を行う。
新規ハイブリッド化バイオポリマーの創製 宇山 浩
京都大学大学院工学研究科 助教授
100
バイオマスの有効利用を目的に、バイオポリマーからの実用的高分子素材の創出を目指す。酵素及び酵素関連触媒を用いる酸化カップリングを利用し、セルロース、リグニン、タンパク質間の革新的ハイブリッド化手法を開発し、高性能高分子材料へ導く。セルロース−リグニンハイブリッド(人工木質ポリマーには、「木」の特徴を有する軽量構造材料等への応用が考えられる。タンパク質−リグニンハイブリッドには材料用途のみならず、タンパク質の持つ生体適合性機能を活かした多様な用途展開を図る。
同種基板上に作成されたZnTe系半導体量子ドットの物性探査と新型発光素子の開発 小林 正和
早稲田大学各務記念材料技術
研究所教授
100
ZeTeを中心とした、ワイドギャップ半導体材料の量子ドットを、従来の技術では困難であった同種基板上に作成する。そして、同種基板上に作成された量子ドットの成長機構や光学的特性の評価を行う。歪みや欠陥などの影響により異種基板上では実現できなかった量子ドットの構造制御を、歪みや欠陥の影響を無視できると期待される同種基板上で実現する。さらには、絶縁色を主眼とした新機能発光素子構造を作製し、その特性を評価する。
新規超巨大等方性磁歪材料の開発 藤田 麻哉
東北大学大学院工学研究科助手
120
磁場印加により巨大な体積変化を伴う特異な磁気相転移を示す金属間化合物に着目し、水素吸収による物性制御を手段として、新たなメカニズムに基づく超巨大等方性磁歪材料の開発を目指す。具体的に対象とする材料は、La(Fe0.88Si0.12)13化合物であり、本化合物は室温より100℃ほど低温域で磁場印加により磁気転移に伴い約1.5%の等方的体積膨張を示す。この巨大磁気体積効果を磁歪材料として応用するため、水素吸収により磁気転移温度を制御して室温にまで上昇させ、良好な磁歪特性を得る。
ナノスケール加工をめざした超小型の汎用電子ビーム入射型多価イオン源の開発 日下部 俊男
近畿大学理工学部助教授
100
多価イオンと物質の相互作用に関する基礎研究に最適で、しかもナノ・アトムテクノロジーとしての微細加工などにも応用可能な、また如何なる小規模の研究施設でも使用できるような、小型で簡便な汎用多価イオン源を開発する。イオン源の方式は、これまでの予備的な研究結果から、1個のリング状強力永久磁石を使用した小型で小電力の電子ビーム入射型多価イオン源(micro-EBIS)を更に発展させる。また磁場を用いず電場のみの収束による究極の超小型EBISの開発も試みる。
第3世代シンクロトロン放射光源を利用した新しいX線磁気散乱技術の開発と薄膜表面・界面ナノ磁気構造の解析 橋爪 弘雄
奈良先端科学技術大学院大学
物質創成科学研究科教授
120
第3世代光源から得られるシンクロトロン放射とX線磁気散乱の優れた特性に着目し、金属薄膜の磁気構造を原子レベルで解析する新しい実験技術を開発する。共鳴散乱を利用した磁気散乱の増強、円偏光X線ヘリシティ・フリップによる磁気信号の分離、微少入射角配置における侵入深さ制御を活用する。高密度磁気記録、センサーなどの先端薄膜磁性材料開発の基礎となる希土類多層膜のヘテロ界面磁気構造、スプリング磁性、強磁性層に挟まれた反強磁性層の磁気構造と磁気結合を研究し、従来は不可能であった微細構造を明らかにする。
組込機器向け省資源プロセッサ/目的コードコジェネレータの実装 中西 恒夫
奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科助手
120
カーナビゲーションシステム、オーディオシステム、携帯電話、白物家電、機械制御システム等の出荷後にはプログラム変更のない組込機器を対象に、アプリケーションに応じて最適化された省メモリ型命令セットを有する省電力/省ゲート数マイクロプロセッサをVHDL等ハードウェア記述言語の形で自動生成し、また自動生成されたマイクロプロセッサ用の目的コードを同時に生成する、省資源プロセッサ/目的コードコジェネレータを実装する。
シリコンカーバイド表面の原子スケール解析とサーファクタントによる新機能開拓 内藤 正路
九州工業大学工学部助手
130
本研究は、半導体表面を原子スケールで観察することのできる走査トンネル顕微鏡を用いて、パワーデバイス材料として注目を集めているシリコンカーバイド表面上での水素による表面変性作用について調べるものである。半導体表面や薄膜などの原子スケールでの構築や制御は、近未来のLSIテクノロジーを展望したとき非常に重要な技術となってきている。このような状況をふまえて、表面水素を利用することによって新たな原子スケールの微細構造の構築法の開拓を目指す。
超磁歪材料の磁気損失に及ぼす圧縮力の効果に関する研究 山本 健一
琉球大学工学部助手
100
超磁歪材料の示す飽和磁歪は約1600ppmと他の材料に比べて大きく、その大きな機械的伸縮量はアクチュエータや振動子材料として利用され始めている。この材料には、伸縮量を増加させる目的で圧縮力がしばしば印加されるが、この圧縮力は磁気損失の増加をもたらす。本研究は、圧縮力下における超磁歪材料の磁歪(磁界下における伸縮量)と磁気損失の特性変化およびその発生機構の明確化を目的とする。材料の磁区観察を行い内部構造変化についても検討することで、磁気損失の発生機構の解析を詳細に行う。
イオンクラスターの電界制御による高流動性絶縁膜の選択成長 足立 元明
大阪府立大学先端科学研究所助教授
100
TEOS/O3-CVD膜は流動性を示すことからULSI用層間絶縁膜として注目を集めているが、酸化膜や窒化膜への下地依存性が強く、実用化が進んでいない。本研究では著者がこれまでの研究で試作した減圧イオン化CVD装置に改良を加え、未だ成功していない減圧場での熱酸化膜および窒化膜被覆Si基板上への高流動性SiO2薄膜の形成を目指す。イオン化したTEOSガスの運動を電界で制御し、流動性を発現する特定の気相中間体を、基板上に静電沈着させることにより、下地に異存しない高流動性SiO2膜を形成する。
ナノ構造シリコンによる偏光制御素子の開発 小山 英樹
兵庫教育大学学校教育学部助教授
100
最も一般的に用いられ、地球環境にやさしい半導体であるシリコン(Si)を用い、超高速情報処理が可能な光電子集積回路を実現するための研究が内外で活発に行われている。本研究の目的は、Si超微粒子を利用して、シリコン光電子集積回路に必要な光回路素子を開発することである。直径数ナノメートルのSi超微粒子の配置を制御したり、特定方向に配置された超微粒子のみを選択光励起したりすることにより光学異方性を引き起こすという、これまでに無い全く新しい原理に基づいて行われる。
血液凝固を阻害する両性イオン構造をもつ人工高分子インヒビターの開発と生医学材料への応用 白石 浩平
近畿大学工学部助教授
120
閉塞血管の拡張、大動脈瘤の切除、抗癌剤投与などの先進治療のため、血管内に挿入される医療機材カテーテル(管)に必要な血液適合性の付与を経済的な材料を用いた表面処理による解決を目指す。本研究では血液の凝固に関連して重要となる血漿タンパク質の吸着・変成、血小板の粘着・活性化の抑制、および酵素(トロンピン:Th)の働きを抑える(インヒビター)機能を含む生体親和性の人工高分子(ポリマー)を、生体に無毒で化学的に多様な構造変換が可能なアミノ酸を用いて調製する。つぎに血液適合性に優れた化学構造をもつ本ポリマーのカテーテル表面への固定化法の開発を行う。
転写による円筒面上の立体微細加工技術の開発とその高度低侵襲医療への応用 南 和幸
山口大学工学部助教授
100
人体に対して低侵襲な治療を行うための高度な医療器具・システムの実現のためには、高機能内視鏡やカテーテル、血管用ステントなどに必要な円筒状微細構造体を製作できる加工技術が必要不可欠である。本研究では、この目的のためにパターン転写技術を用いて立体的に微細加工できる加工技術を開発する。また、各種MRI適合材料、シリコンやチタンなど、の加工特性に関して検討を行い、有用な知見を得る。さらに血管用ステントの製作に応用して、本方法の有用性を実証する。
直交光符号とホログラムを利用した符号分割多重光ネットワーク 津田 裕之
慶應義塾大学理工学部専任講師
140
インターネットのインフラストラクチャーである光ネットワークの大容量化と低コスト化は社会からの切実なる要請である。本研究は、光ファイバ中の周波数利用効率を飛躍的に向上させ、メッシュ型ネットワーク構成を容易にして、その要請に応えることを目的とする。符号分割多重(CDM)技術は、携帯電話の無線ネットワークでは中核技術となりつつあるが、光通信への適用には解決すべき課題が多い。本研究では、光通信に適した符号を明らかにするとともに、符号化および複合化光回路の構成を検討する。
非駆動関節を持つロボットのインタラクタによる姿勢制御に関する研究 忻 欣
岡山県立大学情報工学部助教授
100
宇宙空間で作業をするロボットや、人工衛星の太陽電池パネル等は、極限まで軽量化が求められるため、可動部分を動かす装置の一部が省略されている。これらは劣駆動システムと呼ばれ、その制御は難しいが、「インタラクタ」と呼ばれる概念が有用なことは知られている。本研究は、このインタラクタの設計法を非線形システムに拡張すると共に、これを用いて、劣駆動システムの一つである非駆動関節を持つロボットのロバスト(モデルが実機と多少異なっていても有効)な姿勢制御の実現を目指している。
サブナノ・フッ素トンネルの創生 片桐 利真
岡山大学大学院自然科学研究科助教授
100
サブナノサイズの小さなトンネルは、イオンや小さな分子を選択的にあるいは一つの方向に通す道具として利用できる。申請者が見出した有機物結晶中のフッ素を壁に持つサブナノトンネルは構成要素が有機物であるため、構造の微調整が容易である。しかし、どこまで構造を変えられるかについては明らかになっていない。本研究では構成要素の構造を種々変え、このトンネルの形成条件を明らかにし、トンネルの大きさを制御する方法を確立する。
原子論的組織制御による高温構造材料用Mg合金複合材料の開発 佐々木 元
広島大学工学部助教授
100
Mg合金をセラミックスと複合化することにより、高温構造材料としての利用可能性を明らかにする。強化材料として、繊維、粒子、ウィスカを、製造法としてスクイズキャストあるいは溶融攪拌法、半溶融凝固プロセスなどの鋳造法を取上げる。製造時および高熱環境下でのセラミックスと合金の反応性を制御するため、セラミックス表面の改質等により原子的レベルでの反応の制御を行う。また、熱的、機械的性質の発現原因を原子レベルで明らかにし、高機能材料の設計指針を得る。
水素イオン伝導性セラミック薄膜の開発 都留 稔了
広島大学工学部助教授
130
メタノール直接型固体燃料電池への応用を目的として、触媒反応性やCO被毒の点から150〜300℃の中温度域で使用可能な水素イオン(プロトン)伝導セラミック膜を開発することを提案する。本研究では、ゾルゲ法により、シリカもしくは二酸化チタン薄膜、および、それらのリン酸との複合酸化物膜を作製し、水素イオン伝導膜、および、メタノール、水素、水蒸気の膜透過特性を100〜300℃の温度範囲で評価し、最適な製膜条件(コロイドゾル調製条件、焼成温度、リン酸含有率)を明らかとする。
有機合成を駆使した機能性人工蛋白質創製とDNA診断材料への応用 林 高史
九州大学大学院工学研究院助教授
100
ミオグロビンは酸素貯蔵能を有する蛋白質として広く知られている。この蛋白質の活性中心であるヘム分子は特徴的な分光学的・磁気的性質、高い反応性を有している。この特性を考慮して本研究ではミオグロビンの蛋白質表面に様々な生理活性物質と特異的に結合する部位を有機合成化学的に構築し、ミオグロビンを生体物質のセンサーとして応用をはかる。特にDNAと結合する機能性ミオグロビンを開発し、DNAとの特異的認識、切断、修復機能を評価し、ミオグロビンを用いた生体材料の創製を目指す。
マイクロマシン技術による気液混相型発電素子の開発 高橋 厚史
九州大学大学院工学研究院助教授
130
廃熱を電気エネルギーに変換する1cm角程度の超小型熱機関の試作研究をマイクロマシン技術を用いて行う。シリコン基板中に細管を設け、その中を液体と気体の混じった状態にしておき、熱によって気泡が膨張することで振動的に駆動される導電性液体部が永久磁石による磁場を通ることで電流が発生する。特に管が小さくなればなるほど卓越する気泡の表面張力を利用して、場所によって管の大きさを変えたり適当なオリフィス部を設けることで最適な発電デバイスとなるよう研究する。
データマイニング技術を用いたトリップデータ処理に関する研究 河野 浩之
京都大学大学院情報学研究科助教授
120
大量の生データにおいて成立する規則を効率良く導出するデータマイニング技術を応用し、空間データを処理するデータベースに対して効率の良いアルゴリズムを開発する。特に、これまで研究した相関ルール、クラスタリングなどのアルゴリズムを基礎として用いる。また、操作インタフェース構築では、ビジュアライゼーション技術を用いる。なお、実データとして、移動体通信を用いて得られた車両などの位置データをトリップデータに変換したデータを利用する。
直線・回転複合駆動モータの試作研究 上野 和之
東北大学流体科学研究所講師
130
申請者が提案している新しいタイプの誘導モーターを試作して、基本性能を明らかにする。この装置はリニアモータと回転モータの両方の性質を兼ね備えている。充分な駆動力を実証できたなら、多くの分野での実用化が期待できる。アクチュエータとしてロボットなどに導入すれば、部品点数の大幅削減・小型化・耐久性向上が可能である。また、電磁ポンプとして鉄鋼やアルミ製造プロセスなどに導入すれば、円管内の高温溶融金属を駆動できる唯一の装置となる。
【以下 循環・省資源技術分野】
メタン有効利用のための特殊転化触媒技術の開発 有谷 博文
京都工芸繊維大学工芸学部助手
100
温室効果の高いメタンを、環境低負荷で廉価かつ簡便な技術により化学変換し有効利用する特殊触媒の開発を行う。とくに酸化カップリングによる高級炭化水素への転化に着目し、既存にない高活性・高選択性を示す触媒材料の開発を行う。材料ベースには有害性のないアルカリ土類金属酸化物を用いる。本反応の活性構造因子の探求とその耐久性を明らかにし、これを基にした材料設計を行うことにより、工業的なメタン有効利用のための触媒開発を達成することを目的としている。
高温水溶液反応の新しい高速追跡法を用いるin situ紫外可視吸光分析 川村 邦男
大阪府立大学大学院工学研究科助手
110
臨界点付近の高温水は、廃プラスチックや環境汚染物質などを分解・無毒化するプロセスを実現する反応媒体として注目されている。このような高温水中でおこる化学反応の過程を詳しく調べることができれば、資源の回収や環境汚染物質の無毒化の新しいプロセスを構築することが可能となり、より確かな環境保全および資源循環技術を展開できるであろう。申請者は、高温水中での反応を調べる新しい高速追跡法を開発したが、本研究ではその展開として微少時間でin situ吸光分析する方法を確立する。
光エネルギーを利用した半導体光触媒による環境調和型有機合成システムの開発 横野 照尚
大阪大学有機光工学研究センター助教授
100
二酸化チタン光触媒粉末をアセトニトリル中に懸濁させ、そこに出発物質である種々の有機化合物(オレフィン、芳香族類など)を溶解する。その溶液中に酸素ガスを吹き込みながら、光を照射することにより酸化反応を行わせ、工業的に付加価値の高い化合物に高選択的かつ高収率で変換する反応系を開発する。触媒の表面処理およびその結晶系のコントロール、または反応の溶媒系の最適化により目的化合物の選択性や収率の向上する条件についての検討を行う。
代替フロンの効率的分解過程 古屋 謙治
九州大学大学院
総合理工学研究院助手
110
半導体の微細加工には不可欠の代替フロンは、二酸化炭素の数千倍の地球温暖化効果を有する。本研究では、代替フロンの回収とリサイクルに役立つような分解技術を開発することを目的としている。具体的には、代替フロンに種々のエネルギーで電子線や光を照射し、質量分析や発光観測を通して、その安定性や反応性について詳細に検討する。さらに、分解時における温度、圧力、電子線や光のエネルギー、共存ガスの種類などについて、最適な条件を探索することを目的としている。
循環型社会実現のための有機性固形廃棄物の資源化処理技術の開発に関する研究 今井 剛
山口大学工学部助教授
100
わが国では廃棄物の処理がその量、質ともに重大な社会問題と化している。特に含水率の高い有機性廃棄物の処理については、その扱いが困難であることから分別収集が難しく、資源化処理が行えていないことから有効利用がなされていないのが現状である。そこで、本研究では比較的構造が簡単でメンテナンスが容易かつ低コスト化が期待できる高速回転ディスクによる有機性固形廃棄物(余剰汚泥、厨芥等)の可溶化処理について検討し、循環型社会実現のための有機性固形廃棄物の資源化処理技術の開発の一助となす。
新規熱電変換材料としての価数の不安定な希土類多元化合物の研究 板東 能生
呉工業高等専門学校
100
熱電変換素子には、おおきな熱電能、小さな電気抵抗と熱伝導度を持った材料が必要であるが、従来のBi系半導体では特性改善は限界に来ている。我々は電気伝導特性が金属的でありながら、数10〜数100μV/Kという大きな熱電能を示す希土類多元化合物を最近開発した。これらは、元素置換によって比較的簡単にその特性を向上させることができる。本研究では、価数の不安定な希土類多元化合物に元素置換を施すことによって、高性能な熱電変換素子材料を開発する。
バイオマスリサイクル用新規分解酵素(系)の開発 山田 隆
広島大学工学部教授
120
未利用バイオマス資源の低分子化(分解)に有効と思われる新規酵素2種を発見した。これら酵素は、珍しいウイルス由来であり、天然基質として多種多様な植物(藻類)細胞壁を分解できることから、従来にない基質特異性を有すると思われる。これら酵素について、その遺伝子・タンパク質構造、生化学的特性、基質特異性、分解産物等を調べ、実体を明らかにする。さらに、種々の未利用バイオマスに対する分解活性の定量的評価と分解産物の定性分析を行い、実際的利用の方途を探る。
小 計 30件 3,300

特定課題−アジア地域高等教育支援

研 究 題 目 および 研 究 概 要 研 究 代 表 者
(*役職は応募時)
助成金額
(万円)
広島大学とアジア諸国との研究・教育ネットワークの構築 茂里 一紘
広島大学高等教育開発センター長・工学部教授
300
インドネシアとタイの大学を対象として、学術研究と教育の双方向交流を実践し、今後のあり方について検討する。具体的にはアジア多国間交流円卓会議を実施し、マツダ財団研究助成による過去5年間の学生交流プロジェクトの成果の総括、わが国の技術者教育の国際的評価、次世代を担う技術者による今後の国際交流への展望、について議論する。
合 計 31件 3,600

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