財団ニュース

2017年(平成29年)

2017年2月22日号

『地方暮らしの幸福と若者』出版記念シンポジウムを3月18日(土)に開催します!


 青少年健全育成に取り組んできたマツダ財団が、青少年の最終ステージともいうべき「社会人になる直前の若者」「社会に出て間がない若者」 に注目し始めたのは、2014年頃のことでした。
 「若者は、今の社会に希望を持てているだろうか…。」
 そんな問いに端を発し、「若者」の置かれた環境、日々の暮らし、胸の奥にある不安や希望… 様々な若者のあるがままの姿を真摯に見つめることによって、 財団として取り組むべき課題を考えていきたいと考えました。
 そこで、若者研究に取り組んでおられる、吉備国際大学の轡田竜蔵准教授に、広島の若者についての調査・研究をお願いしました。
 このほど、轡田准教授によるアンケートやインタビュー調査及び研究結果が、一冊の書籍としてまとめられ、刊行されることになりましたので、 これを記念し、以下の通りシンポジウムを開催します。
 著者講演や、新進気鋭の社会学者が繰り広げるディスカッションを、研究者、行政関係者、市民のみなさま、そして何よりも若者自身にお聞きいただき、「若者のこれから」を一緒に考えていただければ幸いです。


印刷用ご案内ちらし

――若者研究の「サイレント・マジョリティ」に光を当てる。豊富な社会調査データから、地方暮らしの幸福に注目が集まる時代を検証する。――

■開催趣旨

このたび、轡田竜蔵・著『地方暮らしの幸福と若者』(416頁、勁草書房)の刊行を記念して、広島市内でシンポジウムを開催いたします。 この著書は、公益財団法人マツダ財団の委託で行った、広島県の二つの自治体に暮らす若者(20〜30代)への質問紙調査とデプス・インタビュー調査の成果です。調査地となったのは、「まち」の安芸郡府中町と「いなか」の三次市です。若者にとっての地方暮らしの諸側面を総合的に捉え、その社会的課題を考察しています。

■著者より

この本の目的は「地方暮らしの幸福」を強調し、若者の地元定住や地方移住を勧めることではありません。逆に、地方暮らしの悲惨さを強調することでもありません。多様な若者の地方暮らしのリアルを分析し、個々の取りうる選択肢を増やし、潜在能力を発揮するチャンスを広げるための視点を示しました。 

■日時 2017年3月18日(土) 13:00〜15:30

■場所 合人社ウェンディひと・まちプラザ 北棟6F(住所:広島市中区袋町6番36号)

■参加費 無料(事前予約不要)

■主催・問い合わせ先 公益財団法人マツダ財団 TEL 082-285-4611 (平日9:00-17:00)

■後援 府中町/府中町社会福祉協議会/三次市/三次市教育委員会

■協力 勁草書房

■内容

第1部 著者講演 「地方暮らしの幸福と若者」

講師: 轡田 竜蔵(くつわだ・りゅうぞう)

吉備国際大学准教授 社会学
主箸
「平凡なナショナリズムと第三世界ナショナリズムのあいだ」「現代思想」2001年12月号、「過剰包摂される地元志向の若者たち一地方大学出身者の比較事例分析」樋口明彦・上村泰裕・平塚眞樹編『若者問題と教育・雇用・社会保障一東アジアと周辺から考える』(2001年)、 『広島二〇〜三〇代住民意識調査報告書<統計分析篇>』 (2015年)

第2部 パネルディスカッション
―著者を含む団塊ジュニア世代の4人の社会学者が地方暮らしの若者について討論!―

阿部真大あべ・まさひろ 甲南大学 准教授

永田夏来 ながた・なつき
兵庫教育大学 助教

川端浩平かわばた・こうへい 福島大学 准教授

労働社会学/『地方にこもる若者たち』『搾取される若者たち』など、著作多数

家族社会学/若者の結婚観・家族観についての調査研究を行う。TV等の出演多数。

社会学・カルチュラル・スタディーズ/「地域社会における差別・排除と共生の実践」が研究テーマ

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