助成実績

青少年健全教育関係 市民活動支援

2007年度市民活動支援【詳細】

活動名  団体名 学生ボランティアセンター立ち上げ検討委員会
学生ボランティアセンター立ち上げ検討プロジェクト 地域 広島県広島市
代表者 委員長 竹内 瞳
支援金額 27万円
活動概要
広島市とその周辺にある大学と在籍する大学生が、学内をはじめとするあらゆるボランティア活動やNPO活動に自由に参加できるしくみや風土を学生自身で作り上げていくために、@各大学のボランティアサークルを調査し、広く一般に紹介するしくみづくり、A学生ボランティアサークルの継続性、必要性について学生と議論する場づくりを行ないました。結果として、本格的な学生ボランティアセンターを立ち上げるためには、まだまだ時間と議論を要するという結論に至りました。しかしながら、こうした活動は単年度で結果が出せるものではなく、少なくとももう1年は継続させて様子を見ていくことになりました。つきましては、次年度以降は自主事業として活動規模を縮小しながらも、ひろしま市民活動ネットワークHEART to HEART内にプロジェクト事務局を置くことにしました。
実施時期:
2007年5月〜2008年3月
委員会会議及び学生ミーティング:ひろしま市民活動ネットワークHEART to HEART
ボランティアサークル調査活動:協力大学内
参加人員:
検討委員会(計5回)・・・45名
サークル調査隊・・・5名
学生ミーティング(2回)・・・15名
参加総人員 65 名
お悩み共有ミーティング お悩み共有ミーティング
《お悩み共有ミーティング》
打ち水ボランティア
《打ち水ボランティア》
活動が関連する団体等、地域社会等に与えた影響 
学生ボランティアサークルのつながりを作るところまでは至りませんでしたが、ヒアリング調査を通じて、つながりをつくっていくことの大切が少しずつ伝わり始めていることは、各サークルからのコメントでわかります。各サークルとも、自分たちの活動と授業とアルバイトで精一杯な状況ですが、ブログに興味を示し「活動の頃合いを見ながら絶対参加します」というサークルも出始め、あるいは実際にブログに書き込む団体が出てきたことで、大学内で活動してきた彼ら(彼女ら)がもっと視野を広げていく魅力に気づき始めていると感じています。もう一方で、このプロジェクトの裏方としてサークルを調査してくれた調査隊メンバー同士が、メールを通して、あるいは直接会って話し合う中で、情報を共有しながらお互いに士気を高め、その士気を維持することができたことも、このプログラムの副産物だと思います。残念ながら半分以上はめでたく就職してしまいましたが、時間があれば手伝うと言ってくれる彼(彼女)らの著しい成長をここで挙げておきます。
残念ながら地域・社会に影響を与えるまでには至りませんでした。が、このプロジェクト自体の目的(ゴール)として、大学間でつながったボランティアサークルの活動をより多くの方に知ってもらい、地域のNPOやボランティアサークル、または個々の市民とつながっていくことも目指しています。次年度もこのプロジェクトを継続するということは、このゴールもまだ失ったわけではないと考えています。ブログの紹介カードが広く出回るようになるまで頑張ります。
苦労した点
最初から想定はしていましたが、各大学のボランティアサークルへの協力要請には本当に苦労しました。まず、サークルをとりまとめる機関がないために、一定のお願い文書を送付することができないということ。そして、サークルという名前はあっても、本当に活動しているのかどうかの判断をするには、実際に周囲や当事者の話を聞いてみないとわからないということ。草の根の市民活動を把握する難しさと同じことですが、大学内というエリア限定であっても、調べる側の脚力と口コミに頼るしかない点は本当に苦労しました。さらに、プロジェクトを進めていくうえでの障害となった点を挙げてみます。
@ 学生ボランティアサークルの成り立ち方そもそもの成り立ち方が学生の自発的なものよりも、授業、ゼミの延長線上で始まっているケースが多いため、与えられたテーマあるいはミッションを超えたところまで自主的に進めていこうという思いは薄いと思われます。また、学生特有の“ノリ”で盛り上がっているケースもあり、ノリの良い学生が来なくなると活動も衰退するという現実も見え隠れしています。この点は一般的なボランティア団体やNPOの成り立ち方とは若干異なるため、ここにもエンパワーの難しさを感じました。
A ブログ作成の戦力が突然ダウン 今回、ブログの立ち上げに際し、IT系NPOのスタッフを長年にわたり経験しておられる方に無償で作成していただくことにしていましたが、期の途中でそのNPOを退職され、個人事業主になられたため、有償(料金体系にある金額に近い額)で作成したい旨のお話をいただきました。このプログラムは、我々市民団体の存続のために助成していただいているわけではなく、学生の自発性やコミュニケーション力のアップが最大の狙いである点をご理解いただけなかったのは大変残念でした。
B 大学間の距離を狭め、機動力を発揮できるコミュニケーションツールとは・・・? 検討委員会の会議と学生ミーティング以外の部分は、全てメールによるバーチャル会議にて進めました。同じ広島市内にあるとはいえ、お互いが短時間で集まれるエリアというのは皆無に等しいです。メールでできれば確かに効率は上がりますが、文章の書き方や読み取り方によっては誤解を生じることもあり、単に情報を共有するには使えても、思いを共有するには言葉足らずになったり表現の難しさもあったりして、少々不向きなツールに感じられました。しかしながら、大学所在地あるいは活動エリアが離れているからこそ、ブログなどITを活用したアクションが有効になるのですから、学生の皆さんにもっと文章力を磨くトレーニングも心がけてもらうようなアドバイスも今後は必要なのかもしれません。
今後の課題・発展の方向性
次年度は検討委員会としての会議はメールでのやりとりのみに簡素化したうえで、本プロジェクトを継続させることにし、本年度の反省を踏まえながら2年目に入ります。ただ、新たな課題として、裏方でサポートしてくれた学生の半数が社会人となるため、自由が利きにくくなる可能性があります。そこをどうカバーしていくか、という点が新たな課題といえます。 そういう意味では、新たな人材を巻き込むことへの工夫が急務となります。また、事務局ももう少し積極的に動きます。本年度は「学生主体」にこだわり、活動のかなりのウェイトを学生に任せましたが、経験の浅い若者だけではカバーしきれない部分もあり、事務局のリーダーシップも必要であることを感じました。幸いにして(本業として)大学に伺う機会がありますので、そこでPRをすることも可能かと思われます。人と人とのつながりを大切にしながら、大人は大人のつながりの中で、学生は学生のつながりの中でアピールしていくことを考えています。
活動を終えての感想・意見等
学生の主体性、自発性を導き出すことの難しさを日々痛感しました。が、学生に限らず、集団依存、横並び主義が当たり前になった世の中で、自発的に市民活動に携わる人々をいかに増やし育てるのかという課題にも似たところがあると感じました。裏方で関わった学生に少しずつ「根性」が芽生えてきたのと同様に、事務局にもさらに「打たれ強さ」「根気」が備わったような気がしています。ボランティアサークルへのサポートとともに、これから何かやってみようかなという学生の背中も押せるよう2年目のチャレンジも頑張ります! 

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