助成実績

青少年健全教育関係 市民活動支援

2005年度市民活動支援【詳細】

活動名  団体名 (財)日本ダウン症協会広島支部
えんぜるふぃっしゅ
若年ダウン症青少年ソーシャルスキルアップ支援事業 地域 広島県広島市
代表者 会長 高木 裕子
支援金額 25万円
活動概要
就労に向けてがんばる若年ダウン症青少年の多感な思春期に社会経験の場を広く継続的に提供します。積み上げた経験から「人付き合いのコツを身につけること」を主目的にした通年ソーシャルスキルアップ支援活動をします。この健全育成事業は行政、企業、学生(一般人)がそれぞれの立場でできる支援を持ち寄った先駆的、かつ次代に繋がる活動です。
実施時期:
【1】2005.5(サポーター募集)各大学で
【2】2005.6(サポーター研修会)東区地域福祉センター
【3】2005.7(サポーター、本人の研修)アンデルセンサービス講習室
【4】2005.7〜2005.8(職場体験実習)各広島市公共施設
【5】2005.9(フォローアップ研修)中区地域福祉センター
【6】まとめの会 中区地域福祉センター、(現在春の職場体験実習実施中)
参加人員:
ダウン症本人 23名、ジョブサポーターの学生(社会人も)23名
参加総人員 46名
《サポート実習の様子》
現代美術館 チケットのもぎり こども科学館 いらっしゃいませ
《現代美術館 チケットのもぎり》 《こども科学館 いらっしゃいませ》
こども図書館 本の整理 動物園 パンフレットの配布
《こども図書館 本の整理》 《動物園 パンフレットの配布》
活動が関連する団体等、地域社会等に与えた影響 
・広島市公共施設側の受け入れの人数を増加しても良いといわれた。また、接客業務の経験者として12月22日の障害者と広島交響楽団とのジョイントコンサートでの受付スタッフとしての申し込みがあった。
・ジョブサポーターの本人たちと楽しい実習ができたことと、自分たちのために大きな職場体験になり、今後もやっていきたいとの意見が多かった。
・職場体験実習について、えんぜるふぃっしゅの機関紙に載せ、会員に刺激と希望を与えた。その結果、次回での実習を希望する本人が増えた。
・ジョブサポーターの募集についての協力団体(大学、専門学校など)が増加した。ジョブサポーターについての広報活動が2大学の大学祭で写真展、コーヒーサービスができ、今後の協力を約束していただいた。
・ジョブサポーターの中には地元に帰って、同じような活動がしたいと言って、その道に就職した学生もいた。また一般の方の中に自分の地元に帰り同じような支援事業をしたいと言っている人がいた。サポーターの指導に当たってくださった方のなかに自分の地域でやりたいという人がいた。
・この活動が(財)日本ダウン症協会本部に伝わり、機関紙に活動内容の記事を求められ、全国向けの機関紙JDSに載った。
・接客、チケットのもぎりの業務に従事し、お客として来られた地域の方々の笑顔での対応に、障害者の理解を深める啓蒙になったと思われた。
苦労した点
・ジョブサポーターの募集について、はじめ社会福祉協議会を通してと思っていたが、社会福祉協議会が紹介したボランテイアは0名で、驚いた。しかし、会員の考えで各大学を通して、学生に直接具体的に説明する機会を希望し、かなえられ、充分な数のジョブサポーターが得られた。
・本人が急病で職場体験実習を休むことの可能性は考えていたが、ジョブサポーターが急病でサポートできないことがあり、急遽新しいサポーターを探しサポートしてもらい、本人、サポーターに迷惑をかけた。私たちは、サポーターと共に参加することで本人の実習を公共施設に受け入れられているので、約束は守らなければと心を引き締めて当たった。
・本人の中には、はじめて体験実習に参加する者と、回を重ねて実習に参加するものといて、初めて参加する保護者のサポートが充分でなく、うまくいかなかった場合、落ち込ませてしまった。初めて参加する保護者、本人のサポートがうまくいくように、今後は1月に1回例会をもつことにした。
・金銭的には保護者の目に見えない出費にささえられているので、(ジョブサポーター募集についてのチラシやポスターなど予算、交通費などは予算化されていない。など)長続きするためには考える必要がある。
今後の課題・発展の方向性
・ジョブサポーターの獲得はこの事業の要である。本人にとって、また保護者にとって、サポーターの存在は親の子離れ、本人の親離れの機会になることが見えてきた。
・ジョブサポーターの中には、ボランテイアであるが、同時に自分たちの大きな成長の機会であることに気づき、感謝された。
・ジョブサポーター募集のために、各大学の大学祭で写真展などを行い、その場で障害者についての啓蒙活動ができたので、今後も続けたい。
・この事業はえんぜるふぃっしゅの事業であり、会員の中の中学生、高校生全員に参加の機会になるように広報活動を充実したい。
・今は公共施設に限られているが、会員のなかには民間の会社での職場体験実習を希望するものもいるので、また、その方向性も考えているので、その道を見つけたい。
・本人の変化は顕著で、それは回を重ねることで、大きな成長が見られたことではっきりしてきた。就労のためには、自分中心の人間関係から、相手中心の人間関係をつくる力が大きな成功の鍵になるが、そのことを本人たちは回を重ねることで身に着けていることが見えてきた。このことは、私たちの事業が仕事そのものをする力というより、就労前に身に着ける必要のある、仕事先での人間関係を作る力をつける事業になっていると思われる。
・本人の世界が広がる機会になっている。初めての人と挨拶したり、パンフレットをわたしたりの仕事で、日常の生活のなかで世界を広げ、活動範囲が広がった本人もいる。
活動を終えての感想・意見等
私たち保護者はこの事業を本人たちの成長を願って始めたが、それが、周りでサポートした人々の成長になったと感謝され、本当に嬉しく、意欲的に取り組みたいとおもうようになりました。また、この事業をするにあたり、余りにも多くの個人的な、また企業の、市職員の支援を頂き、感謝の気持ちで一杯です。親だけではできない大きな本人の成長を見せていただき、感謝でいっぱいです。今どきの若者といいますが、骨のある、信頼できる沢山の若者に出会い、将来への希望、期待が抱け、生きる喜びを与えていただきました。特に、私たち保護者にとっての一番の弱点である金銭的な援助をマツダ財団さんからいただき、このような成果を感じさせていただき、生きる喜びを頂き、本当にありがとうございました。言葉にできない感謝の気持ちを抱いております。

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